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2005.03.25

Dual Disc ──CD規格準拠問題はどうなったのだろう。

 円盤の片面を DVD、 もう片面を“CD”(正確にはCDモドキ)として使えるとの触れ込みで売られているメディアがある。 「Dual Disc」 (あるいは DVD Plus) ってやつがそれで、 SACD のハイブリッド盤(CDと2層構造にすることで、 SACD とCDと両方の対応プレーヤーで再生できる)に対抗して DVD 陣営が出してきた代物だ。文字通り DVD と“CD”を貼り合わせた形らしい。
 で、その 「Dual Disc」、アメリカでは徐々に商品化が進んでいき そこそこ好評のようなのだな。

http://whatsmyscene.blogspot.com/2005/03/dualdisc.html
「Dual Disc はアメリカで調子良いみたい」
(what's my scene?)

http://music.cocolog-nifty.com/001/2005/03/dualdisc_in_usa.html
「アメリカで DualDisc が好調なんだって」
(いかんともしがたい)
▲ ネタ元。

 『what's my scene?』 での「単純に心配されるのは、日本に入ってくる輸入盤も Dual Disc が増えそうな点」というくだりには全くもって同意するところ。 「DVD 面がリージョンコードでプロテクトされていれば、一般的な国産家電メーカー製 DVD プレイヤーじゃ見られないことになる」との心配通り、アマゾンで入手可能な Jennifer Lopez 『Rebirth』 の DVD 面がリージョンコード1だという証言(カスタマーレビュー参照)が出ている。 Omarion 『O』 についても購入者がブログで言及してた(同様にリージョン1)。どんどん売り手の思惑通りに市場分割が進んできている訳か‥‥。

 Dual Disc は、こんなんで大丈夫なのかよってほど問題点がある。例えば冒頭リンクの両記事で触れられている「CDと DVD を貼り合わせたものだから厚みがあって、スロットローディングのプレイヤーでは不具合が出る可能性がある」(ここでは『いかんともしがたい』の方から引用)という点。いま販売されている Mac の殆どはスロットローディングだわ──なんて限定的なツッコミもしたくなる。もっともスロットローディングはCDシングル(8センチCD)にも対応してなかったりするが。
 それはともかく、 Dual Disc の製造法そのものについて(すなわち DVD Plus 製造法とのライセンス関係)の問題とか、CD面の再生保証(オランダ・フィリップスが CDDA マークの使用を拒否した)の問題とか、その仕様が明らかにされた時点で噴出していた問題点があったのだ。実は当時、うちでもネタにしたことがある。

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2004/08/_dual_disc_.html
「米国じゃ 『Dual Disc』 なる製品が提案されているらしいのだが‥‥問題山積」
(試される。(ココログ mix))

 2004年8月に 上の記事を書いて以降、何か変化があったのだろうか。ちょっとググってはみたものの、いずれの問題についても進展した様子がない。 Dual Disc / DVD Plus 問題の方は当事者同士の話し合いだから置いといて、私にはCD規格準拠問題が非常に気になって仕方ない。
 「CCCD」 問題とも通ずるところのある再生保証問題は、私にとって音楽再生メディア最大の関心事だと言ってもいい。 Dual Disc についても、もしかしたら輸入盤で買うことになるかも知れないし、それが再生保証の無いものだったりするのは御免である。そして上記の記事の中で引用したロイター記事には決定的な事実が書かれていた。

 CDのロゴをライセンスしている蘭 Philips Electronics の広報担当の説明によると、同社は、レーベル側がCD面の「読み込みエラー」に関する責任を負うと保証しない限り、CDのロゴをハイブリッドディスクに使用することを拒否するという。


※ 記事が掲載された ITmedia では削除済み。
  変わりにオリコンでの 2004年8月30日付 記事を参照のこと。

 2枚の盤を貼り合わせるという Dual Disc の構造に起因する問題で、CD面の読み取りにエラーを多く生じさせるようである。

 つまるところ、 Dual Disc とは DVD とCDとの貼り合わせではなく、あくまでもCDモドキとの貼り合わせなのである。今でも Dual Disc はCDロゴを使えない筈である。それは次のような Dual Disc 公式サイト・ FAQ での一文でも明らかだ。

The CD side plays on all but a limited number of CD and DVD models.

 ──もはや Dual Disc 側にはCDロゴを付けようという気が無いのではないか。




 実際に入手可能な Dual Disc のCD面の実態はどうなのだろう。勿論あれが再生保証のないCDモドキなのは間違いないし、もし たまたま手持ちのCDプレーヤーで再生できたとしても「CD」と呼べない事実に変わりはない。規格準拠を示すCDロゴの有無はそれだけ重いものだ。だからこそ これまで安定して利用されてきたのだから。
 ともあれ私は現物を持っていないから、他人の証言を参考にするしかない。例えば、先に紹介した『O』の感想では「CDは普通にかかりました。でもなかなか LOAD しない時もあるのでプレイヤーとの相性は多分あるでしょう」とある。
 また、日本においても実は「一部のインディーズ盤で市場投入も始まって」(リンク既掲のオリコン記事より)いるそうで、実際に以下のサイトに報告がある。

http://www.seraphita.org/news_xx0305.html
「Псиニュース:2005年03月」
(花葬仮想的鐘楼堕天使Пси714歳)
▲ 2005年3月15日付 日記を参照のこと。
  見出し「メリーの『さかしまエンドロール』、明日発売」。

 いざ Dual Disc のCD面をパソコンで聴こうとしたら、 「Windows 的八方塞り」だって。 Windows XP では「正しく認識されない」、 Windows 2000 では「再生もリッピングも可能」、 MacOS X では「強制的に排出される」らしい。
 「ドライブの相性とか転送モードとかの問題なのかもしれません」との感想が書かれてはいるが、 Win 2000 環境では再生できる反面(だから 「CCCD」 ではないのだろう、多分)、他の環境で ここまで正常に再生できないとなると「CD」と呼ぶことは躊躇われる(「CDモドキだろ」って?)。パソコンの側だって、CDの再生を謳ってドライブにロゴを付けてるのだ。たった一例を持って判断することは出来ないが、ある意味 予想通りというか‥‥。

 更に驚いたのだが、この作品(メリーの『さかしまエンドロール』)にはCD規格準拠のロゴも入っているらしい。どうなってるのだ。
 書き手の凡ミス? デザイナーが間違えて入れた? Dual Disc のCD再生保証問題に片が付いた? ──いやいや、再生保証ができれば Win XP や MacOS X の挙動の説明が付かない。 Dual Disc 公式サイトでの つれない説明書きが あのままなのも おかしい。安心してCD再生できるなら、それは最大のアピールポイントだからね。

 現状としては、DVD 面がリージョンコード1、CD面は(相変わらず)再生保証が無い。そうなると輸入盤 Dual Disc には当面 手を出さない方が良さそうな気がしてくるなぁ。

投稿:by 谷分 章優 12:31 午前 [音楽業界の愚行] | 固定リンク

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» 「Dual Disc」 の規格準拠問題は解決していなかった ──再生機器メーカーからの“お墨付き”というか“札付き” [試される。(ココログ mix) から]
 以前、米国では 「Dual Disc」 が徐々に受け入れられ始めているという話 続きを読む

受信 2005/04/16 4:07:04

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