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2006年2月28日 (火)

私的録音録画補償金制度はどう議論されていくか

http://plusdblog.itmedia.co.jp/koderanoblog/2006/02/post_1238.html
「ところで補償金はどうなってるのか」
(コデラ ノブログ)

『コデラ ノブログ』さんの記事から。
 この機会にちょっと振り返っておきます。文化審議会著作権分科会(そして法制問題小委員会)における 「iPod 税」・私的録音録画補償金の iPod 課金問題に対する審議の結果は次のような流れで「2年見送り」とされています。

2005年8月25日
「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会審議の経過」
(法制問題小委員会 第7回にて了承)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806.htm

2005年9月8日
「審議の経過」が文化審議会著作権分科会 第16回で了承

2006年1月12日
文化審議会著作権分科会報告書
(文化審議会著作権分科会にて了承)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/06012705.htm

2006年2月3日
文化審議会総会 (第40回) にて著作権分科会報告書了承

 とりあえず iPod 等への課金は2年見送り。2年後には私的録音録画補償金制度自体の存廃を含めて結論が出されることとなります。また、同じ2年間で検討課題の一つ「私的複製の範囲を明確にする」ことも議題として出てくることでしょう。
 今後の予定としては──

2006年3月1日
文化審議会著作権分科会 (第18回) 開催予定
http://www.bunka.go.jp/1osirase/18_bunkasingi_chosaku_bunkakai.html

 ここで分科会長が選出され、設置される小委員会が決定されます(おそらく前記の3つについては維持されるでしょう)。情報源があれば別でしょうけど、そんなものを持たない一般人はここでの資料・傍聴報告によって今後の行動を見極めることとなるかと思われます。
 今期は私的録音・録画を話し合うための小委員会も設置されるということですから、おそらく著作権保護期間を話し合うであろう法制問題小委員会ともども、チェックしなければならない所が少なくとも2つ出来てしまうということですね。

 3月半ばぐらいには各小委員会も始動するのではないでしょうか。




■ついでに──私的録音・録画問題で話し合ってほしい論点(思いつくまま)

(改定しました: 2006.3.4)

【大前提】

 ・エンドユーザーが納得できる論理構築の必要性
  →これができなければ著作権制度は維持できない。
  →エンドユーザーが著作権制度に納得できないこと自体は、
   必ずしも「無知」や「意識の低さ」によるものではない。
  →むしろ著作権制度と社会常識との乖離も検討されるべきである。
 ・制度設計時に論理的検討を済ませ、
  それを後から参照できるようにすること
  →周知不足などでエンドユーザーの「理解」が不充分な場合、
   自ら学ぶ方法を確保することが必要。
   それもただ著作権制度の説明を一方的に参照させるのではなく、
   論理的な検討を再び辿らせることで理解できるようにすべきである。

※もちろん権利者にとってもメーカーにとっても
 納得のできる内容でなければ制度運用が覚束ない。
 よって、これら三者を繋ぐのは論理か妥協しかない。
 私は前者を重要視している。


【この問題で発言すべき当事者】

 ・権利者
 ・メーカー
 ・レンタル業者
 ・エンドユーザー
  →必ずしも消費者団体とは一致しない。

※文化庁の当事者設定に要注意。
※放送局をどう考えるか?
  →私的録音録画小委員会に参加。
※放送局が小委員会に参加したのと対照的に
 レンタル業者は参加していない。
※有識者に対する過信は禁物。
※権利者の発言に対してツッコミを入れられるよう、
 我々の側で即応体制を作っておく必要がある。
※エンドユーザーが団体を作るのは難しい。
 極端な話、国民全員がエンドユーザーである。
 パブリックコメントをこまめに募集することが望まれる。


【私的複製の許される範囲】

  →検討課題にある項目だが、
   本私的録音・録画問題にはあまり影響しない。
  →上の議論で確定した私的複製のうち、
   権利者に不利益を生じさせるものについて
   補償金を課すべきなのである。
   (この不利益の確定が重要。)
  →私的複製外のコピーは勿論著作権侵害である。
   (許諾を得たり、権利制限に該当するものは別。)

※私的複製の範囲が狭められる兆しがあれば
 断固反対の声を挙げるべきではある。
 目標はフェアユースの確立。


【そもそも私的録音・録画は権利者にどのような不利益を与えるのか】

 ・「我慢=不利益」理論の妥当性は?
  →「複製権を行使できないことが すなわち不利益である」との考えがある。

※私的複製によって私的領域内の利用が拡大しても、
 所詮は同じ人間による再生。権利者の不利益は生じない。
 CDを持っている人間が わざわざ同じ曲を iPod 用に買い直すか。
 (ここで追加料金を課すとすれば、そもそもCDは買われるのか。)
 著作権が、著作物売買からの利益還元を意図しているのなら、
 経済的な動きが生じない私的複製にまで「利益」を認めるのはおかしい。

 ・これと表裏一体なのが複製権ありきの考え方

※複製技術の普及によって著作権制度が危機に陥っているのではない。
 本来 私的利用に権利を及ぼすべきでないところ、
 複製権の場合は複製技術の普及が遅れていたために
 問題の顕在化が遅れたのではないか。
 当初の複製権の形がおかしいのであって、
 複製技術の普及による衝突は必然だった。

 ・知的財産権の多くは私的領域に及ばない
  →著作権も例外ではない。
  →複製権も市場での著作物売買にかかる利益を権利者に分配するもの。
   私的領域内での複製に権利を及ぼす必要は必ずしも無い。

※著作物パッケージは一家庭に複数枚買うことが少ない。
 この認識は、著作権意識とは全く別の問題である。

 ・私的録音・録画にかかる権利者の「不利益」がいかなるものなのか

※「不利益」を生じる態様に限り「補償金」を取るとすべきである。

 ・私的複製による著作利用の拡大。
  →それにともなって権利者へ「利益」を「還元」すべきか。
  →その著作物を使用しているのはCDを持っている同じ人間。
  →私的複製ができなくなれば聴かないか元のCDを聴くだけ。
  →本質的にはCDの再生と私的複製(メディアシフトなど)は同じ。

※CDを持っている人間が わざわざ同じ曲を iPod 用に買い直すか。
 仮に iPod へ私的複製する際に追加料金が課されているとしたら、
 その人は最初からCDを買うだろうか。
 メディアシフトへの補償金課金はCD購入のインセンティブを失わせる。
※著作権制度が著作物売買 (first sale) からの利益還元を意図しているなら、
 経済的な動きが生じない私的複製にまで権利者の「利益」を推定するのはおかしい。
 複製権が保護すべき「利益」を限定的に特定しなければ、
 私的複製だけでなく他の権利制限との衝突を生む(現に生じている)。


【私的録音録画補償金のそもそも論】

 ・私的使用については権利が及ばない知的財産権の原則
  →私的複製についても私的領域を出れば著作権侵害。
   私的領域内であれば「不利益」を生じにくい。
  →私的領域内であれば複製の量は「不利益」に関係ない。
   (極端な話、私的複製は存在するメディアの種類だけ必要。
    そのうち同時に聴かれるのは僅かである。聴くのは同じ人間だから。
    その意味で、著作物の使用は拡大しない。)
 ・権利者が本来得るべき利益の特定
  →CDや配信などの正規売買が基本。もしくは二次使用(放送など)。
  →中古売買は新品売買に準じた扱い。
   (そもそも譲渡権が消尽しており利益還元の必要性がない。
    よってこの点のみ違いを含み、
    それ以外は新品で購入したものとする
    「準じた扱い」を取らねばならない。
    差別的な扱いは許されない。)
 ・私的録音 録画で失われる「利益」の整理
  →複製権によって保護されるべき「利益」の特定
   (本来の著作物利用で推定される「利益」のみを
    複製権で保護すべきであり、
    一般の経済的な原理から離れた保護は
    市場の不活性化を招くだけである。)
  →私的録音 録画に対する権利行使すべてを
   「利益」とすることの妥当性は問われねばならない。
  →当然「公正な使用」との均衡が必要。
   著作権法の裏としてエンドユーザーの権利を意識すべき。
  →あくまでも補償金制度で補償されるべきは
   「私的録音・録画」であることから、
   私的複製の範囲の特定についても留意されたい。
   (私的複製外の行為への「補償」を除外。)
 ・デジタル録音とアナログ録音を区別する妥当性
  →デジタルだから課金するという論理に妥当性はあるか。
  →デジタルコピーは音質が劣化しないとの言説は嘘である。
   これは圧縮音声による複製を考慮してはおらず、
   アナログだからデジタルだから云々という問題ではない。
   (例:MD・ MP3 ・ AAC 等。)
  →すなわち、アナログ録音にも課金すべきとの考え方は
   当然のことながらあり得るところである。
   (もっとも JEITA との合意が難しいと思われる。
    そして消えゆくアナログメディアも少なくないことなど、
    今ごろ指定して実効性があるのかという問題もある。)
 ・フェアユース類似規定の創設の必要性
  →権利制限の例示+一般権利制限規定というのも無理なのか?
   エンドユーザーの権利としての私的複製の確立。
   (現行の私的複製の範囲がすべて「エンドユーザーの権利」であり
    無償・自由とすべき──とは必ずしも言えないが。)
 ・私的複製の規定と補償金制度があるにもかかわらず
  「違法コピー」であると喧伝するレコード業界の詐欺性
  →これが補償金に対するエンドユーザーの理解を得られない最大の理由。
   レコード業界の自業自得と言わざるを得ない。
  →様々な虚言とともにコピーコントロールを市場投入する愚行も同様。
   補償金制度下で発生している重 DRM は撤廃すべきであり、
   この現状が続くことは補償金制度を廃止する理由となり得る。

※大前提として、CDの規格ではコピーコントロールを実現できない。
 現在流通する「コピーコントロールCD」は再生保証のできない欠陥品である。
 商道徳上の問題として指摘されるべきところである。
 ただし売り手が「コピーコントロール」を主張している以上、
 それが実体の伴わない欠陥品だったとしても
 コピーコントロールされているとして補償金課金を廃止するなどの
 措置を取るべきである。


【補償金制度創設時の議論を洗い直す
 (各種資料をもう一度 洗い直そう→俺)】
 ・メディアシフトについては全く検討されず
  →そもそもMDはメディアシフト用途でしか使われない。
   どういう意図で無視されたのか。 iPod のある現在と比較しても、
   メディアシフトが少なかったとは決して考えられないのだが。
   (MDで発売された音楽は殆どない →ソニーの一部タイトルのみ。)
 ・制度創設の根拠とされたのはレンタル・CD放送からのコピー
  →レンタルについては、貸与権使用料の兼ね合いが無視される。
   問題は現在も続いている。
   (貸与権使用料は録音を前提に決定された。
    補償金制度創設にともなって使用料が軽減されねば理屈に合わないが、
    そうした措置はあったのか否か。
    当事者双方に見解を問うべきであろう。
    なおレンタルからの私的録音が貸与権によって解決済みであったことは
    私的録音録画補償金創設時の国会質問で確認されているところである。)
  →放送についてはタイムシフトが不問、
   課金根拠とされたのは「ライブラリー化」目的の方だった。
   なおハードディスクレコーダーのような
   機器と媒体が一体化されたものは当時想定されていなかった。
   (これはタイムシフト用途の機器ではなかろうか。)
 ・なぜ私的録音 録画が権利者の「不利益」なのかは説明できず
 ・国際条約上の判断、その理論を検討する必要あり
  →必ずしも同じ理論・根拠を日本で採用する必要はない。参考情報。
 ・スリーステップテストの精査
  →学者の間だけで理解しているのではなく、
   国民全体としても共有できる論理・概念を。
 ・デジタルのみへの課金の妥当性
  →妥協の産物でしかないように見える。
   過去に販売された機器・記録媒体に遡及して課金できない以上、
   新たに販売されるアナログ機器・記録媒体に課金しても
   大きな問題は発生しないのではないか?
   (注:メーカーには大きな負担となりかねないが。)
 ・メーカー悪者説の愚(審議会外の発言、パブリックコメント等)
  →メーカーが再生機を作らなければ、そもそも著作物は利用されない。
   (メーカーが対応を否定した 「CCCD」 の例が解りやすいところ。
    また、生産終了した旧規格の映像ソフトも同様。)
  →メーカーと権利者との画期的和解(=談合。笑)によって
   補償金制度が成立したにもかかわらず、相変わらず
   権利者側にはメーカー悪者説を唱え続ける者がある。
   これは補償金制度の存続を危ぶませる因子ではないか?
  →補償金額の算定方法を改めることすらできない。
   やはり制度を存続させることは無理なのではないか?
   (宿命的対立による制度の硬直化。)
  →消費者にではなく、メーカーに支払いの義務を負わすべきとする
   主張に至っては論外。
   エンドユーザーに支払い義務を課した現行制度の規定は、
   論理的根拠の薄い本制度において唯一の論理的規定である。
 ・著作物流通の上流(レコード販売・CDレンタル・放送など)での徴収や
  税金型の補償金制度(分配ではなく「共通目的事業」的な支出に充てる)など
  他の手段の再検討
  →補償金制度を創設する前段階で検討し否定された経緯がある。
   しかしながら「共通目的基金」は一部ながら導入された。


【複製権とフェアユース(公正な使用)との均衡】
 ・米国著作権法のフェアユース規定の精神に学ぶ
  →日本の著作権法において全く同じ議論は成立しない。
   しかし学ぶべき点は大いにある。
  →RIAA らの世迷い言を如何に排除するか。
   もっとも日本には私的複製にかかる権利制限規定があるから
   ひどく惑わされずに済むかも。
  →日本の著作権法にある「公正な使用」を明確に意識する。
   著作権と同等に守られるべきものである。
  →著作物(複製物)を購入するエンドユーザーの権利を意識する。
   明確にできるだろうか?
   CD登場時には「半永久的」に聴けるものであると当のレコード業界が喧伝。
   エンドユーザーにとっては、ずっと音楽を聴く権利を
   CDとともに「購入」するという観念が一般的なものである。
   (経年劣化によりそれが「半永久的」な使用なのかはともかく。)

※スリーステップテストとフェアユースは、著作権の議論におけるパンドラの箱になりかねない感じではあるが‥‥。もっとも私が求めている論点の殆どは ここと大きく重なるところである。


【二重徴収問題】
 ・法解釈
  →著作権法だけでなく、契約法や一般慣行とのバランスも考慮。
  →問題は配信音源にのみ発生しているのではない。
   従来から私的録音録画補償金の対象とされている範囲についても
   再検討が必要なのではないか。
 ・使用料規程の改善
  →権利者団体による一方的見解で決定されるべきではない。
  →権利処理に関してはエンドユーザーが善意の第三者である。
  →権利処理の実態を知ったら知ったで、
   エンドユーザーの購買欲を削ぐことになるのではないか?
  →配信事業者やレンタル事業者等の意識はどうか?


【補償金を課すのが相応しい態様、
 課すのはおかしい態様】
 ・手持ちCDからの私的複製
  →売買にかかる契約の解釈や財産権の問題。
   CDを買うことで音楽を(私的領域内で)聴く権利を買ったと考えられるか?
   メディアシフトはその権利の行使ではないか?
  →いわゆる二重徴収問題。私的録音は売買の前提となっている。
   (売る方も私的録音可能であることを意識している。)
   私的録音を禁じるとなると一般的な慣行と反することとなる。
   (「CCCD」 撤退の発表では、
    iPod で音楽を聴くということの広がりが一因であるとされた。
    すなわち標準CDで発売されたものは私的録音されることが想定済み。)
 ・いわゆるコピーコントロールCDからの私的複製(笑)
  →補償金を課すのはおかしい。
   コピーフリーの場合と数回だけ可能な場合、
   さらにコピー禁止の場合とでは
   分配される補償金額に差をつけないと理屈に合わない。
   しかしおそらく差を付けることは不可能だろう。
   (その方法が難しい。)
  →コピー制限と私的録音録画補償金は両立しない。
   映画著作物のビデオ・ DVD についてコピーガードがあるため
   私的録音録画補償金の想定から外されている。
 ・レンタルCDからの私的複製
  →貸与権使用料との兼ね合い。
   CDVJ から意見聴取することが必要である。
   できることなら私的録音録画小委員会に委員を招くべきであった。
 ・音楽配信で購入した音源の私的複製
  →採用 DRM との兼ね合い。売買にかかる契約の解釈。
  →いわゆる二重徴収問題。私的録音は売買の前提となる。
 ・友人からの借り物からの私的複製
  →私個人の見解としては、ここに補償金を課すのはやむを得ない。
  →現行のメディア課金(CDや音楽用 CD-R) も一つの方法ではある。
   (機器への課金については妥当性に疑問があるが。)
  →個人による個別の支払い方法を作ることはできないか?
 ・放送番組からの私的複製
  →私的録音については補償金制度創設時より実態が少なくなっている。
  →あえて言えば現行のメディア課金で充分対処可能。
   (録画についても同様。アーカイブ化目的の録画に課金すれば充分。)
 ・手持ちCDから私的複製をし、CDの方を売却
  →補償金を後払いできるよう窓口を設けられないか?
   さすがにここを無償にすべきと主張するのは気が引ける。
   (免罪符ではないが、後で何かを購入することでバランスを取るなど。)
 ・自作曲や自然音などの私的複製(パブリックドメイン含む)
  →もとより補償金を課金される謂れはない。
   返還制度を活用(実効性の確保が必須)。


【メディアシフト・プレイスシフト・タイムシフト】
 ・フェアユースとして補償金の対象外とすべきではないか
  →手持ちCD・レンタルCD・配信音源・放送音源などでは
   すでに対価が支払われていると考えられる。
  →PCや iPod で音楽を聴くことが一般的になり、
   メディアシフトが私的複製の大部分を占めることとなった。
 ・メディアシフトやプレイスシフトに使われたMDや音楽用 CD-R
  →補償金の対象外とし、当該補償金を返還すべきではないか。
 ・ハードディスク内蔵型録画機器の使用はタイムシフトではないか
  →ハードディスクは有限の期間しか使えない。
   メディアへバックアップした時だけに補償金を課したとしても
   補償金制度の趣旨を維持することはできる。
   (趣旨:タイムシフトは不問、ライブラリー化を根拠として課金。)
   この際、 DVD-R の使用にはライブラリー化目的を推定する。
 ・メディアシフトに伴う技術的保護手段の回避
  →認めるべきではないか。
   図書館が資料保存のために技術的保護手段を回避して複製するのと同様、
   エンドユーザーにも自ら購入したコンテンツを利用し続けるために
   メディアシフト(つまり私的複製)の権利を認めるべきである。
   (なお新たなメディアで新品を売りたい業界側は、
    新たな付加価値を模索するのが本道である。
    その方が市場を豊かにすることができる。)


【ハードディスク内蔵型録音機器・録画機器】
 ・タイムシフト目的の録画の扱い
  →ハードディスクへの録画はタイムシフト用途である。
   ビデオデッキ以上にその性質が強い。
   保存目的(アーカイヴ目的)であれば DVD に焼く。
 ・機器に汎用性がある場合、どのように判断するか?
  →セールスポイントか? 実態調査か?
 ・補償金そもそも論との兼ね合い
  →補償の必要がないコピー態様(上記タイムシフト含む)。
 ・機器と媒体を分けている著作権法の規定
  →一体型の指定は妥当か否か。
   問題なしとの考えも勿論あり得る。
 ・仕様として指摘領域外へのコピー流出を困難にしている場合
  →権利者に「不利益」を与えにくい配慮。
   親しい友人や別居家族など私的領域と考えられる場面でも
   「流出」を防ぎ使用を限定している。
   ここまで厳しい制限があれば補償金を課す正当性は薄い。


【汎用機器・記録媒体】
 ・録音 録画に使用している場合
  →ただし本当に補償すべき録音・録画か?
  →特にハードディスク内の記録はタイムシフトと考えられる。
   ハードディスクは壊れ物であって、バックアップが必要なのは常識。
   (使用期間の限定性。これが長すぎるという考えも当然あり得る。)
 ・録音 録画に使用していない場合
  →返還制度が機能していることが必須。
  →全PCユーザーの半分程度の人がここに該当。
   これだけの数の人たちに補償金返還は可能か?
  →返還制度が機能しなければ財産権の問題が発生。
   (憲法に抵触するおそれ。現行制度では課金困難。)
  →別の方法は考えられるのか?
   (そもそも論との兼ね合いにも注意。)


【現行制度下での暫定的改善点】
 ・分配の透明性
  →sarah や SARVH は無論、
   JASRAC 等の分配方式を細かく検討する必要。
  →分配実態にかかる情報公開なども含む。
  →DRM による私的複製実態の補足は可能か?
   (現状では あらかじめ許諾された複製に限り
    複製を可能とする DRM の方が一般的。)

※ぶっちゃけた話、エンドユーザーと権利者自身
 (団体は含まない)が納得できる仕組みであれば良い。
 投げ銭的に、複製した著作物をエンドユーザが自己申告し
 送金すること(補償金管理団体→権利管理団体→
 アーティスト・著作者の流れはは保持した上、
 分配先だけがあらかじめ決まっている)も手段として
 有効なのではないか。
 (自己申告のない補償金については従来の分配とする。)

 ・共通目的基金(縮小?廃止?)
  →ただし分配の正確さが保証されなければ問題が大きくなる。
  →分配を受けられない権利者のための間接的利益還元という
   性質を忘れてはならない。
   (もし単純に基金のための控除の率を下げるだけでは、
    現行制度で分配を得ている権利者への分配金が増えるだけ。)
  →税金で財源を確保すべきとの考え方も勿論ある。

※個人的には、結構この基金の世話になっている(笑)。

 ・返還制度の実効化
  →これが出来ない限り、汎用機器等への課金は絶対にあり得ない。
   (課金したくもないが。)
  →返還制度の簡略化はもちろん、返還制度の存在も周知させるべき。
   それこそパッケージへの明記など。
 ・制度の周知
  →製品への明記(補償金額など)。
  →周知広報活動。
   (前にやってたのは あっという間にやめちまったが。
    ただウェブサイトで掲載していれば良いというものではない。)
 ・個人レベルでの支払いの可能性
  →sarah や SARVH へ個人が直接支払えないか?
 ・補償金額の是正
  →定額か定率か。あるいは別の基準か。
  →しかし権利者とメーカーが仲良くやらないと無理。
  →補償金制度存続危機の一因がここにある。


【補償金制度廃止の可能性】
 ・DRM 付加音源の私的複製に課金すれば
  二重の徴収とはならないかという指摘
  (DRM があれば補償金を廃止すべきでないか)
 ・コピーコントロールと再生保証が両立できる
  正規発売メディアへの移行
  (コピーが出来ないのだから補償金を廃止すべき)
 ・現実として社会に存在するCDのコピー
  →補償金をかけるべきでない態様の確定。
   それ以外の態様であれば課金もありかも。


【政令指定】
 ・これは現行通りってことで良いのよね?
  →規定ぶりなどの問題は残っている。
 ・規定を簡単にすべきか
  →文化庁のガイドラインさえ用意できれば
   実際の運用上は問題なかろう。
   仮に技術仕様で規定しないとすると
   品名やメディア名でやれるか? 規格名?
   独自名称などで抜けが発生した場合の対処は?
   (現行規定で問題は発生しているのだろうか?)

※個人的には、新たな指定がなされた場合、
 副作用の検証をする時に困るくらいか。


【私的録音録画補償金に変わる制度?】
 ・機器への補償金課金をやめるべきではないか
  すなわち専用記録媒体にのみ課金すべきでは?
  (それで記録媒体への課金額が多少上がるのはやむを得ない。)
  →記録媒体への課金こそが
   コピーを行なう者への受益者負担に近い形となる。
   機器へ課金するよりも平等である。
 ・投げ銭的な補償金支払いは実現できないか
  アーティスト・曲を指定して払い込むなど
 ・あるアーティスト専用の CD-R など実現できないか
  補償金配分先をあらかじめ確定した記録媒体ならば、
  やってみたくなる権利者も出てこないだろうか
  (私的複製をやめさせるのが不可能である以上、
   分配を得るのが確実な方法で私的複製させるのが合理的。)
 ・フェアユース(公正な使用)と著作権との境界
 ・正確な補足と正確な分配
  → JASRAC などの実態把握。
 ・徴収方法
  → 事後支払いを可能にしてはどうか。
   配分先を指定しての支払いは可能か。


《審議のやりかたについて》

【一般からの意見募集を複数回やるべき】
 ・意見募集をかける時期
  →普段は報告書案に対して実施。
   これでは遅すぎ、集まった意見を反映できない。
 ・審議経過に対する国民の反応
  →毎回 意見を出せるようにするとか。
   俺は出しちゃうよ(笑)。
 ・情報公開の新たな試み
  →ブログを活用してはどうか。
   著作権課長ブログ(笑)とか。
   (もしブログをやるならコメント書き込みについての
    方針は立てておいた方がいい。登録者に限るとか。
    基本的にトラックバックで意見を受け付けるようにすれば
    経産省の某官僚のようなつまらない「炎上」は無くなる。)


【議事録の公表は迅速に】
 ・開催から議事録のウェブ掲載までの期間
  →現状はおよそ1ヶ月。かかりすぎである。
   迅速に動いている総務省を見習いなさい。
 ・議事録の前に議事の様子を公開する方法
  →先に音声を公開してみてはどうか?
   (おそらく録音しているだろうから。)
 ・配布資料公表の時期
  →議事録より早いが、できれば開催当日に欲しい。
   資料を作成する際にファイル公開を前提にして
   作業すべきではないだろうか。
   (現状、公開される PDF は印刷された資料から
    スキャンしたものが少なくない。)

Posted by 谷分 章優 著作権行政, 音楽と著作権 |

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私的録音小委員会に津田大介さんが入る事が決まりました。 続きを読む

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