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2005.05.08

輸入差止「還流盤」の実際 ──GLAY 『WHITE ROAD』 TKPD-0039

 連休中に韓国へ旅行していた友人が お土産を手に帰ってきた。
 その土産は、私があらかじめ頼んでおいたもので、日本レコード協会の「輸入差止申立てに係る対象レコードリスト」で輸入差止めの申し立てが受理されたとされるCDである。

Ballad Best Singles- WHITE ROAD
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 ──あ、上のデータは日本盤ね。

 GLAY の 『WHITE ROAD』 韓国盤。品番が TKPD-0039、 価格は日本円で 1700円程度だ。やはり日本のCDってのは高すぎるな。日本に輸入される洋楽米盤と同程度の水準(最近は米盤が値上がりしてる感もあるが)だから、韓国盤が特別安い訳ではない。ただ韓国盤について強調しておきたいのは、日本のレコード会社自身がこの値段を「戦略的に」付けたものであり、奴らはこの程度まで下げないとCDが売れないと判っているということである。

 さて。私が友人に「還流盤」を頼んでいたのは、税関で妥当な扱いがされているのか、そして実際の「還流盤」がどのようなものかを知るためだった。しかしながら結果から述べてしまうと、特筆すべき事はない。今のところ決められたことを決められた通りに処理されている様子である。
 例えば税関。友人はわざわざCDが見えるように通ってきたというが、全く声も掛けられなかったという。まぁCDを持ってる人全員に声を掛けるともなれば税関の人も大変だろうし、そもそも還流防止措置は個人で持ち込む分を対象としていない。これが大量(袋いっぱいとか箱詰めとか)となれば定かではないが、せいぜい数枚程度であれば全くのフリーパスということなのだろう。今のところ正常に扱われていると思われる(さまざまな報告例が集まってくれば、その取扱実態が明らかになってくるだろう)。
 また、表示についてもレコ協の「表示に関する運用基準」をクリアしている。もっとも、表示に関する問題は輸入差止めが受理されていないものにも「日本国内頒布禁止」と記すことにあるのだが(今回は、これについて調べることは出来なかった)。
 ともあれ、現在 輸入が差止められている「還流盤」の一例を報告することにする。




 外観で、日本盤と韓国盤とで すぐに判る違いと言えば文字表記である(なお私は日本盤を持っていないので目に付いた特徴のみ挙げていく)。例えばパッケージ表に貼られたシールはハングル表記である。当たり前だが。

 裏の曲目においても、日本語タイトルにハングルが併記されている。 GLAY には英語タイトルの曲もあるから、そちらは そのまま読めということなのだろう。日本のように“邦題”を付けるわけではないのだね。
 そしてバーコードは 「8 809144 340575」。 国番号が 880 で、まぎれもなく韓国の製品。パッケージには 「MADE IN KOREA」 の表記もある。

 さて、我々 Watchdog が最も気になる「日本国内頒布禁止」表記の方。パッケージ裏の下の方にきちんと印字されていた。

[日本国内頒布禁止 (09・1・18まで)]
NOT For Distribution In Japan (Expires 18 January 2009)
このCDは、日本で頒布されているCDと同一で、専ら日本国外で頒布すること
を条件に権利者から許諾を受けています。
This CD is identical to a CD distributed earlier in Japan and has been
authorized by the licensor to be distributed outside Japan only.

 帯にも同様の表記がある(簡略化されているが)。

[日本国内頒布禁止]
[(09・1・18まで)]
NOT For Distribution In Japan
(Expires 18 January 2009)

 そしてパッケージを開けてみると、盤にも。

[日本国内頒布禁止]
NOT For Distribution In Japan

 ──レコ協の基準をクリアしている。




 以下、余談。

 ブックレットは、曲目の一部にハングルが追記されているのを除けば、日本盤と同じもののようだ。歌詞が日本語のまま掲載されている。何だか不思議な感じ。
 韓国の人は日本語を読めるのだろうか? いや、実はハングルでの解説書・訳詞も折り込まれていた。日本での洋楽CDに折り込まれている解説みたいなものだ。ブックレットはなるべくオリジナル通りに作り、販売国用に情報を追加するという形。

 正直、日本人が自分用に韓国盤を購入しても そのまま使える。それで値段が安いのだから、そりゃレコード会社が「還流盤」を恐れるはずだ。同意はしないが同情する。

 あとブックレットの最後にこんな一文があった。

●良い音でお楽しみください
本作品は電源、ケーブル、レーザーカッティング、プレス工程まで考慮し、最新の神経を払ってマスタリングをいたしました。
CD-R やハードディスク等のコピーで制作者の意図するサウンドが損なわれるおそれがありますので、是非オリジナルのCDの良い音でお楽しみください。

 これは誰が書いた文章なのだろう。アーティスト側か、レコード会社側か。
 いずれにしても、こうした姿勢を打ち出したCDが、未だに 「CCCD」 をバラ撒き続ける東芝 EMI から発売されているという所に音楽産業の歪みを感じてしまう。 GLAY のプロデューサーだった(今回の編集盤は GLAY のセルフプロデュースということになっているらしい‥‥詳しいことは知らない)佐久間正英は 「CCCD」 の音について否定的な見解を出してた人だから、この文章をアーティスト側の意見として解釈することも可能なのだけど。 『WHITE ROAD』 も普通のCDみたいだし(でも CDDA マークが入ってない)。
 レコード会社の勝手な思惑から自分たちの音楽を守るためにミュージシャンは もっと闘うべきだと思うんだな、私は。その結果でてきたものが良い音楽で、適切な価格だったら、堂々と買わせて貰うよ。日本盤で。

投稿:by 谷分 章優 05:14 午後 [「輸入権」問題, 音楽業界の愚行] | 固定リンク

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受信 2005/05/10 19:53:53

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