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2007年7月27日 (金)

“私的録音・録画する可能性”は「補償金」という名の財産権侵害を正当化しない

 7月26日に 開催された、文化審議会著作権分科会の私的録音録画小委員会(第8回会合)については既に採りあげたとおりです。第7回が 7月11日、 第6回が 6月27日、 第5回が 6月15日、 第4回が 5月31日 でしたから、ここのところずっと2週間程度のインターバルで私的録音録画小委が開催されていることになります。
 毎回少なくない資料に目を通し(特に第5回では事務局の越権的「叩き台」が、第6回では各委員の意見書が出されています)、会合での発言(議事録──サイトでの公表は相変わらず遅れてますがね)を踏まえ、会合での議論に望まないといけないのですから、小委員会の委員らにとってこの2週間という期間がどれだけ短いことか。
 議論自体は時が止まったかのような空転ぶり。これを見越した事務局が思い通りに事を運びたいがために、こんな過密スケジュールで組んでいるとしか思えませんね。報告書のとりまとめ時期に合わせて会合の回数だけ稼いでいる印象です。議論はしたんだというアリバイ作り。

 ともあれ、第7回・第8回会合をベースに今回は考えていきましょうか。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/26/news114.html
「『iPodやPCからも補償金を』と権利者 私的録音録画小委員会」
(ITmedia News)

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/27/16469.html
補償金の支払い義務者はメーカーとすべき、権利者団体が主張
(INTERNET Watch)

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/11/16312.html
「『どこまでが補償金の対象?』私的録音録画小委員会で議論」
(INTERNET Watch)

 内容はと言えば、相変わらずの紛糾ぶり。毎回恒例と言ってしまえばそれまでなのですが。
 このままで無理にまとめようとしてもユーザー(加えてメーカーも)の理解など得られよう筈もありませんで、補償金制度自壊へのカウントダウンが始まっているのも確かではあります。拙速な“政治決着”の末「レコード輸入権」のような混乱が再び──なんてことにも。

 それはともかく、一連の報道でスポットが当てられているのがやはり重要トピックであろうかと思われます。 iPod のような「ハードディスク内蔵型録音機器等」だけでなく、パソコンを代表とする「汎用機器・記録媒体」についても課金の是非が議論されているという部分。
 しかしながら汎用機器・記録媒体を補償金の課金対象とするためには、現行補償金制度の根幹を変えないと不可能です。そもそも著作権法の規定ぶりから、専用機器・記録媒体にのみ課金されることとなっていますのでね(政令でパソコンを指定して済むというものではないのです)。
 もっとも小委員会事務局と権利者側委員(特に CPRA 椎名氏)はこの根幹を変えていくことを主張していたりはするのですが。




■補償金制度の根幹を変える“主張”

 まずは小委員会事務局による議事の誘導から。「叩き台」と称した「制度設計について」という配付資料において、本来は議論のありかたを中立的にまとめるべき事務局が議論のまとまる前から一定の方向性を示していることで問題になっている文書です。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07061916/001.htm
「文化審議会 著作権分科会 私的録音録画小委員会(第5回)
 議事録・配付資料 [資料1]」
(文部科学省)



私的録音録画に関する制度設計について

 (中略)

2 仮に補償の必要性があるとした場合の私的録音録画補償金制度の基本的なあり方

(中略)

(2)録音録画機器・記録媒体の提供という行為に着目した制度設計について

(中略)

ウ 改善すべき課題と対応策

(ア)対象機機について
○ 現行制度は、私的録音録画に専ら使用され、かつ記録媒体を内蔵しない機器(分離方専用機器)を想定して制度設計を行っている。

○ 現在は、
 a 録音録画機能以外の機能(再生機能は除く)を併せ持つ機器(汎用機器)
 b 記録媒体を内蔵した一体型の機器
 が主流となりつつあり、この傾向は、ここ数年のうちにより顕著となっている。

○ このようにIT技術の急速な発達に伴い一体型機器や汎用機器を用いて行う録音録画が増加していることを考えれば、これを対象にしないことは、負担の公平性の観点から問題があるところから、対象機機の範囲を見直す必要があると考えるがどうか。

○ 専用機器については、記録媒体を内蔵した機器(一体型専用機器)であっても、私的録音録画に専ら使用される専用機器であることに違いはないこtから、対象にすることについて課題は少ないと考えられるがどうか。

○ 汎用機器については、
 a ポータブル・オーディオ・レコーダ (iPod、 ウォークマン等)に代表されるように、汎用機能を有するが消費者の主たる用途は私的録音録画であるもの と、
 b 通常のパソコンのように、消費者の主たる用途が私的録音録画であるとはいえないもの
 に分類されると考えられる。

○ aの場合、例えば専用機器であるポータブル・オーディオ・レコーダと汎用機器ではあるが主たる用途は録音録画であるものとの取り扱いを異なるものとすることは、負担の公平性から問題があることから、これを対象にすることが適切であると考えるがどうか。

○ bの場合、機器の購入者が私的録音録画に供する可能性がかなり低いものもあると考えられることから、補償金の対象とするかどうかは、この論点をどのように整理するかを改めて検討・整理する必要があると考えるがどうか。

(中略)

[3] 補償金の支払い義務者

ウ 改善すべき課題と対応策
○ 現行制度は、専用機器・専用記録媒体を前提にした制度であるところから、負担の公平性の点から、仮に汎用機器等を対象にする場合、イの問題点から現行制度のように利用者が支払い義務者では対応できないと考えられるがどうか。

○ 仮に見直すとした場合、選択可能な制度は、我が国以外の国で採用されている製造業者及び輸入業者が支払い義務者になることが適切と考えられるがどうか。

○ なお、製造業者等の支払い義務者とすることの考え方を整理すると次のようになるが、これについて問題はあるか。

 ・録音録画機器等の提供があることから私的録音録画が行なわれるとの因果関係がある。
 ・著作権法の原則では、利用者が補償金を支払うのが基本であるが、個々の利用者から補償金を徴収するのは事実上困難であり、現行制度においても実質的には製造業者が補償金を支払っている。
 ・今回の制度見直しにより、負担の公平性の点から汎用機器も対象にせざるを得ないとすれば、返還制度に関する問題点等が拡大するなど現行制度の考え方では対応できないところから、第30条の存在により利益を得ており、現行制度においても実質的に補償金を支払っている製造業者等に著作者保護のために協力を求めることが適切と考えられる。

 なお上記の汎用機器への課金拡大は権利者団体が従来から(法制問題小委員会で 「iPod 課金」が議論されていた当時から)要望してきたものですし、支払い義務者をメーカーに変更することも実演家団体を中心に(ここ数年)主張されてきたことでした。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2007/03/16/15119.html
「実演家の視点で私的録音補償金制度を議論、メーカー負担を望む声」
(INTERNET Watch)



● 補償金制度見直しでは「デジタル録音の実態を見据えた議論を」

 日本芸能実演家団体協議会の藤原浩氏は、私的録音補償金制度の問題点として、1)専用機に限るとの運用、2)支払い義務者をユーザーとする点、3)定率制の矛盾——という3点を挙げる。

 1)は、補償金の課金対象が、録音を主目的とした「専用機」に限られるということだ。補償金の課金対象となるものは、政令指定を受けているデジタル方式の機器や記録媒体で、家庭内で一般に利用されるものに限られる。本来の機能に付属する機能として録音機能が搭載しているものは「汎用機」とされ、補償金の課金対象から除外されている。藤原氏は、「専用機以外によるデジタル方式の私的録音が野放しになっていると指摘する。

 「MD以降、政令指定として認められたデジタル録音機器・機材は、CD-RとCD-RWのみ。しかし、CDレコーダーなど私的録音の専用機はほとんど存在せず、CDを録音する場合にはPCなどの汎用機が使われることが大半。にもかかわらず、PCは補償金の対象外となっている」

 2)については、現在の制度では私的録音補償金の支払い義務者が「ユーザー」と定められていることから、「私的録音をしないユーザーには課金できないというドグマがある」という。そのため、実際には多くの人が私的録音に使用している機器・機材についても、課金対象にできない現状があるとしている。

 3)としては、補償金の金額は機器・機材の販売価格の一定割合とされているが、最近では販売価格がオープン化したことから補償金の単価が下落していると指摘。記録媒体1枚あたりの補償金単価は、1995年の23.6円から2005年には3.71円に下落、「記録媒体がたくさん売れても、補償金の額は減るというねじれ問題が生じている」。

 藤原氏は、「補償金制度は、2007年度中に抜本的な見直しが行なわれる予定で、今年が正念場。専用機でなければ課金できないということでいいのか、支払い義務者をユーザー負担というかたちで維持すべきか、補償金を廃止する代わりにDRMが強化され、私的録音が制限されてもいいのかなど、デジタル録音の実態を見据えた議論が必要」と呼びかけた。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07062817/007.htm
「文化審議会 著作権分科会 私的録音録画小委員会(第6回)
 議事録・配付資料 [資料8]」
(文部科学省)
※ 椎名委員による意見書。


(2)録音録画機器・記録媒体の提供という行為に着目した制度設計について

[1] 対象機器・記録媒体の範囲について
 対象機器・記録媒体の範囲については負担の公平性の観点から、私的録音録画に供されている機器・記録媒体すべてを対象とするべきであると考えます。その場合、私的録音録画に関与する割合に応じて補償金の額を決定する必要が生じますが、その点については、補償金の額の決定方法のところで述べます。
 またパソコンについては改めて論点の整理検討が必要だとする場合も、私的録音への関与度が高く、すでに他の国々でも対象となっているデータ用CD−R/RWについては、最低限制度の対象に加える必要があると考えます。

(中略)

[3] 補償金の支払い義務者
 補償金の支払い義務者については、私的録音録画により利益を得るもの、すなわち利用者および製造業者等とすることが適当であると考えますが、返還制度の問題等、事務局が指摘した点を考慮した場合、製造事業者等とすることがもっとも現実的であると考えます。

 実際問題として、現時点において汎用機器・記録媒体への課金を決定することは(著作権法の改定を要するということ以外にも)問題点を幾つか挙げることができます。
 まず2年前に法制問題小委員会で指摘された問題点(当時の報告書参照)を何ら解決していないということ。すなわち分配の不透明性、返還制度の機能不全、制度の周知不徹底、共通目的基金のあり方等です。法制小委では、これらの問題を検討することなしに課金対象を拡大することは適切でないとされました。これを受けて開催されているのが私的録音録画小委員会(その議題は「私的録音録画補償金制度の根本見直し」)です。しかし先に指摘された問題点の殆どが私的録音録画小委で未だに検討されてはいません(一部の委員が意見書で触れているのみ)。
 次に、補償金制度というものがユーザーの理解とメーカーの協力とを必要とするものでありながら、補償金制度の変更を議論する時にユーザーとメーカーの納得を得られるような努力が一切為されていないということです。特に補償金制度そのものが権利者側とメーカー側とで妥協した末に創設されたという経緯があり、たとえば権利者が「メーカー悪者論」を棄てユーザーを支払い義務者としたこと、メーカーが補償金徴収に協力すること、補償金の対象をデジタルに限定すること──といった合意内容が覆されることは補償金制度の存続を危ぶませる要因になる(また最初から合意を探らないとならなくなる)のです。片方が合意内容を破棄しようとすれば、もう片方がその合意に基づく制度に従うことをやめるのは当然の成り行きでしょう(私に言わせれば、支払い義務者をメーカーにしろという主張は暴論でしかありません)。
 また、先の「納得」「妥協」「合意」と関係してくることですが、メーカー・ユーザー側が求める「そもそも論」に対して未だに一定の見解が出ていないのも問題です。私的複製機器が低廉化・普及化していくのは工業社会として当然の成り行きですが、こうした現在においてすら〈事業者にしか複製機器が存在しなかった〉頃の論理でもって法を説明しようとする奇妙さが省みられていません。どこまでの「そもそも論」に遡っていくのかには注意が必要ですが(30条の無かった世界──機械での私的複製が許されなかった時代を原則とするのか、著作権法が無かった時代を原則とするのかなんて話になりかねません)、当事者間で議論の前提を積み上げられないのなら やはり深いレベルでの「そもそも論」からやっていくべきだと言えるでしょう(きちんと「そもそも論」が積み上げられないのであれば、いっそのこと30条を廃止してしまって、社会の慣習というものを観察しては如何ですか。複製権絶対主義には平衡しないでしょうよ)。
 そして最大の問題点。汎用機器・記録媒体を買って、私的録音・録画を実際に行なっていないようなユーザーからも補償金を徴収してしまうという事態になります。一応は返還制度が用意されていますが、こんなものは現状 役に立ちません。だから かような不当な徴収が放置されたままになってしまう蓋然性が高い。そうなれば補償金制度自体が財産権侵害になってしまうおそれがあり、2年前の法制問題小委員会でも指摘・問題視されていたのでした(だからこの時は課金できないとする意見が大勢を占めていました──今だって状況は全く変わっていない)。
 ちなみに、法制問題小委員会で議論されていた当時の調査では4割強(2004年に 野村総研が調査し 2005年度 第3回会合で資料として公表された)、私的録音録画小委で使われた最新調査結果でも (2006年度 第6回会合で公表 ──PDF)ウェブ調査で2割5分、郵送調査では半分ほどのユーザーが、パソコンを私的録音・録画に使用していないと回答しています。これらの調査はパソコンで私的録音・録画したこと(経験)のある人を問うものですから、今時パソコンを複数台所有する人も少なくないこと、用途でパソコンを使い分けることが考えられ、私的録音・録画しないパソコンの数は先の調査よりも大きな割合で存在するのは間違いありません。

 現行制度の前提として、補償金の発生は〈他人の著作物を私的録音・録画する〉という行為に基づくものであり、負担すべきが私的録音・録画の行為者(すなわちエンドユーザー)であるのは明らかなのですね。上で指摘した問題点(特に「最大の問題点」とした、無関係のユーザーから「補償金」を徴収する事態)も こうした前提から論理的に導き出されるものです。
 ところが事務局や権利者側委員は、こうした前提を覆すことで汎用機器・記録媒体への補償金課金を強行しようとしています(おまけにメーカー側・ユーザー側委員が指摘する「そもそも論」の積み上げには全く応じようとしていません──なお制度創設前の十余年におよぶ議論を理由にこの要求を封じようとする向きも見られますが、当時の議論を丹念に調べていくと「そもそも論」を回避しているということが判ります。特に制度創設へゴーサインを出した著作権審議会第10小委員会では、「仮に」という留保付きの制度論をやるにとどまり報告書に書かれている以上の共通認識は積み上がっていなかったというのが厳然たる事実なのです)。
 上で引用したように、事務局・権利者側委員が以前からこの主張を繰り返してきていますし、加えてリンク既掲の報道記事から判断するに、第7回・第8回会合でもこの種の主張が展開されたのは確かです。

 この種の主張を、現行の補償金制度を前提とした議論で展開させる意義は全く見出せません。
 権利者側が前提を崩すのであれば、メーカーとの過去の合意も白紙に戻ったのと同じ、議論も過去の時点にまで戻して「そもそも論」を積み上げていくべきだと考えます。




■論理的な「補償金」制度が非論理的な「税」に変質する

 再度、私的録音録画補償金制度の趣旨を考えてみましょうか。
〈他人の著作物を私的録音・録画する〉という行為について補償金を要するというのは、当該私的録音・録画行為についてコピーされたコンテンツの権利者に経済的不利益が存在するとの考えに基づくものです。もっともユーザー側からすればこの前提自体に疑義のあるところではありますがね。
 この前提を踏襲するかぎりにおいては、現行の補償金制度は割と論理的に設計されています(運用が設計通りに行ってるのかは置いておきます──それは運用を改善すべき話であって、設計が悪い証拠とは限りませんから)。すなわち補償を必要とする著作物を私的録音・録画しなければ(たとえばパブリックドメインや自作の著作物、風景や行事などを記録する等)には補償金管理協会から支払い済み補償金を返還してもらえることとされています(運用上の問題としては、返還される補償金に比して手続き上のコストが異常にかかることが挙げられます。実質機能してないんですね)。
 で、これを事務局や権利者側委員の言うとおりに変更してしまうと どうなるでしょうか。

 まず前提として、私的録音・録画しないユーザーの買った機器・記録媒体にも課金されることになりますよね。支払い義務者をメーカーにすることで〈録音録画機器・記録媒体を売ること自体に賦課金がかかる〉制度になるということです。
 支払い義務者がメーカーなら、ユーザーには返還制度を利用する権利が与えられません。だから私的録音・録画しないユーザーであっても、賦課金が徴収されたら されっ放しです。用途に関係なく録音録画機器・記録媒体に課金されているのです。つまり価格に転嫁された賦課金を払わされるユーザーにとっては〈録音録画機器・記録媒体を所有すること自体に賦課金がかかる〉のと同じです。
 私的録音・録画に使われない機器・記録媒体にも賦課金が掛っているわけですから、分配先の決定について実態をより反映しないものになります。そりゃそうですよね、私的録音・録画されない場合に誰に分配するんだということですから。もともと現行補償金でも分配の仕方がラフに過ぎるというのに、分配する先を決定する手がかりのない賦課金(一部)ですから、実質的に権利管理団体が恣意的に分配してるのと同じことです(分配の仕方は団体が決めてるわけでね)。

 これは「補償金」制度の変質を意味します。
 今まではユーザーを支払い義務者とし〈他人の著作物を私的録音・録画する〉行為に課金していたものが、メーカーを支払い義務者とし〈他人の著作物を私的録音・録画しようがしまいが〉課金するという制度になってしまうわけです。
 もっとぶっちゃけて言えば、〈私的録音・録画が可能な機器・記録媒体を購入した者は、それを私的録音・録画に使用するか否かにかかわらず、著作権者・著作隣接権者の団体へ金銭を支払うことを強制される〉という制度ですね。私的録音・録画しないということは、権利者への支払いですらないのですから。権利管理団体がまんまと金をせしめて、あと“権利者”の間で“山分け”する構図。
 再度強調しておきます。この分配、私的録音・録画の実態とは全く関係なくなるんですよ。

※もし同時に、たとえば適法配信で入手したコンテンツを私的録音・録画することが30条の対象外とされた場合、こうした録音・録画をした場合でも本来は「補償」の必要が無いのに徴収されてしまいます(なおユーザーは返還制度を利用できない)。はっきり言って、この30条外しが「二重課金」の解消とならないばかりか、それを確実にするという意味でより悪質な制度改悪であると断言します。

 うちのブログでも先日、コピーワンス“緩和”と補償金制度とを関連づけた権利者側アピールを採り上げたところなのですが、上のような制度改悪の主張も同時に行なわれていることに注意が必要なのです。第8回会合を伝える報道を見ても判りますが、彼らはやる気ですよ。
 こうした補償金制度の改悪は、「私的録音録画補償金」の名を借りた 「iPod 税」「パソコン税」の創設に他なりません。しかもこの「税」が我々国民のために使われるというのならともかく、「権利者」を自称する中間搾取団体に配られるだけなのです(そこに私的録音・録画の実態など反映されよう筈もありません)。このような集金構造を著作権法で創設することにどんな正当性があるというのでしょうか。
 ──そして彼らは「そもそも論」に立ち返って説明しようとすらしない。

 誰のための制度を、誰の理解を得て、いかなる正当性で運用していくのか。
 補償すべき私的録音・録画をしない iPod ・パソコンから賦課金を徴収し「不透明な分配」を自称「権利者」団体が行なうことにどんな正当性があるというのか。

 そして思わずにはいられません。
 社会が著作権法で保障すべき“著作権者等の利益”とはそのようなものなのか。
 そもそも著作権制度とはどうあるべきなのか。
 今の制度自体、まともなものなのか。

Posted by 暇人#9 踊る文化庁, 音楽と著作権 |

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