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2006年3月 8日 (水)

「ブロードバンド・ゼロ地域を解消」が 2010年って、 こんなんでアナログ停波が可能なのか!? ──通信・放送懇談会#4

http://tontonsblog.seesaa.net/article/14358568.html
「通信・放送の在り方に関する懇談会 第4回会合(2006/02/21) 」
(Where is a limit?)

http://tontonsblog.seesaa.net/article/12937598.html
「放送業界の在り方を議論 総務相の通信放送懇談会第3回会合」
(Where is a limit?)

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/tsushin_hosou/
「通信・放送の在り方に関する懇談会」
(総務省)

『Where is a limit?』 さん経由、 2月21日に開かれた 総務省「通信・放送の在り方に関する懇談会」第4回の関係資料が公表されたそうです(ちなみに私は採り上げそこねたのですが、 2月7日開催の 第3回も既に議事概要等が公表されています。これも 『Where is a limit?』 さんから)。開催当日の記者会見概要と議事概要、そして配付資料「電気通信の現状」があります。
 読んでみると いろいろ言いたいことが出てきたりするんですが、今回は私が自分の目線で言える一点だけを指摘しておきたいと思います。「電気通信の現状」ノンブル2ページから「IT新改革戦略」(このまとめ自体はIT戦略本部によるものだそうです)を引用します──

II 今後のIT政策の重点
2 IT基盤の整備
「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・ディバイドのないインフラの整備 ─ユビキタス化の推進─

目標
2011年7月 を目標として、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・ディバイドのないインフラを実現することで、ユビキタス化を推進する。
1 2010年度までに 光ファイバ等の整備を推進し、ブロードバンド・ゼロ地域を解消する。
2 2010年度までに 現在の100倍の データ転送速度を持つ移動通信システムを実現する。
3 2011年7月までに、 通信と放送のハーモナイゼーション等を進め、地上デジタルテレビ放送への全面移行を実現する。

 これを読んで「おめでたいなぁ」と思ってしまいました。
「デジタル・ディバイド」を解消するには、通信網の整備はもちろんのことですけど 端末をどうするのかという問題があります。通信網については、引用箇所の「目標」や同文書ノンブル9ページ「ブロードバンドの整備状況」を見れば、今もって まだまだ不充分だというのは判るわけですよ。その上 端末を各家庭で用意させなきゃ「デジタル・ディバイド」が解消できないとしたら、どうやって 2011年までに 一定の成果を上げるんですか。
 しかも通信網へ話を限定したとしても「ブロードバンド・ゼロ地域を解消する」との目標年限が 2010年。 この「ゼロ地域を解消」って、全世帯にブロードバンドを実現するという意味じゃないですよ。「全ての地域で加入不可能」な市町村を無くすという意味でしかありません。すなわち、極端な話、1世帯でも加入可能な所が生じれば目標を達すると。
 2010年で この目標なのに、どうやって 2011年7月までに 「地上デジタルテレビ放送への全面移行」を実現するのでしょうか。いま各方面で議論されているIP同時再送信は地上デジタル放送へ「全面移行」させる切り札として考えられているわけですが、ここで想定されているのは「難視聴地域」に対する手当てなのです。こういうところはブロードバンド化も遅れがちではないかと私は思うのですが、これは偏見ですか?
 新たに買物させられるのが鬱陶しくて地上デジタル移行という選択肢をハナから棄ててる私のような人間ならともかく、「難視聴地域」の人々は不可抗力によってそのような立場に立たされているわけで、IP同時再送信という手当てがきちんと為されないと地上デジタルへの「全面移行」など実現不可能でしょう。すなわち、こういった地域にこそ全世帯ブロードバンド化(自らの意思で契約しないとかいうのは別ですよ、ブロードバンドの利用が可能であるかという意味です)が果たされていなければ目標が達成されたとは言えません。そういった切迫性があの議事概要にあるでしょうか?
 たしかにこの「目標」は本懇談会が出したものではありません(前述の通りIT戦略本部によるものです)。が、これを前提として話し合いが始まっているわけで、前提に怪しい部分があれば その旨 指摘されてしかるべきです。殊にネタが「ユニバーサルサービス」云々なのですから。

 懇談会の議事要旨を読んだ限りでは、話の中心は NTT の独占性をどう削いで競争に持ち込むかということが中心になっているようです。これも確かに大事なことです。
 ただ問題なのは、そうした競争は採算性のある地域でしか起こらないということです。先に引用した「目標」との関わりで言えば、デジタル地上波の「全面移行」のネックとなる地域についてIP再送信で解決できる保証(著作権の話は置いておくとして、通信網の整備がされる保証)があるのかについては語られていないようです。
「ユニバーサルサービス」をIP時代では踏襲するとは限らないといった話の流れにもなっているようで、まぁ全国一律でなければならない(一地域だけ高機能なサービスを受けるような事態は許されない?)というのはナンセンスとしても、最低限の通信網を津々浦々にまで敷いておく必要性は「デジタル・ディバイドの解消」「地上デジタル放送への全面移行」を国の方針とするなら必須なのではないかと思います。
 私個人としては 2011年に 「地上デジタル放送への全面移行」なんて出来っこないと思ってますよ。しかし国が自分の決めたことを実現する努力を欠いているというのには首を傾げたくなるところなのです。

 たいそうな御題目を掲げているわりには、ゴールが見えていない──そんな印象を受けてしまいました。


※私の上の文章は、「難視聴地域」と「ブロードバンド・ゼロ地域」とが重なるのではないかという前提のもとで書いています。これは単なる偏見である可能性もありますが、本懇談会ではその実態に触れられていないようで、資料を読んだ上で出てくる当然の疑問として敢えて提示しました。
 詳しい分析をしようと思ったら、どちらもダメ・ブロードバンドだけOK・地上デジタルだけOKという区分ができて、その上でブロードバンドも地上デジタルもダメな地域について手当てする必要が出てきます(このように重なる地域が存在しないのならば、その事実を議論の前提とすれば良い→「ユニバーサルサービス」の役割は終わったのではないかという話に)。いずれにせよ、「難視聴地域」の全世帯にブロードバンド化が実現していないと「地上デジタル放送への全面移行」など難しいということです。
 個人的には、 NTT のメタル回線の「ユニバーサルサービス」義務でも何でも使って、 ADSL 使用可能化を NTT 押しつけるなり何なりしてみろと思ったりするんですが。

Posted by 谷分 章優 映画・映像 |

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通信・放送の在り方に関する懇談会経由○配布資料○会見概要○議事要旨がアップされていました。 通信・放送の在り方に関する懇談会(第4回)配付資料 「電気通信の現状」(pdfファイル) 参考資料(pdfファイル) 会見概要 議事要旨(pdfファイル) この内、「電気通信の..... 続きを読む

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