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2006年2月15日 (水)

意外と遅い決着 ──マンガ無断配信サイト、経営者逮捕

http://www.asahi.com/national/update/0214/SEB200602140002.html
「人気漫画を無断でHPに、ネット喫茶経営の男ら逮捕」
(asahi.com - 社会)

http://www.sankei.co.jp/news/060214/sha047.htm
「ネットで漫画を無断配信、マンガ喫茶経営者ら逮捕
 全国初摘発(02/14 12:49)」
(Sankei Web 社会)

『464.jp』 とかいう“コミック立ち読みサイト”──あからさまに著作権侵害くさいサイトが 1月25日に サービス停止して以来、3週間弱でサイト運営者(マンガ喫茶経営者)の逮捕と相成りました。上には代表的な報道として朝日新聞と産経新聞を挙げておきます。
 時系列としては、去年の9月のうちに権利者側からクレームがつき、今年 1月5日に 福岡県警に告訴(問題のマンガ喫茶は東京にあるんですが、最初にサイトを見つけて捜査を始めていたのが福岡県警なんですって)。 『464.jp』 で有料化の予定を前倒しして会費を集め始めたのが 1月23日。 そして「サービス停止」が 1月25日── この日には、実は警察の捜索が入っていたんですね。 『464.jp』 の説明では、さも権利者側からのクレームでやめたかのように書かれていました。事態はそれ以上に深刻だったという。
 それにしても‥‥ 1月25日に 捜索が入っていて、逮捕が 2月14日 というのも意外に時間を食ってるというか。ファイルが多いものだからサーバーの分析に手こずってたんでしょうかね?

 私としては気になるのが「全日本漫画著作権管理機構」とやらの存在。 『464.jp』 のトップページに ここが「監修」しているかのように表示をし、さも著作権処理をしているかのように見せかけていたのでした。いや、どう考えてもおかしいんですけど(しかも「全日本漫画著作権管理機構」とやらのサイトの運営者も件のマンガ喫茶経営者でした)。このことに触れているのは読売新聞の記事でした。
 曰く「ホームページには『全日本漫画著作権管理機構監修』と活動実態のない団体名を表記し、適正な著作権処理を行っているように見せかけていた」。結構 踏み込んで書いているんですが、我々素人が確認できない部分での裏取りは行なわれているのでしょうか。まぁ件の団体が著作権等管理事業者ではないのは明らか(文化庁のサイトを調べれば判ります)ですし、権利者側の団体が無許諾と言ってるのですから間違いないのでしょうけど。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060214i405.htm
「人気漫画をネットに無断掲載、漫画喫茶経営者ら初摘発」
(社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

 もうひとつ気になるのが集金された会費ですね。各紙とりあげていまして、 約1000人が (騙されて) 計200万円 支払ってるらしいです。サイトの運営状態自体が怪しさ全開だったわけですけど、当初「4月から有料」とか言ってたのを前倒しして(しかも「4月から」の「予約」と称して)集金したのですから、怪しい以外の何物でもないのですが‥‥そうですか、払ってしまいましたか‥‥。
 中国新聞の記事によれば「顧問弁護士は『著作権法に違反する』と指摘したというが、村元容疑者は同課の調べに『どうせ違反するなら全部でも一緒だと思い、本の全量を配信した』と供述した」とのことです。後半の「どうせ違反するなら全部でも一緒」の迷言は他の新聞でも載ってましたが、顧問弁護士が著作権侵害との指摘をしたと伝えているのはここだけです。

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2006021401001772_National.html
「著作権法違反承知で継続 人気漫画のネット配信」
(中国新聞・社会)

http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/02/14/0419214
「コミック全ページを無断配信していた 464.jp 遂に逮捕」
(スラッシュドット ジャパン)

 ついでに。『スラッシュドット ジャパン』での書き込みによれば(これも伝聞ですが)、今回逮捕されたマンガ喫茶経営者の過去(らしき情報)が暴露されています。これが事実だとすれば、 『464.jp』 の集金も“確信犯”っぽく見えてくるわけで‥‥。

 うちのブログでは、“宣伝”になるのが嫌で 『464.jp』 のことは「サービス停止」の時だけ記事にしたのですが、この時すでに捜索が入っていたとは想像もしてませんでした。ここ数日アクセス数が上がっていたので何か動きがあるのかと気になってて、結局この逮捕劇と相成ったわけです。各種報道が記事にする前に何か情報でも流れてたんでしょうかねぇ?(それとも報道関係者のアクセス?)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2006/01/_464jp__1d81.html
「著作権侵害“コミック立ち読みサイト” 464.jp サービス停止」
(エンドユーザーの見た著作権)




■勝利宣言と驕り

http://www2.accsjp.or.jp/news/news060214.html
「ネットでコミックを無断送信、古本売買サイト運営者ら3人逮捕」
(ACCS/著作権侵害事件)

 勝利宣言というか、 ACCS (コンピュータソフトウェア著作権協会)でもプレスリリースが出ています(当日に記者会見もやったようですね)。
 ここでは「摘発までの経緯」など(当事者だけあって)詳細なレポートとなっています(少なくとも新聞記事よりは細かいですね)。 「『464.jp』 について」との項目も用意されており、「A(引用者注:逮捕されたマンガ喫茶経営者のこと)らは、『464.jp』のページ上に『全日本漫画著作権管理機構監修』と表記するなど、適切な著作権処理を行っているかのような印象を与えていました。しかし、『全日本漫画著作権管理機構』については団体の実態がなく、同機構名のドメイン取得者はA本人であることが判明しています」とか、「自らの違法行為に基づいて強制捜査を受けた事実には一切触れず、あたかも、コミック作家側との著作権契約等の不調が理由で、自主的に配信を停止したかのように説明していました」とか、描写が細かいだけに興味を惹く部分もあります(新聞報道のソースにはこちらも含まれているんですかね?)。

 さて。気になる部分もあります。「21世紀のコミック作家の著作権を考える会について」と題された段落で次のように書かれていました。

新古書店やコミック喫茶の店舗数が急増し、作家に対して著作権使用料が支払われないままにコミックが消費されていますが、このまま作家の著作権を軽視する状況が続けば、日本が世界に誇るコミック文化が衰退するという危機感を抱いたコミック作家、出版社が、平成12年4月に設立した団体。(中略)平成16年には、書籍・雑誌に対する貸与権の適用を求めて、著作権法改正にも寄与しました。

 どさくさ紛れに好き勝手なことを書いてますね。
 新古書店を含む中古売買については、いわゆる権利者に対して何の断りもなく行なうことができます(譲渡権の消尽というやつです)。また、「コミック喫茶」のように客にただ本を読ませることは「著作権」の及ぶところではありません。つまり、この「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」は著作権でも何でもないものを「著作権」と呼び 金銭を要求している訳です。こうした主張を平気でできるあたり、「作家」であることで驕っているとしか言いようがありません(既に再販制で保護を受けているわけで、まぁこれのせいでコミックが売れないのだとしたらザマァなかったりしますが)。
 しかも、「平成16年には、書籍・雑誌に対する貸与権の適用を求めて、著作権法改正にも寄与しました」とか抜かすに至っては、何か忘れてやいませんか──と声を大にして言いたい。未だに出版物貸与権管理センターは運用できないでいるのですよ。 2004年6月に 法案成立するまで散々「すぐに管理事業者が立ち上がる」みたいなことを繰り返した(弘兼某氏)にもかかわらず、 2005年1月の 当該改定著作権法施行に向けて立ち上げられる筈の管理センターは文化庁へ登録されたのが 2004年12月2日。 管理委託契約約款の文化庁への届出が 2005年3月28日って、 貸与権はすでに付与されてるんですけど。貸与権管理センターは使用料規程を文化庁へ提出して 30日 してからでないと実運用ができない決まり(著作権等管理事業法 第14条) なのですが、その使用料規程は 2006年2月時点で 未提出。この落とし前は誰が付けるんですかね? →弘兼某殿。
 確かに今回の村元某氏は逮捕されて当然のことをやった訳ですよ(グレーゾーンでも何でもなく、明らかな著作権侵害)。しかし、それは「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」がいい気になってシュプレヒコールを挙げる機会にしてはならないのです。あの無茶苦茶な“論理”を正当化させるわけにはいきません。

 もっとも、今回 共同歩調を取っている ACCS も「中古ゲーム撲滅」の主張を相変わらず掲げているわけですが。
 “権利”ボケしてる人たちは失敗から学ばないということなのかも知れません。




■全日本漫画著作権管理機構関連

『464.jp』 運営者逮捕以来、「全日本漫画著作権管理機構」で検索して うちにいらっしゃる方が多いようで。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06021503.htm
「漫画ネット掲載事件、逮捕の男が架空の著作権料システム宣伝」
(週間ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

「全日本漫画著作権管理機構」のインチキは既知のものでありますが、読売新聞が警察発表らしきものを嬉々として報道しております(しかも一部 日本語が通じてないんですけど?)。これ自体は別に面白味が無いのですが、福岡県警で取り調べてるから「九州発」なんですかね。

 さて、「全日本漫画著作権管理機構」とは如何なる組織だったのか。今では公式サイトが消えていますから、それが姿を現した当時の各種記事を振り返って“偲ぶ”ことにしましょう。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://414510.jp/
「全日本漫画著作権管理機構」
(はてなブックマーク)
▲ ブックマーカーによる反応。概ね冷たい(笑)。

http://d.hatena.ne.jp/foo_fighter/20050921/p1
「謎の立ち読みサイト464.jpについて」
(第三幕第一場)
▲ 『464.jp』 の胡散臭さを検証。
  ドメイン取得者に関するレポートも。

http://d.hatena.ne.jp/Maybe-na/20051210
「芋けんぴ」
(ラブラブドキュンパックリコ)
▲ 「全日本漫画著作権管理機構」が掲げていた文章を転載。
  著作権的にどーよとも思うのだが、こういう転載のおかげで
  いま件の文章が読めるのも事実。

 あと 『464.jp』 への取材を申し込んでいた方もいらっしゃったんですね。

http://kankan2.blog26.fc2.com/blog-category-2.html
「KANKAN IT関連ニュース」

『464.jp』 側の対応の胡散臭さがまた何とも。

Posted by 谷分 章優 著作権 |

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asahi.com経由人気漫画を無断でHPに、ネット喫茶経営の男ら逮捕という記事が掲載されています。 ま~~、この件は何れ逮捕されるだろうと個人的に思っていたので特に突っ込む所はありません。気になる部分を引用させて戴くと 調べに対し村元容疑者は「漫画喫茶の宣伝のた..... 続きを読む

受信: 2006/02/15 17:18:33

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