2005.04.18
「著作権法の勉強法」 (benli)
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2005/04/post_e9fd.html
「著作権法の勉強法・・・(1)」
(benli)
小倉秀夫 弁護士の Weblog で、「著作権法の勉強法」と題して「短期集中連載」していくという話。いま法律を専攻している人たちに向けた文章のようなのだが、私のような素人にとっても有益な情報になりそうだ。
私は法律を勉強している訳ではなく、ただ興味の赴くままに情報を集めて読みふけっているだけである(読み物を読んでいる感覚)。参照情報の見極めやその入手法は我流にならざるを得ないから、専門家による(勉強の、であるが)正攻法が示されると大いに参考になる。
『benli』 関連で、もうひとつの話題を。
英語版が開設され、海外に向けて日本の知財関連情報を発信していくらしい。
http://benli.typepad.com/benli/
「BENLI for International」
これを発信源として、日本の状況が海外で論じられ始めるか否か。始まれば面白いな。で、この議論が日本へ「還流」して来たりすれば もっと面白い。
投稿:by 暇人#9 02:41 午前 [「輸入権」資料] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2005.01.13
【速報】輸入差止申立に係る対象レコードリスト
http://www.riaj.or.jp/all_info/return/pdf/r_list.pdf
「輸入差止申立に係る対象レコードリスト(2005年1月11日現在)」
(日本レコード協会・ PDF)
▲ 1月に掲載されると予告されていたレコードリスト、ついに掲載。
http://www.riaj.or.jp/all_info/return/index.html
「社団法人 日本レコード協会|各種情報」
▲ 見出し「音楽レコードの還流防止措置」。
還流防止措置関連の情報提供ページ。
とりあえず速報まで。
感想については後で掲載。
投稿:by 暇人#9 07:43 午後 [「輸入権」問題, 「輸入権」資料, 音楽業界の愚行] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2005.01.10
「著作権の保護期間延長立法と表現の自由に関する一考察」(学習院大学法学会雑誌 39(2) p.19-97 20040300)
(論文の感想を述べるものではないので悪しからず。
とりあえずは一読のお勧めと、入手方法について。)
ニュースクリップの方では触れていたのだが、謎工氏が推薦していた論文の複写物が国会図書館から届いた。
まず一通り目を通してみたところ(これが えらく時間かかっちまったんだけどさ。笑)、論の立て方もさることながら、その表現も(私のような素人が読んでも)解り易い。納得や共感をしつつ、また大いなる示唆を与えてもらったりもして、謎工氏が「『著作権延長絶対反対!』な立場の方が今後、来るべき対決を勝ち抜くうえで必読の論文」 (『aozora blog』 でのコメントより)と評するのも決して大げさな話ではないなと思った次第である。著作権保護期間延長の件やフェアユースに関する今後の発言(あるいは運動)の立脚点となり得るだろう。
まぁ読んだ端から忘れていく私のようなトリ頭では今この段階で詳細な感想を述べることはできない(また何度か読み直して、自分の中で消化していかないとね)ので、まずはこの論文の情報・入手方法についてだけメモを残しておく。
本文言語コード:JPN
著者名 :横山, 久芳
: Yokoyama, Hisayoshi
論文名 :著作権の保護期間延長立法と
表現の自由に関する一考察
アメリカのCTEA憲法訴訟を素材として
: A Study of the Relation between
"Copyright Terms Extention Act
and Freedom of Speech"
雑誌名 :学習院大学法学会雑誌(ISSN 13417444)
: Gakushuin review of law and politics (ISSN 13417444)
出版事項 :巻号 39(2) / ページ 19-97 / 出版年 20040300
※ 『CiNii』 (http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiTop) より
データ部分を引用。レイアウトは掲載用に整形しています。
この論文についてググってはみたものの、あまり情報がかからなかった。筆者の横山久芳氏(学習院大学助教授)のプロフィールが出てきたりはした(これはこれで面白かったのだが。確かに「法律問題を自己に身近な問題として『実感』しやすい」から、法学の初学者のみならず私のような素人すらも著作権法に興味を持てるのだ)。しかし肝心の論文(誌)の入手方法が見つけ出せない。
どうなのだろう、これを個人で入手する方法は無いのだろうか? 特に学習院大学のサイトで紀要販売のページなど無さそうだ。本屋のサイトでも見つからない(誰か見つけた人います?)。上にあるデータベース 『CiNii』 へ辿り着いたが引用した情報が参照できただけである(検索結果ページへは直リンクできなかったのでデータを転載。実際に当該ページを見るには、トップページから「横山久芳」で検索してみてください)。
一部の図書館では収蔵しているらしい。それと、各大学の付属図書館にも。こういった所を利用できるのなら、そこで借りて読むのが一番だろうか。
しかしながら、私が利用したのは国立国会図書館である。
比較的簡単な入手方法は、国会図書館のNDL-OPAC→「雑誌記事索引の検索/申し込み」で「各種コード」欄に雑誌記事ID「546477800」と入力して複写申請。
http://opac.ndl.go.jp/
なんのことはない、謎工氏が最初に教えてくれた方法である。ただし国会図書館で郵送複写サービスを利用するには、利用者登録をあらかじめしておく必要がある。幸い私は登録者だった。郵送複写サービスを利用したのは今回が初めてだったのだが(笑)。なお各地の図書館を通して国会図書館に申し込むという方法もあるそうで、この時は登録利用者でなくとも可能らしい(ただし請求金額は同じなんだろうなぁ)。私はこのあたりは全く調べてないので、最寄りの図書館に問い合わせてみて下さいまし。
私は前掲の国会図書館サイトから申し込んだのだが、紹介しておいて何だけど、 1月11日の 午前7時まではメンテナンスのため休止しているという。
気になるのは複写にかかる費用である(私だけ?)。私が頼んだ場合の金額を報告しておく。たぶん他の人でも同じだろう‥‥送料あたりは微妙な感じだが。
品名 : AB4
単価 : ¥24
数量 : 40
金額 : ¥960
-------------------
包装料: ¥150
小計 : ¥1150
-------------------
消費税: ¥55
送料 : ¥240
-------------------
請求金額: ¥1405
※ 国立国会図書館複写受託センター「御請求書」より。
掲載用にレイアウトを整形しています。
1405円也。 まぁ思ったよりはかからなかった‥‥かな? ちなみに「品名」の 「AB4」 というのはA4版かB4版という意味で、これらの料金が同じために こうした表記になっているのだろう。実際には、論文の見開き2ページをA4版にコピーした状態で送付されてきた(雑誌の大きさがほぼA5版だったのだと思われる)。もし 80ページ が1枚ずつコピーされてたらどうしようかと思ってたが‥‥版型が小さくて助かった。半分で済んだんだもんね。
最後に、論文の目次を挙げておく。中に難しそうな用語が出てきたりしているが、それらも論文の中で解説されているので 読む前から心配する必要はない。
まぁそれでも難しかったら、解りそうな所だけ読むのでも良い。著作権とはどういうものか。それが、憲法で保障された表現の自由とどう関わっているのか。そうした部分だけに着目して読むだけでも、成程と思わされる所が多々あるのではないだろうか。
個人的には、日本においてフェアユース規定の必要性を説く場合に、日本国憲法に言う「自由権」を出発点としたアプローチになるのかなぁと(漠然にではあるが)考えている。あらあら、すっかり感化されちまってるかね >俺(ちなみに横山久芳氏の本論文については「知的財産権論を専門とする論者によるものであるので、司法審査基準論や用語法など、憲法学のものと少し違うので注意」との指摘もある)。
目次
一 はじめに
二 CTEA 憲法訴訟の概要
(1)アメリカにおける著作権保護期間延長の軌跡
(2)CTEA 訴訟の経緯
(一)事案の概要
(二)下級審判決
(3)連邦最高裁判決の概要
(一)Ginsburg 判事の法廷意見
(二)Breyer 判事の反対意見
三 法廷意見の批判的考察
(1)法廷意見の形式的根拠──「内在的衝量論」
(一)「内在的衝量論」の異議
──「定義付け衝量論」の著作権法的再構成
(二)「内在的衝量論」の問題点
(2)法廷意見の実質的論拠
──オリジナルな表現規制と模倣的表現規制に関する
ダブル・スタンダード
(一)法廷意見と反対意見の対立点
(二)ダブル・スタンダードの根拠論
(三)ダブル・スタンダードの問題点
(3)CTEA と特許権の期間延長との対比
四 著作権制度の憲法上の位置付けとその司法審査のあり方について
(1)著作権の憲法的正当化根拠の検討
(2)具体的な審査基準の検討
(3)CTEA の合憲性について
(4)表現の自由の砦としての司法権の役割
五 結びに代えて
投稿:by 暇人#9 03:56 午前 [「輸入権」資料] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.12.15
まめに更新されてたのね ──「ネット音楽とアナルコ・キャピタリズム」
「レコード輸入権」のことが大きく騒がれていた頃、多くの人に読まれていたであろう(本間忠良氏による)論文。実は まめにアップデートされていたのだね。
http://www013.upp.so-net.ne.jp/tadhomma/AnarchoMusic.htm
「ネット音楽とアナルコ・キャピタリズム」(本間忠良)
http://blog1.fc2.com/nirvana/?no=18
「zfyl ネット音楽とアナルコ・キャピタリズム」
▲ こちらはネタ元。
この論文を最初に読んでから、まだ1年も経ってないんだな。なんだか遠い昔のような気がしてたけど‥‥(色々あったもんなぁ)。もう一度、じっくり読んでみることにしよう。
──「還流防止措置」に対抗していくための再出発点として。
投稿:by 暇人#9 06:53 午前 [「CCCD」, 「輸入権」資料, 著作権行政 watch, 音楽業界の愚行] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.12.06
文化庁公表データ(サウンドスキャン調査)と、対象アーティスト作品の発売日との対照
少し前にネタにした、還流防止措置対象期間パブコメに係る文化庁公表データのうち、「資料3」について若干の調査を。
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2004/04110201/003.pdf
「大ヒット邦楽アルバム売上推移(週間)」
(文部科学省)
このグラフで山になっている部分について、その時期にCD等が発売されていないかを調べてみた(遅ればせながらにして不完全なままでの公開)。
【凡例】
○ 資料において○印で示された山になった時期に
発売されたCD・ DVD
● 山になっている時期に発売されたCD・ DVD
□ 山になっている時期に行われたイベント等
「」 シングルの題名
『』 アルバム・ DVD の題名
私が確認できた範囲の中では、例示されたグラフの山について、おおむね新CD発売の影響を受けて当該CD売上推移に山ができたと考えられる(なお一部アーティストについては、私が知識を持っていないこともあって論じられない)。
こうした増加分は、(1)新しいCDが発売され続けること(2)そのCDがヒットすること(3)そして過去の作品へと新しいファンの目を向けさせること──が同時に起こらなければ発生しない。こうした売上増は予測が立たない。活動期間が長くても、新譜発売が多くても、必ず売上増が起こるとは限らないからだ。
となると、この分までレコード会社の利益見込みに入れてしまうことなど妥当ではあるまい。
サンプルの半分がベスト盤であり、すでに製作費が回収されている(されているべき)とみなせる。また、このサンプルの中でも長期的に売れているものの殆どは このベスト盤である。
従って この資料において示されているレコード会社の利益は、還流防止措置などという副作用(半年から1年で初動期間を終えてしまうような殆どのCDを含め、洋楽にまで影響が及ぶ)の大きい制度によって守るべき利益などではない。
【1】 First Love / 宇多田ヒカル
●『First Love』
1999.3.10 発売(起算)
●「Addicated To You」
1999.11.10 発売(8ヶ月後)
●「Wait & See」
2000.4.19 発売(1年1ヶ月後)
□ツアー 『BOHEMIAN SUMMER 2000』
2000.7.1〜8.29 (1年4ヶ月後)
●「For You」
2000.6.30 発売 (1年9ヶ月後)
●「Can You Keep A Secret?」
2001.2.16 発売(1年11ヶ月後)
●『Distance』
2001.3.28 発売(2年後)
●「FINAL DISTANCE」
2001.7.25 発売(2年4ヶ月後)
●「traveling」
2001.11.28 発売(2年8ヶ月後)
○『Deep River』
2002.6.19 発売(3年3ヶ月後)
●「COLORS」
2003.1.29 発売(3年10ヶ月後)
●『SINGLE COLLECTION VOL. 1』
2004.3.31 発売(5年後)
●「誰かの願いが叶うころ」
2004.4.21 発売(5年1ヶ月後)
米国進出がパッとしなかったことも記憶に新しい Utada こと宇多田ヒカル。異常な売れ行きでニュースにもなったファーストアルバムは、その後のアルバム発売にも引っ張られて売上増。4年を過ぎたあたりからは小山がパラパラと。でもさりげなくシングル発売で影響が出ているのかしらん。
【2】 The Best Pleasure / B'z
●『The Best Pleasure』
1998.5.20 発売(起算)
●『The Best "Treasure"』
1998.9.20 発売(4ヶ月後)
●「遠くまで / 稲葉浩志」
1999.12.16 発売(7ヶ月後)
●「THE CHANGING / 松本孝弘」
1999.3.25 発売(10ヶ月後)
●『Brotherhood』
1999.7.14 発売(1年2ヶ月後)
* 1年5ヶ月後 (1999.10)
○『The "Mixture"』
2000.2.23 発売(1年9ヶ月後)
●『ELEVEN』
2000.12.6 発売(2年7ヶ月後)
* 3年5ヶ月後 (2001.10)
●『GREEN』
2002.7.3 発売(4年2ヶ月後)
●『The Ballads』
2002.12.11 発売(4年7ヶ月後)
○マキシシングル再発
2003.3.26 発売(4年10ヶ月後)
●『THE BEST OF DETECTIVE CONAN 2』
2003.12.10 発売(5年7ヶ月後)
昔 熱心に聴いていた時期もある B'z(今は全然)。一応はアルバム発売のたびにベスト盤が売れるという状況にあるようだ。松本・稲葉それぞれのソロ作も売上増に貢献している模様。
5年7ヶ月後の山で『コナン』の主題歌集と対応させて考えるのはちと強引か?
【3】 REVIEW / GLAY
●『REVIEW』
1997.10.1 発売(起算)
●『pure soul』
1998.7.29 発売(9ヶ月後)
* 1年後 (1998.10)
●『HEAVY GAUGE』
1999.10.20 発売(1年3ヶ月後)
* 1年9ヶ月後 (1999.7)
* 1年11ヶ月後 (1999.9)
* 2年2ヶ月後 (1999.12)
* 2年4ヶ月後 (2000.2)
* 2年7ヶ月後 (2000.5)
* 2年10ヶ月後 (2000.8)
GLAY については全く知らない私。ファンの方に分析をお願いするしかない。
【4】海の Yeah! / サザンオールスターズ
●『海の Yeah!』
1998.6.25 発売(起算)
*1年2ヶ月後 (1999.8)
●「TSUNAMI」
2000.1.26 発売(1年7ヶ月後)
●「HOTEL PACIFIC」
2000.7.19 発売(2年1ヶ月後)
●『バラッド3』
2000.11.22 発売(2年5ヶ月後)
●「波乗りジョニー」
2001.7.4 発売(3年1ヶ月後)
●『ROCK AND ROLL HERO』 桑田佳祐
2002.9.26 発売(4年3ヶ月後)
●「涙の海で抱かれたい」
2003.7.23 発売(5年1ヶ月後)
●「君こそスターだ」
2004.7.21 発売(6年1ヶ月後)
見てて恐ろしくなるのがサザンの粘り強さ。あれだけシングルヒットをコンスタントに出しているのも凄いのだが、そのたびにベスト盤が売れるという‥‥。なお活動休止期間などもあるのに、桑田佳祐ソロでヒットが出ている所為か 山が出来ている。1年2ヶ月後の山がCD発売と結びつかなかったのだが、これはやはりアレですか、夏だから? (この年のライヴとは時期がずれているようだし、何か再発とか特別なプロモーションとかやったのかも。ファンの方の分析を望む。)
【5】 FACES PLACES / globe
●『FACES PLACES』
1997.3.10 発売(起算)
* 10ヶ月後 (1998.1)
* 1年2ヶ月後 (1998.5)
●シングル連続リリース
1998.9〜10(1年6ヶ月後)
私が調べた範囲内では、CD発売との相関が弱い。
何か他の要因があったかも知れないので、ファンの方の分析を望む。
【6】 LOVEppears / 浜崎あゆみ
●『LOVEppears』
1999.11.10 発売(起算)
●「SEASONS」
2000.6.7 発売(7ヶ月後)
* 8ヶ月後 (2000.7)
●『Duty』
2000.9.27 発売(10ヶ月後)
○「M」
2000.12.13 発売(1年1ヶ月後)
浜崎あゆみは異常なほどのタイトル数を発売している訳だが、それのうち上に挙げたものだけが何故 『LOVEppears』 の売上を伸ばす要因となったのかが不明(だから別要因の可能性もある)。意外とファンも盤を選んで買ってるってこと? 8ヶ月後での山の理由は判らなかった。
【7】 BEST OF DREAMS COME TRUE
/ ドリームズ・カム・トゥルー
●『BEST OF DREAMS COME TRUE』
1997.9.29 発売(起算)
●『SING OR DIE -WORLDWIDE VERSION』
1998.7.16 発売(10ヶ月後)
* 1年1ヶ月後 1998.10
●「朝がまた来る」
1999.1.20 発売(1年4ヶ月後)
●『the Monster』
1999.4.21 発売(1年7ヶ月後)
●「SNOW DANCE」
1999.12.24 発売(2年3ヶ月後)
“ドリカム”の場合、必ずしも新CD発売が当該CDの売上増に結びついていない感じがある。他の要因が絡んでいる可能性は否めない(ヒット作とそうでないものの差が激しいとか?)。1年1ヶ月後での山の理由は判らなかった(ファンの方の分析を望む)。
【8】無罪モラトリアム / 椎名林檎
●『無罪モラトリアム』
1999.2.24 発売(起算)
●『勝訴ストリップ』
2000.3.31 発売(1年1ヶ月後)
●『下克上エクスタシー』 DVD
2000.12.7 発売(1年9ヶ月後)
○『加爾基 精液 栗の花』
2003.2.23 発売(4年後)
椎名林檎のデビューアルバムについて特筆すべきは、発売1年後における驚異的な伸びであろう。セカンドアルバムとその前後に発売されたシングルによる需要喚起が原因と思われる。その後は比較的落ち着いて推移している (1年10ヶ月後 の山を DVD 発売の影響と見るのは、我ながら少し強引な気も──ファンの方の分析を望む)。
【9】ゆず一家 / ゆず
●『ゆず一家』
1998.7.23 発売(起算)
●「いつか」
1999.1.20 発売(半年後)
●「サヨナラバス」
1999.3.17 発売(8ヶ月後)
●『歌時記』
1999.6.23 発売(11ヶ月後)
●「センチメンタル」
1999.8.18 発売(1年1ヶ月後)
●『ゆずえん』
1999.10.14 発売(1年3ヶ月後)
●「星がきれい」(リトル・モンスターズ・ファミリー)
1999.12.25 発売(1年5ヶ月後)
●「嗚呼 青春の日々」
2000.5.31 発売(1年10ヶ月後)
●『ゆずマンの夏』
2000.7.12 発売(2年後)
○「飛べない鳥」
2000.10.18 発売(2年3ヶ月後)
○『トビラ』
2000.11.1 発売(2年4ヶ月後)
ゆずは、アルバムだけではなくシングルも売上増への切っかけになっているように見受けられる。メジャーデビュー → ブレイク → 疾走の最中なので、シングル発売時のメディアへの露出も高かった筈(プロモーションなども積極的に打つから、発売日前から売上への影響が出てくるか?)。
【10】 LOOKING BACK / 小田和正
●『LOOKING BACK』
1996.2.1 発売(起算)
●「緑の街」
1997.8.29 発売(1年7ヶ月後)
●『LOOKING BACK 2』
2001.5.16 発売(5年3ヶ月後)
□『クリスマスの約束‥‥』(テレビ出演)
2001.12.25 放送(5年11ヶ月後)
●「キラキラ」
2002.2.27 発売(6年後)
●『自己ベスト』
2002.4.24 発売(6年2ヶ月後)
小田和正はCD発売との相関が見られる。もっとも 『LOOKING BACK 2』 発売にともなう売上増は露骨すぎ。これはベスト盤(ここではセルフカヴァーだが、選曲がベスト盤の性質を持っている)特有の売れ方と言えるのではないか。ベスト盤シリーズが何年もの間隔を置いて発売されることは まま有る。
投稿:by 暇人#9 07:07 午前 [「輸入権」問題, 「輸入権」資料, 著作権行政 watch, 音楽業界の愚行] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.14
香港の、輸入権導入による音楽業界の推移(というか、言及の経緯)
著作権法施行令パブコメに関連して いろいろ検索してたら、『2ちゃんねる』に辿り着いた。前はよく読んでたけど(ちなみにビートルズ板が主)、今年に入ってからは全然読んでなかったなぁ。
で、スレッドの1つ「輸入盤撲滅問題・第16条」でこんな書き込みを見た。
ガイシュツだったらすまないんだが、
よく「既に輸入権が導入されている香港では音楽市場が衰退」という話をみるのだが、
具体的に数字で説明しているページはあるのだろうか?
ググってるんだが、見つからない。
──そう言えば そうだ。
私自身、「パブリックコメント提出のお願い」の中でも言及している(しかも「壊滅」なんて大げさな表現を使っている)が、そう言えば数字にまで深く突っ込んだことは無かったぞ。
これは いかん。
そこで、まず今までの経緯を再確認してみた。
始めにお断りしておくが、私はこの経緯で香港のことを聞いたという話である。だから他にも言及していた人がいたかも知れないし(私が知らなかったというだけで)、もしそうなら情報を戴ければ幸いだ。
さて、最初に「輸入権」との絡みで香港の名を聞いたのは『実態を知るシンポジウム』だったと記憶している。税関の扱いについての言及だ。
http://symposium.seesaa.net/
「輸入盤CD規制に関するシンポジウムのメモ」
>バラカン氏
マイナーなものは、香港で同じような法律ができたので例に挙げると、
輸入されるものを選別するのは税関の人間だが、細かい選別など彼らはしない。
いちいち輸入業者が申し立てをしなきゃいけない。でも税関は「ダメ」で終り。
この時点では、まだ香港音楽業界の話ではない。要は、輸入盤が一切入ってこなくなるという例として出されていた訳だ。
それが、音楽業界の「衰退」と結びつけて語られるようになった きっかけはこれだと思う。高橋健太郎氏の Weblog の中から──
http://blog.livedoor.jp/memorylab/archives/688206.html
「owner's log by Kentaro Takahashi:京都です」
メール引用部分の前後に 「-------------------」 を追加してあります。
下は、昨日、受け取ったとあるメールから。オーストラリアと香港の実情について。
-------------------
ちなみに輸入権が撤廃されたオーストラリアの音楽市場はその後活性化し市場が拡大、 香港は(中国への返還など他の要因もありましたが)輸入権の導入により音楽市場は衰退の一途だそうです。
(特に現在の事務作業の煩雑さはひどものらしく、1タイトルごとに書面で許可を取らなくてはいけないそうです)
-------------------
こういうことについて、もっと早く知っていなかったことが悔やまれる。本当に音楽産業にとっても、今回の法案は自分で自分の首を締める愚策なのは間違いないです。
「あるメール」として引用された中に「衰退の一途」という記述があった。これで香港の音楽市場に対するイメージが決定されたと思われる。
もっとも これは、唯一の“根拠”という訳ではない。著作権法改正案(当時)が衆議院で審議された際、 HMV ジャパンのポール=デゼルスキー社長が香港での状況に言及したのも、そのイメージを固める情報だったに違いない。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/
kaigiroku/009615920040601024.htm
「第159回国会 文部科学委員会 第24号
(平成16年6月1日(火曜日))」
参考人・ポール=デゼルスキー氏の発言から。
私はHMV香港も統括しておりますので、弊社の事例として、導入されている輸入権がどれほど似通ったものであるか、香港での実例を申し上げます。この件に関しましては参考資料を御提出させていただきました。ここでは詳しいことは申し上げませんが、何千というタイトルの商品が毎週発売になります。それに対して一つずつ許可をとるという作業は非常に困難でございます。そういった影響、こういった輸入規制により香港の市場はダメージを受けて、顧客の選択肢は間違いなく減ってしまいました。
──輸入盤が止まることで、香港で音楽を販売する側としてはキツい状況に置かれていることは理解できる(税関を通す煩雑さも含めて)。ただ よく考えてみると、「ダメージを受けて」という言葉に目が行きがちになるものの、香港の音楽市場全体がどのようになっているか言及しているものではない。
ここでデゼルスキー社長が「参考資料を御提出させていただきました」とする、その「資料」が気になるところだ。これに香港の音楽市場の変化を示す数字が掲載されているかも知れない(されていないかも知れないが)。参照する方法は無いものだろうか?
ともあれ、私が手元にある情報はこんなものであった。
──これは正直「しまった!」と思った。私が「壊滅」と書いてしまったのは 褒められた事態ではない。そこまで書く根拠が無かった。せいぜいカッコつきで「衰退」とすべきだった。私自身は衰退と判断する根拠に乏しいからだ(件の文章を訂正すべきかは判断しかねている‥‥)。
こうなると気になってくる。「衰退」と判る根拠は見つけられるだろうか?
香港の音楽業界を知る資料を検索していて、真っ先に目に付いたのが日本レコード協会の「各種統計」。「世界各国のレコード売上」との表題で掲載されていて、こりゃおあつらえ向きじゃないか、とか思ってたら 2002年 のデータしか無いでやんの。こりゃまた どういうわけだ?
http://www.riaj.or.jp/data/others/country_sales.html
「社団法人 日本レコード協会|各種統計」
見出し「2002年オーディオレコード売上」。
香港に該当する部分だけ抜き出し。
香港
シングル (百万枚) :0.2
LP (百万枚) :0.001
テープ (百万枚)
CD (百万枚) :10.0
売上総額 (百万米ドル) :89.7
増加率(%)数量 :0.3%
金額 (現地通貨) :-7.1%
1人当たり購入額(米ドル) :13.34
〈参考〉人口(万人) :672.5
‥‥これをどう読むか。香港の音楽市場は伸びてるのか、落としてるのか。
数量は微増(というか横這いと見るべきだな)。金額では減少。市場縮小と見るのが妥当かなぁ。ちなみに日本は数量で 10.2%減、 金額で 9.9% 減だから、この時点ではあまり深刻ではないのかもしれない‥‥香港の状態は。
知りたいのはその後なのだが、検索にはかからない。仕方ないから英語で調べ出すと‥‥英語力ゼロ吉の私でも とりあえず見つけられたのが国際レコード産業連盟 (IFPI) の資料。
http://www.ifpi.org/site-content/press/20030909.html
「IFPI releases comprehensive yearbook
on the global market for recorded music」
Domestic repertoire trends, showing national shares accounted for by local repertoire from 1998 to 2002. Markets are classified into five categories, from steady growth through to steady fall. Canada, Hong Kong, France, New Zealand, Oman and Qatar for example, are countries where there has been sustained growth in domestic repertoire for at least five years.
http://www.ifpi.org/site-content/press/20031001.html
「Global sales of recorded music down 10.9%
in the first half of 2003」
There has been growth in some markets. In Europe, Austria and Finland showed sales increases, driven by successes with local repertoire. Sales in volume terms increased in Norway, while in the UK album sales rose by 4% and singles in Spain enjoyed a great success. The Russian market rose in value thanks to continued transition from cassette to CD, while Australia recovered thanks to very strong DVD video sales. In Asia, Hong Kong also experienced recovery, aided by a surge in sales of compilation albums. There were also some positive signs in terms of genre sales. In the US, Latin Music sales underwent a revival in 2003, up 29%, and jazz sales increased 35%.
http://www.ifpi.org/site-content/press/20040930.html
「IFPI releases world recorded music sales figures
for first half of 2004」
In Asia, there are signs that the long term decline in the Japanese market has at last slowed. Japan, which accounts for 80% of sales in the Asian region, showed a slight increase in volume and stable revenues. South Korea, which is severely affected by online piracy, again fell steeply, by 25% in value. Hong Kong also fell sharply. Both markets have seen a significant reduction in the number of high profile releases. Although physical piracy seriously undermines China's ability to realise its true potential, the country now has the second largest Asian market and saw strong overall growth.
──結局、数値資料は発見できなかったのだけど(英語堪能の方、上のを訳したり、他の資料を探してみて下さいまし)。
さて、上の各資料を読んでみる。
2003年9月9日付 の資料では、5年にわたり、“国内レパートリー”が持続して延びているという。日本レコ協の資料とつけ合わせると、売上「数量」が微増していることに対応しているように思う。なお、金額の方がどう推移しているかは判らない。
2003年10月1日付 の資料では、コンピレーション=アルバムが売れたおかげで回復を得ているように書かれている。
ところが、 2004年9月30日付 の資料では劇的な変化が見られる。 「Hong Kong also fell sharply.」──という。これまではプラスの言葉で表現されていた香港市場が、程度を強調する副詞とともにマイナス表現をされているのである。海賊版の影響を受けている韓国とともに、市場規模が縮小していくさまが書かれている。
数字で確かめられる資料ではないが、香港の音楽市場の深刻さを伺わせる“状況証拠”とは言えるのではないか。
──どこかに、もっと良い資料は無いですかね?
第一、ネットで検索しただけじゃ、香港で輸入権が導入されたのが いつからかも判らないんだよ。
書籍資料では何が使えるかな‥‥まずはレコード協会のでも当たってみるか?
投稿:by 暇人#9 10:14 午後 [「輸入権」資料] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.12
謎工氏が公表した『邦楽アルバムに見るオリコン週間売上推移』 を読んでみる
──データ収集の妥当性については幾らかの疑問点があるものの、まず提示されたデータそのものを素直に読むことから始めたい。
http://publiccomment.seesaa.net/pdf/2003j-pop.pdf
「2003年・邦楽アルバムに見るオリコン週間売上推移」 (PDF)
これが謎工氏によって公表された資料。
ブログ読者から提供されたデータとのこと。
http://publiccomment.seesaa.net/article/759302.html
「著作権法改正要望のパブリックコメントを提出する:
2003年・邦洋アルバムに見るオリコン週間売上推移」
その簡単な解説。
このデータから読み取れるのは、高橋健太郎氏によって公表された HMV のデータよりも更に衝撃的な内容と言える。提示された5枚の邦楽アルバムについては(こう表現するしかない‥‥)、 10 週間で全売上の 90% 以上を捌いていたことが明らかにされたのである。
すなわちレコード会社は、邦楽CDアルバムの発売から充分な利益を確保するまでの期間に半年を要しないということだ。
「音楽レコードの還流防止措置」は、アジアから「還流」してくる音盤を差止めることでレコード会社(正確には著作権者や著作隣接権者)の「見込まれる利益」が害されないようにする制度だ。──レコード会社や文化庁の本音はともかくとして、公式に説明された“建前”はそうなのである。
さて、権利者が「利益を不当に害される」かどうかの目安として、文化庁は非公式に 「90%」 を挙げている。尤も それは確実な数字ではないし、欧米盤の輸入が止まらないことを示すために出された数字である。欧米で製造された音盤はライセンス料が日本の 90% ほどなので、「不当に害」するものではないという見解だ。
もし権利者の利益を 「90%」 確保できるのであれば、還流防止措置を必要としないのではないか ──私はそう考えている。「見込まれる利益」の 「90%」 を得られると思われる時点で還流防止措置の期間を終えてしまうのが妥当ではないか、と。
権利料比較と売上比較を同じように考えることには異論があるかも知れない。しかし権利者の利益保護の確実性を考えたとき、あながち間違ってもいない。
還流防止措置を 10 週間に限って実行したとして、みこまれる利益の 90% を確保できる。その後すべての売上を「還流盤」に奪われたとしても、ライセンス料収入は「見込まれる利益」の 90% +αが入ってくる(このうちのαはアジア盤からのライセンス収入。アジア盤がバカ売れすれば、もちろん収入は増える)。
洋楽盤の輸入が可能である理由が 90% の利益にあるのなら、邦楽「還流盤」の輸入を止める必要性がなくなる時点も 90 % の利益で判断されるべきだ。なぜなら還流防止措置は権利者の「利益を不当に害されることとなる場合に限り」実効する制度だから。
それを前提に、謎工氏公表のデータに戻って考えてみる。
邦楽盤では、7週から8週ほどで 90% の利益が確保されていることが判る。
なお洋楽盤では3つの傾向に分類される。邦楽と同じような推移を見せるレディオヘッドとマドンナ、スロースタートでやや緩い傾きではあるが 10週までには 90% まで到達するエヴァネッセンスとビヨンセ、そして非常に緩やかに売れ続ける t.A.T.u。 t.A.T.u はロングセラーとしての売れ方なのだろう、 発売後 10 週間でも 70% に満たない(その後も売れ続けている証拠だ)。しかしながら、これは考慮に入れなくても良い。
最も大事なことは、還流防止措置の趣旨はあくまでも邦楽「還流盤」から国内盤の利益を保護することにあったという事実だ。これが目的なのだから、還流防止措置が適用される「法令に定められる期間」を考えるのに洋楽のデータを使うべきではない(対照例として非常に興味深いものではあるけれども)。
──すなわち、還流防止措置の趣旨に沿って「法令の定める期間」を決めるのなら、「半年」でも長いくらいで、7週間ないし8週間とすべきなのである。
余談だが、謎工氏はこのデータをもって「邦楽の還流防止なんて建前だ」と断罪している。確かに。「還流盤」が「利益を不当に害」するのは邦楽新譜においてのみであり、洋楽を考慮に入れなければ、「7年間」などという現実離れした期間が法律に盛り込まれる筈がない。
しかしそれとこれは別だ。相手の「建前」に乗った上で、最適な期間を提案するに限る(もちろん謎工氏もそれを理解しており、後の記事で言及している)。
さて、上ではデータを好意的に見てきた。
しかしながらこれの信頼度を確保するためには、いくつかの疑問点を解消しておいた方が良い。
●データの出所と集計者
謎工氏独自の集計なのか、他の人なのか。
この疑問については、簡単な解説(一番上のリンク参照)の中で「サイトをご覧になった方から提供していただきました」との説明があった。
第三者の手によるデータであることは、良い意味でも悪い意味でも留意しておく必要がある(例えば、疑問点があっても我々には本人に確かめる術が無いし、妥当性もある程度 割り引いて考える必要があるだろう)。
●データ抽出の方法
まず、オリコンのどのデータを使ったのか(『オリコン年鑑』などの出版物だろうか? あるいはサイトで確認可能なものだろうか?)。我々にも検証可能なデータであれば助かるのだが。
また、邦楽・洋楽ともに5枚を選んでいるが、この5枚を対象とした理由は何だろうか。必ずしも 2003年 のランキング上位から機械的に採った訳でもなさそうだ(例えば浜崎あゆみ・ B'z ・ 桑田佳祐・ BoA ・ 女子十二楽坊などはどこに消えたのか)。
こうした点に関する注釈は、データの信頼性を得るために必要だろう。
残された時間の少ない今となっては、信頼性を割り引いて考えた上でデータを使うしか無いか。信頼性の担保はどこにも求めればよかったのか──データの出所・集計方針を付記した上でなら、ある程度使えるものになっていたと思う。これは次善の策ではあるけれども。
著作権法施行令へのパブコメだけではなく、著作権法改正要望へのパブコメにもこのデータを使える(つまり還流防止措置の妥当性を問う根拠として)ことを考えれば、このままで終わらせてしまうのも惜しい。
もし今後もあのデータを活用していくなら、その信頼性を高める努力をしなければならない。我々がデータ収集を引き継げるのかも含めて。我々 Watchdog 側から提出するデータとなると、その信頼性に細心の注意を払う必要がある。
やはりサンプル数を増やしていくことが必要か。オリコン年鑑チャート 50位から 100位くらいは欲しい? (多ければ多いに越したことはない。)
──データ採りに何も貢献できないのが自分でも悔しい。
投稿:by 暇人#9 06:53 午後 [「輸入権」問題, 「輸入権」資料, 音楽業界の愚行] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック
2004.10.05
『だれが「音楽」を殺すのか?』
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(★★★★★)
うち以外の Weblog では既報(うちの Weblog ってこればっかりやな)の本。『音楽配信メモ』の津田大介氏による著書である。
先月末の話。池袋に行って買ってこようと思い立ち、ジュンク堂のサイトで在庫状況を確認していた。もはや在庫状況を調べずに本屋へ行く私ではないのである。せっかく買いに行って無かったら腹立つからね。そんなことならアマゾンで注文した方が良い(だれが「本屋」を殺すのかねぇ‥‥俺か? ちなみに地元の本屋にはあらかじめ探しに行ったぞ。目当てのものは無かったけど)。
──ジュンク堂では売り切れ! この検索結果を見たとき、私は戦慄した。買う気になってるのに買えない時ほどツラいものはない。続いてリブロ(池袋西武)に電話をかけた‥‥が、話し中。もうどうにでもなれと思ってビックパソコン館本店に電話したら、ここにはあった。助かったよ。取り置きしてもらって池袋へ急行、無事に入手。
あの表紙は最高だな。ネット上で初めて見た時から「コレダー!」と思ったりなんかして。音楽聴くサル──というウォークマンCM(確か初代 次郎だったよね)のコンセプトを今に蘇らせる試み(これを表紙に使おうって言い出したのは誰なんだろ?)。「裸のサル」ばりの名コピーだったからなぁ(画だけど)、あれは。ウォークマンの代わりに iPod を使ってるのが、今のソニーを象徴していてビミョーな味わい。二重の“くすぐり”ってとこ。
『だれが「音楽」を殺すのか?』。その略称を何とするか。
元祖“本コロ”に因むなら、やっぱ“おんコロ”かなぁ。著者自身は「音殺(おところ)」と称しているようですが(“ほんコロ”と“おんコロ”じゃ音だけで区別できないから、「おとコロ」とした判断は全然間違っていない)。
そうそう、肝心の本の内容に触れてなかった。
音楽業界にまつわる論点をあぶり出している決定版書籍と言える。この種類の本が他に無いこともあって、ただ一冊 孤高の存在でもある。出版物の形でまとめられたものとして ひとつの到達点であり、これから この種の論点について語られていく上で出発点となるべき存在だろう。価値のある一冊ですよ、これは。
各章、時系列をふまえつつの解説が読みやすいし、年表まで用意されている。主に扱われているのは、輸入権問題・ 「CCCD」 ・「違法コピー」・音楽配信について。
【目次】
1.レコード輸入権──洋盤が聴けなくなる?
レコード輸入権とは何か?/輸入権の導入経緯/輸入権問題とインターネットの力/法律が施行されたら本当に洋楽輸入盤が聴けなくなるのか/高橋健太郎インタビュー「輸入権問題の本質と音楽業界の今後」
2.CCCD ──コピーできないCDの悲劇
なぜ突然こんなものが導入されるようになったのか?/ CCCD の仕組みと再生機器の問題/ CCCD の音質は悪いのか?/音楽の制作現場と CCCD / CCCD を導入する国、しない国/ CCCD は本当に「過渡期」のメディアなのか?/曽我部恵一インタビュー「音楽のこれから」
3.違法コピーとファイル交換
まず「違法コピー」について考えよう/許せる違法コピー? 許せない違法コピー?/ファイル交換ソフト「ナプスター」の衝撃/「ナプスター以後」のファイル交換ソフトと日本/ファイル交換ソフトは音楽業界の売上を落としたのか?/佐藤剛 (FIVE D 代表)インタビュー「音楽に愛を込めて」
4.音楽配信サービス──埋まらない日米の格差
音楽配信サービスの変遷/なぜ日本では音楽配信がブレイクしないのか?/日本独自で成功した音楽配信「着うた」/なぜ iTMS が日本で始まらないのか?
終章 音楽のこれから
いまでもトランジスタラジオは「キミの知らないメロディ」をキャッチしているか?/音楽メーカーと流通の問題/新しい音楽文化を創造する新しい政策やライセンス/アーティストとリスナーの新しい信頼関係
この本は、基本的には『音楽配信メモ』その他で述べられている内容をまとめたものと言っても良く、既読の情報が結構多い。だからおのずと新ネタの方に目が行くわけなのだが、私が読んでいて一番の“目玉”と思えたのは高橋健太郎氏へのインタビューだ。私が今まで「輸入権」問題ばかりを追ってきたのもその理由か。
高橋健太郎氏自身も Weblog を運営しており、その思うところはそこで述べられている。にも関わらず、ページをたっぷり取って(聴き手の津田氏とともに)話の流れに気を配っているためか、このインタビューにおいても新味のある話が結構出てきているのだ。
読みどころは、輸入盤規制反対運動に対する氏の冷静な視点、反対運動の「広告代理店業」を買って出るにあたっての作戦、特に本人が「マキャベリスティック」と評する割り切り方、辛辣にならざるを得ない音楽業界の未来について、そしてその中でのひとつのアイディア──といったところか。
終章も強烈な印象を残す。論点を絞って落ち着いて述べていた他章とは様子が異なり、そこで述べられなかった他の問題点、最新情報、そしてその展望に著者の思いと、盛りだくさんで密度の濃い内容だからだ。畳み掛けられるかのようだ。
最初とラストの節の題も心の琴線に触れる。「今でもトランジスタラジオは『キミの知らないメロディ』をキャッチしているか?」「コピーコントロールはハートにある」。いずれも元ネタのあるフレーズではあるが、音楽ファンの在り方を謳い、終章にふさわしいものだ。
津田大介様。
堪能させて戴きました。
たぶん今後も使わせていただきます、この御本。
暇人#9 拝
──以下、つれづれなるままの雑感。
「CCCD」 問題に対する分析も必見の内容。
不正 TOC ・エラー・規格逸脱・再生無保証・返品拒否・コピー可能・機器への負荷‥‥そして音質の考察(劣化があるかないか、結論を安易に出すようなことはしていない)。また、「CCCD」 導入の可否と原盤権との関連については成程とも。
「CCCD」 に関して、一部のアーティストが表明した意見もまとめられている。私の場合は あるサイトを情報源にしていたから、この本に掲載されていた中に知らない発言も結構あった。
「違法コピー」については法解釈を一通り示した上で、さまざまな場面を想定し私見が述べられている。「許せる」「許せない」を目安として。
この章では他の章と違って思い切り私見に走っており、非常に興味深い。法に基づいた解釈は他の本に任せるとばかりにだ。だからこそ この本は読んで面白いものに仕上がっているとも思うのだな(主観と客観の間でいかにバランスをとっていくのかという。その著者の立ち位置に逐一納得しながら読んでいたりするのだ、私は)。
「違法コピーについて甘めの見解を示している」とあとがきに書かれてはいるけれど、あそこで著者が示したスタンスは、著作権との関わりに揺れる音楽ファンの正直な気持ちだと思うのだ。“そこまでガチガチにしてくれるな”という。
音楽への愛情と聴き方が垣間見える文章を読むのは実に嬉しいことだ。
投稿:by 暇人#9 07:44 午後 [「CCCD」, 「輸入権」問題, 「輸入権」資料, また買っちゃった, 本, 音楽業界の愚行] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.08.05
文化審議会著作権分科会(第13回)配付資料 4−1および4ー2
【資料4−1】
「著作権法の一部を改正する法律の概要」
(平成16年通常国会提出)
以下の URL に掲載されているものと同じ。
(1〜2ページに相当する部分。)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/04032401/001.pdf
「著作権法の一部を改正する法律の概要」
(文部科学省・ PDF)
【資料4−2】
「著作権法の一部を改正する法律案資料」
(平成十六年 第百五十九回国会)
これは法律案等を合本にしたもので、その内容の大部分は一般にも公表済みのものである。
まず表紙・目次・「理由説明」を転載する。
平成十六年
第百五十九回国会
著作権法の一部を改正する法律案資料
文化庁
------------ ページ変わって ------------
目次
一 著作権法の一部を改正する法律案提案理由説明
二 著作権法の一部を改正する法律案要綱
三 著作権法の一部を改正する法律案
四 著作権法の一部を改正する法律案新旧対象条文
五 著作権法の一部を改正する法律案参照条文
------------ ページ変わって ------------
著作権法の一部を改正する法律案提案理由説明
文部科学大臣
このたび、政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国の著作権制度については、情報化等に対応してこれまでも逐次整備を進め、その充実を図ってまいりましたが、知的財産基本法に基づき昨年七月に策定された「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」を着実に実施し、知的財産戦略を推進するため、その一層の充実が必要となっております。
この法律案は、著作権の分野について知的財産戦略を推進し、著作物の適切な保護と活用を図るために必要となる改正を行うものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一は、アジア諸国など物価水準の異なる国において許諾を受けて生産された商業用レコードが、我が国に還流してくることを防止する措置を講じることであります。 近年、アジア諸国において、我が国の音楽の人気は年々高まっております。ところが、これらの国において我が国の権利者から許諾を受けて生産された商業用レコードが、我が国に還流し、安価に販売されることにより、権利者の経済的利益に大きな影響を与えるという事態が生じております。
今回の改正は、このような事態を解消し、我が国の音楽文化の海外普及を促進するため、専ら国外において頒布することを目的とする商業用レコードを、情を知って、国内において頒布する目的をもって輸入する行為等を、著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなすこととするものであります。ただし、国内において最初に発行された日から七年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した商業用レコードについては、適用除外としております。
第二は、書籍又は雑誌の貸与について貸与権が及ぶこととすることであります。
著作者等に貸与権が認められた昭和五十九年の著作権法の改正においては、貸本業が長年自由に行われていた経緯等に鑑み、所要の経過措置を設け、書籍又は雑誌の貸与による場合には、当分の間、貸与権の規定は適用しないこととしておりました。ところが、近年、事業を大規模に展開する貸本業が出現しつつあり、漫画家、小説家などの著作者の経済的利益に大きな影響を与えるという事態が生じております。
このため、この経過措置を廃止し、書籍又は雑誌の貸与による公衆への提供について貸与権が及ぶこととするものであります。
第三は、著作権等を侵害した者に対する罰則を強化することであります。
具体的には、基本的に、懲役刑は三年以下、罰金刑は、個人は三百万円以下、法人は一億円以下とされているものを、特許権侵害又は商標権侵害と同様に、それぞれ、五年以下、五百万円以下、一億五千万円以下に引き上げる等の改正を行うとともに、懲役刑及び罰金刑を併料できることとするものであります。
なお、この法律は、平成十七年一月一日から施行することとし、所要の経過措置を講ずることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、充分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
以後の「法律案要綱」「法律案」「新旧対象条文」「参照条文」はいずれもウェブ上で公開されている文書と同一のものである。以下の URL を参照のこと。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/04032401/002.pdf
「著作権法の一部を改正する法律案要綱」
(文部科学省・ PDF)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/04032401/003.pdf
「著作権法の一部を改正する法律案」
(文部科学省・ PDF)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/04032401/003.pdf
「理由」
(文部科学省・ PDF)
これは、『法律案資料』においては
「法律案」に追加された形で収録されている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/04032401/005.pdf
「著作権法の一部を改正する法律案新旧対照表」
(文部科学省・ PDF)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/04032401/006.pdf
「著作権法の一部を改正する法律案参照条文」
(文部科学省・ PDF)
【うちでの関連記事】
http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2004/08/13.html
「試される。(ココログ mix):
文化審議会著作権分科会(第13回) 傍聴メモ」
投稿:by 暇人#9 08:50 午後 [「輸入権」問題, 「輸入権」資料, 著作権行政 watch, 音楽業界の愚行] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.06.18
「輸入権」問題を追うためのサイトリスト
(2004.8.10 更新)
以前つくったサイトリストに
いくつか追加しました。
今後も多少更新していくかも知れません。
(このリストは網羅することが目的ではなく、
私が日頃巡回しているサイトを列挙したものです。
──この問題を初めて知った方のために挙げた
一部の情報サイトを除いては。)
【反対運動ポータルサイト】
http://sound.jp/stop-rev-crlaw/
「海外盤CD輸入禁止に反対する」
現在更新停止・閉鎖。
http://homepage3.nifty.com/stop-rev-crlaw/
「海外盤CD輸入禁止に反対する」
ポータルサイト保存先。
【「輸入権」問題を知るために】
http://www.ne.jp/asahi/fbeat/africa/03-note/031119.html
「CD輸入権問題の骨子」
http://www.be.asahi.com/20040410/W12/0025.html
「asahi.com : Be on Saturday」
見出し「ヘンじゃないか輸入権
山形 浩生(評論家)」。
http://ashram.shacknet.nu/blog/index.php?itemid=59
「『音楽は誰のもの』 - 造反有理」
「輸入権」問題をまとめた、
ピーター=バラカン氏の発言を書き起こしたもの。
http://www.wikiroom.com/copyright/
?%cd%ce%b3%daCD%cd%a2%c6%fe%c8%d7%b6%d8%bb%df%a4%ab
「洋楽CD輸入盤禁止か - copyright」
http://copyrights.livedoor.biz/
「Free Music Watchdog :
音楽メディア関係者有志による情報中継所」
2004年8月10日よりリニューアル。
http://www.satokenichiro.com/cd.htm
「民主党ホームエンタテイメント議員連盟ホームページ」
【「輸入権」問題を追うブロガーたち】
http://blog.melma.com/00089025/
「melma!blog [The Trembling of a Leaf -「音楽障壁」粉砕編-]」
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/
「benli」
http://blog.livedoor.jp/memorylab/
「owner's log by Kentaro Takahashi」
http://blog.livedoor.jp/dubbrock/
「Dubbrock's Dublog」
http://onojima.txt-nifty.com/diary/
「newswave on line (personal edition)」
http://openscrap.net/oto/
「OTO-NETA」
http://ashram.shacknet.nu/blog/
「造反有理」
http://xtc.bz/
「音楽配信メモ」
http://blog.livedoor.jp/anyway.yk/
「Fighting MAL Antenna」
http://music.cocolog-nifty.com/001/
「いかんともしがたい」
【関連リンク充実】
http://d.hatena.ne.jp/face_urbansoul/
「はてなダイアリー - facethemusic」
http://member.blogpeople.net/sjis.jsp?k=0f0d4754585b4103
「Powered by BlogPeople」
d.e.plus 氏による「CD輸入規制/改正著作権法のblogリスト」。




