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2005.09.18

JASRAC へ

●JASRAC 御中──
 iPod 等のハードディスク内蔵録音機器により
 いかなる「経済的損失」を権利者に与えることとなるのか、
 きちんとした説明をしてください。

 先日、 JASRAC は「私的録音録画補償金制度をご存知ですか?」と題する見解を公表しました。しかしこれは文化審議会著作権分科会法制問題小委員会における議論や電子情報技術産業協会 (JEITA) の主張を一方的に誹謗中傷するものであり、また我々のようなエンドユーザーの疑問に対しても 正面から答える内容とは全くなっていません。
 特に、著作権法 30条 による権利制限で私的複製には及ばないとされる「複製権」や、 iPod 等のハードディスク内蔵型録音機器等には未だ課せられていない「補償金」を“根拠”に「不利益」を主張するのは、「誤った認識」であり「誤った議論」と言わざるを得ません。私的録音録画補償金に係る議論を行なう際には、権利者の「経済的利益」と利用者の「公正な利用」とのバランスを意識して論じるべきなのです。権利者には「本来」複製権がある筈──というのはバランスを欠いた考え方です(現行著作権法には起草された時点から権利制限規定があり、これを前提として複製権が設定されているのですから)。
 すなわち iPod 等のハードディスク内蔵型録音機器等により、権利者にとって どのような「不利益」が生じるのか、 JASRAC はそれを説明する必要があります。この「不利益」が大きなものであると認められなければ、 iPod 等に「補償金」を課す必要は生じないものと私は考えます。
 JASRAC には真摯な説明を求めます。

 ──iPod 等のハードディスク内蔵型録音機器等で発生する権利者の「経済的不利益」とはいかなるものなのですか?

 iPod 等に私的録音補償金を課すか否かの判断は、私的録音録画補償金制度の趣旨に沿って為されるべきと考えます。すなわち、私的録音録画補償金の前提とされた「CDやビデオソフトなどの売上げに影響が生じるなど、本来、著作権者等の受けるべき利益を害している」(補償金制度創設当時の文化庁著作権課の説明より)ことが iPod 等にも当て嵌まるのかを示さねばなりません。
 JASRAC はこの「経済的損失」を示すことは頑なに拒んでいます。そこで捻り出したのが「複製権」や iPod 課金前提の「不利益」という訳ですが、これではエンドユーザーの理解を得ることなど到底 難しいでしょう。
 私的録音録画補償金制度の前提に立った説明がなければ、少なくとも私は、 iPod 等への課金に納得することはできません。 JASRAC の真摯な対応を期待します。

 ──音楽を愛する一ブロガーとして。
 絶えず音楽に対価を支払い続けている一消費者として。



文 責: 暇人#9
ブログ: 『試される。』
http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2005/09/jasrac__f9e8.html

 以上の私の見解に共感なさるブロガーの方がいらっしゃいましたら、是非この文面をコピペして最新エントリーに掲げてください。そしてトラックバックを下さい。
 ブロガーの方でなくても、掲示板への転載等 自身の判断でお使い戴いて構いません(上の引用部分内の文章であれば、著作権を行使する気はありません。よって「文責」以降の署名を自分のものと書き換えたり、あるいは文面を加筆・修正するのも自由です。ただし文面を改訂した場合はご自分の「文責」として下さいね)。

 私的録音録画補償金制度はエンドユーザーの理解が必要不可欠です(補償金を払うのは私たちなんですから)。だから、その恩恵を受ける者たちはエンドユーザーの疑問に答える道義的責任があります。
 そして JASRAC は未だその責任を果たしていません。一方的に「考え」を表明するのみです。互いの理解を得ようとは全く考えていません。

 JASRAC の“説明”に納得できない人たちがどれくらいいるのか知りたいのです。
 あの公式見解に怒りを感じている方は声を挙げてください。




 ──以下、参考文献。私的録音録画補償金制度の趣旨を知るためにお読みください。

『時の法令』 1993年7月30日号  6頁から 16頁
「私的録音録画に関する補償金制度の創設」
(文化庁文化部著作権課 関裕行)



(一)補償金制度創設の背景
(1)私的録音録画問題の概要
 従来の著作権法第三〇条では、著作権の目的となっている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とする場合には、その使用する者が複製することができると定めていた。(中略)この規定は、個人的に又は家庭内において行われる複製行為は、従来から著作権者等の権利が及ばないこととしてきており、また、その複製は閉鎖的な領域における零細なものであって、著作権者等の権利を不当に害するものではないと考えられることから、著作権者等の権利を制限したものであり、著作物等の公正な利用に留意しつつ著作権者等の権利の保護を図るという著作権法の目的を踏まえた規定の一つである。私的録音・録画は、この私的使用のための一類型として扱われてきた。
 しかし、近年の録音・録画機器の開発普及に伴って、音楽や映画などを録音・録画して楽しむ方法が広範に定着し、著作物の有力な利用形態となってきており、その結果、社会全体としては大量の録音物・録画物が作成され、保存されているものと考えられる。このような状況に照らすと、全く無償としておくことは、例えば、CDやビデオソフトなどの売上に影響が生じるなど、本来、著作権者等の受けるべき利益を害していることになるのではないか、との指摘がされるようになった。これが私的録音録画問題である。(中略)

(3)検討の経緯
 (中略)このような検討の間も録音・録画機器の発達・普及は目覚ましく、さらに近年、DATをはじめとするデジタル機器の発達により、高品質の録音・録画が可能となり、権利者の被る不利益がさらに増大してきた。
 (中略)平成三年一二月、著作権審議会第一〇小委員会は、補償金制度導入を提言する報告書をまとめ公表した。
 この報告書では、著作権者等の被る経済的不利益を補償するために、従来自由かつ無償とされていた家庭内等で行われる私的録音・録画について、デジタル方式の機器・記録媒体を用いて行うものについてはその秩序を見直し、従来どおり録音・録画は自由としつつ、補償金の支払を求める、すなわち自由であるが有償とすべきであるとしている。
『コピライト』 1993年6月1日号  55頁から 59頁
「著作権法の一部改正(私的録音・録画関係)について」
(文化庁文化部著作権課)



近年の録音・録画技術の発達と機器の広範な普及には著しいものがある。(中略)
 また、私的録音・録画の理由としても、「市販のCD等を買うよりも安く済むから」、「ヘッドホンタイプのカセットやカーステレオで聞くため」などの理由が多く挙げられている。
 このような状況に照らすと、個々の録音・録画行為は零細かつ限定的な利用であるとしても、総体としては、質・量ともに、権利者の権利を不当に害するものと評価できるのではないかとの問題が提起されるに至った。
http://www.cric.or.jp/houkoku/h3_12/h3_12.html
「著作権審議会第10小委員会(私的録音・録画関係)報告書
 平成3年12月 文化庁」
(著作権情報センター・掲載)



現状についてみれば、近年における録音・録画機器のめざましい開発普及に伴って、録音・録画が家庭内において、容易に、かつ、頻繁に行われ得るようになり、その結果として、一方では、社会全体として大量の録音物や録画物が作成されることとなり、さらに、最近のデジタル機器の出現によって市販のCDと変わらない高い品質の録音物が作成されるという状況も生じている。

このような状況にかんがみ、私的録音・録画の増加によって、市販のレコード(CD、音楽テープを含む)やビデオソフトの販売に影響が生じるなど、作詞家・作曲家、映画製作者などの著作権者をはじめ、実演家、レコード製作者などの著作隣接権者の経済的利益が脅かされているという指摘がなされるようになった。

また、このような状況は、制定当時の第30条の予定していた範囲を超えており、ベルヌ条約など著作権関係条約の許容する権利制限の範囲を超えているという考え方もある。
『時の法令』 1986年6月15日号  57頁から 65頁
「著作権法を知る =15= 私的録音・録画問題」
(文化庁文化部著作権課 井上明俊)



(一)はじめに
 多くの人々は、ラジオ放送から流れてくる音楽を録音し、あるいはテレビ放送から好きな映画を録画し、または友人や貸レコード店からレコードを借りてテープに音楽を録音した経験を持っているであろう。
 この行為は、著作権法上、「複製」に該当するため、著作権者に許可なく行うと、本来は著作権侵害になるものである。しかし、著作権法には第三〇条という規定が設けられており、著作物を個人的又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とする場合には、自由にこれを行えることとされている。(中略)
 現在、膨大な量の私的録音・録画が行われていることが予想されるが、その一方で、著作権法の基本に立ち返り、他人の知的創作活動の成果を自由に利用してよいのか、例えば、レコードを買う代わりのダビング行為などではレコードの販売量がそれだけ減少することは明白であり、レコード製作に寄与した作詞家、作曲家等の著作権者、歌手・演奏者、レコード制作者等の著作隣接権者に対し、なんらかの手当をしなければならないのではないかという問題が浮かびあがってくる。
http://www.jasrac.or.jp/shiteki-rokuon/05/09_2.html
「私的録音録画補償金について」
(JASRAC)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2005/09/nologic_noright_fbbb.html
「『JASRAC の考え方』の言葉のあや」
(試される。(ココログ mix))

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2005/09/begyourperdon__cad3.html
「詐欺行為にご注意ください」
(試される。(ココログ mix))

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2005/09/authorswrite__43ba.html
「『権利者』の了見」
(試される。(ココログ mix))




【追記: 2005.9.25】

 私の このエントリーの趣旨に賛同され、記事に採り上げてくださった方々およびトラックバックを送ってくださった方々に厚く御礼申し上げます。この呼びかけは消費者の声を顕在化させる目的で行なったもので、これからも賛同いただける方がいらっしゃれば、転載とトラックバックを引き続き戴きたいところであります。
 もしパブリックコメントを送ろうかと思っていて、なかなか文面を考える時間のない方がいらっしゃいましたら、よろしければ以下の記事を参考にして下さいませ。

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/
2005/09/copy_and_paste__c8dc.html

「私的録音録画補償金の iPod 等への課金について(パブコメ叩き台)」
(試される。(ココログ mix))

投稿:by 谷分 章優 08:08 午後 [著作権行政 watch, 音楽業界の愚行] | 固定リンク

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コメント

はじめまして、endmanと名乗るものです。
ぶらぶらネットを巡回していたら辿り付き、確固たる信念はありませんがトラックバックをしてみました。ミスで西暦200年のトラックバックがありますが暇があったら消してやってください。
では、失礼します。

投稿者: endman (2005/09/19 10:25:53)

わざわざお知らせいただいて ありがとうございます。
打ち間違いのトラックバックは削除しておきました。

投稿者: 暇人#9 (2005/09/25 9:33:17)

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