「ユーザー団体」設立 ──『CONTENT'S FUTURE』 ×ロージナ茶会=猫!?
発起人の方々のブログやソーシャルブックマークや各種ネットメディアで採りあげられているので御存知の方も多かろうとは思いますが、 「Movements for the Internet Active Users」 通称 MIAU (ミャウ)というユーザー団体が発足したそうでして。発起人として 11人 が名前を連ねていて、そのうちの津田大介・小寺信良・白田秀彰の三氏が記者会見に臨まれたとのこと。
このタイミングで、というのは文化審議会著作権分科会が行なっているパブリックコメント募集に合わせたというのが大きいようです。現に、当面の活動内容としてパブリックコメント対策も挙げられています。
津田大介さんと小寺信良さんは、著書 『CONTENT'S FUTURE』 関連イベントを始めとして随所でユーザー団体の必要性を訴えてきました。それが、同じように「インターネットの法と慣習」を標榜しユーザーの政治参加を提言してきた白田秀彰さんの主催するロージナ茶会と合流することで、電撃的に団体設立へと至ったようです。
公式サイトも既に稼働しており、設立に関したさまざまな情報が発信されています。まぁ各種報道を読む前に、こうした一時資料に当たることをまずはオススメします。そして、公式サイトでは参照できない部分を報道で補足するつもりでいるのが丁度いいのではないかと思います(まぁ既に設立発表会の模様は動画配信されていますので隙が少ないとも考えられますが)。
http://miau.jp/
「公式サイト」
(MIAU)
http://miau.jp/1192544100.phtml
「組織概要」
(MIAU)
http://miau.jp/1192633202.phtml
「設立趣意書」
(MIAU)
http://miau.jp/1192676340.phtml
「発起人一覧」
(MIAU)
http://miau.jp/1192708800.phtml
「MIAU 設立発表会講演録(1)」
(MIAU)
なお「講演録(1)」は白田秀彰さん(と言うか、法政大学准教授ですから「白田先生」の方が私にはしっくり来るのでそう表記することにします)が設立発表会で講演したものの原稿です(だと思います)。これを読みながら映像もチェックするとより理解が深まるでしょう。
「設立主意書」は白田先生の手によるもので、「講演録」と合わせてぜひお読み頂きたい内容。実は余力のある方には、 Think C サイトにある「ほんとうの知的財産戦略について」 (PDF 版もあります──っていうか、これがオリジナル)もお読みいただきたいんです。知的財産法からどうしてこうした団体設立へと至るのかがよく理解できる筈です(この理解を得る究極の助けは白田先生の著書『インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門』だとも思うのですが‥‥さすがにそこまでは深追いせず先に進みます)。
上記の文書で基本事項を押さえれば、報道記事に当たっても誤解する余地なくスムーズに理解できると思います。どうしても記事ってやつは舌足らずになっちまいますからね。
http://ascii.jp/elem/000/000/076/76432/
「『みゃっうみゃうに盛り上げたい』──インターネット先進ユーザーの会が発足」
(ASCII.jp)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/18/17236.html
「ダウンロード違法化に反対」新団体MIAU設立で協力呼びかけ
(INTERNET Watch)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/18/news093.html
「ネットユーザー団体 『MIAU』 設立 まず『ダウンロード違法化』反対へ」
(ITmedia News)
■ネットでの一部の反応を見て
はてなブックマークや個人ブログの反応をチラチラ見た感じでは、若干ネガティブなものも散見されたりします。曰く、この団体が本当にネットユーザーの代表たり得るのか、団体の日本語名が「インターネット先進ユーザーの会」とされているけれども「先進」ってどーよ、「みゃう」って何で猫やねん、とかとか。
まぁ私的には〈今の MIAU で良いじゃん〉ってのが基本スタンスなんですけど。
まず団体というものについては、これがネットユーザー団体として唯一のものである必要性など無いわけですし、あくまでも団体の結成は手段でしかないわけですよ(唯一の団体を作ることが目的ではない)。ユーザーが声を挙げていくための触媒になりさえすれば当初の目的を果たしていると言ってもいい。その先も勿論 目指しているとは思いますがね。
ネットユーザーを代表し得るのか、また意見を集約することが可能なのかについては白田先生が発表会見でズバリ発言されています(下記引用は ITmedia 記事から。リンク既掲)。
「ネット全体を代表するような統一的な組織にするつもりはない。異なる意見を持つ人や、著作権法以外の分野が得意な人がいれば、別の組織を作って主張してほしい。こういった組織がたくさんできるといい」(白田准教授)
次に「インターネット先進ユーザーの会」の解釈。まぁ正式な名称は 「Movements for the Internet Active Users」 の方ですから、あんまり「先進」にこだわってチクチクやるのもどうかと自分では思うのですが。
「Active Users」 をどう訳すかというのがまず先に立ちますか。私は英語が苦手なので間違い等あったら指摘いただきたいのですが、 「Active Users」 の語感からすると「実動ユーザー」が比較的近い気がします。また 「Active」 の語に活動的なイメージを託したいのであれば「行動するユーザー」という語の充て方もできます。
「先進」の語に対する違和感というのは、おそらく「進歩的」とされるもの(言論とか)を連想させることによるものではないかと思われます。変に「選民意識」がどうのとかいう反応もあったりしますしね。しかしそれは考えすぎってもので、先の「進歩的」とされる思想や言論はその時代の流れの中でむしろ保守性が顕在化していたり、あるいは「プログレッシブ」と呼ばれるロック音楽の「先進」性などもはや誰も信じていなかったりしている(その時代その時代で「先進」だとされるものは存在し得ますが、時代を超えて「先進」であるものを想定するのはちと難しいですよね)現在、そこまで過剰に反応すべき言葉なのか疑問だったりします。
まぁ「前進するユーザー」的な意味合いにも取れないかなぁと思ったり。津田さんは「前衛」って選択肢も後出ししていますね。あ、はてブでは「先進」についてもコメントも。
英語名と日本語名で意味に食い違いがあるのはどうだという指摘もできなくはありませんが、むしろ私などは名称の意味づけに幅を持たせている点で評価しています。
なお団体名に込めた理想を、発起人の一人である崎山伸夫さんがブログで解説されています。これも合わせてお読みいただければ。
http://blog.sakichan.org/ja/2007/10/18/miau_startup_and_rfc3271
「MIAU設立: インターネットを(未来の)みんなのものにするために」
(崎山伸夫のBlog)
残る疑問は、〈な、何故に猫!?〉ってことなんですが──
■ミャウ、と月を背に駈ける
公式サイトにはロゴとともにイラストも掲げられていまして、まぁこれが猫なんですわね。だから私もサイトを見ての第一印象が〈な、何故に猫!?〉だったりするんですけど。いや猫の写真を“肖像”に使ってる私が指摘する筋合いのことでもありませんわ(笑)。
MIAU (ミャウ)の略称ありきで そこから団体名やイメージを発展させていったっぽいのですが(発起人のひとりである id:inflorescencia さんの話)、最終的には猫のロゴマークを使っているわけですから いずれはその説明なんかもしてもらえると面白いかも知れませんね。もっともな説明ができるのか腕の見せ所。なぁに、ドラえもんの耳がどうして無いのかとか、有名だけど実は後付でできた設定なんていくらでも存在するんですから。
ちなみに私は、 MIAU が猫のイメージを使っていることを支持しています。自分なりの解釈が見つかっているからなんです。団体の志からすれば猫ってぴったりじゃん、と。
こんな感じ──
「ネコは自由の象徴。
ネコは確固たる自我の象徴。
ネコは柔軟性の象徴。
物腰は柔らかだが
相手に一線を越えさせない。
猫撫で声を出していても
鋭い爪を隠し持っている。
共生を志向するが
従属を選択しない。」
では、 MIAU の発展を祈り、また自分の最大限の協力を誓って。
Posted by 暇人#9 知財推進の弊害, 著作権の気になる話, 著作権保護期間延長反対, 音楽と著作権 | Permalink
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