2007年10月23日 (火)

「みゃう」っと、公式サイト探検。

http://miau.jp/
「MIAU : 公式サイト」

 話が前後してしまいますけど、 MIAU の公式サイトについて。
 開設以来、次々とコンテンツが増えていっています。中には内容がほぼ同じものが別形式で掲載されていたりするなど、正直 現場の慌ただしさを感じさせるところもあったりして(っていうか、読んでる私が混乱してるだけなんですが)。ともあれ、私自身のメモとしての意味合いもあり ここで現時点での内容をピックアップしておきます (2007年10月22日現在)。

※余談ですが、 MIAU の表記って結構悩み所だったりしません? ロゴを見ると 「MiAU」 ってあるんですよね。しかし公式サイトの文章内では 「MIAU」。 ロゴの方はデザイン上の判断でこうしたと割り切って、プレスリリースや公式サイトで使われている 「MIAU」 の方で私は表記したいと思いますが。

http://miau.jp/1193041200.phtml
「MIAU設立発表会アーカイブ (2007年10月18日)」
(MIAU)

 MIAU についての説明としては、設立発表会に関する上記ページが究極のものと言えるでしょう。講演資料・発表会映像・その他資料へのリンクが用意されています。
 講演資料の方は、「組織概要及び活動方針説明」PDF・ 「インターネット時代の政治参加について」 HTML・ 「ネットユーザーとデジタルコンテンツ、未来への課題」 PDF ──の3つ。最初の「組織概要〜」は記者発表で津田大介さんがスクリーンに映して説明していた資料(なお組織概要自体は公式サイトにもまとめられいますのでそちらも参照のこと)、「インターネット時代の〜」は白田秀彰先生が講演した内容(これは「アーカイブ」掲載の前から公式サイトに上げられていました──リンク先自体がそのページです)、「ネットユーザーと〜」は小寺信良さんが講演した内容かと思われます(最後の小寺さんのだけはまだ読めないんですね‥‥どういうわけかパスワードを要求されてしまいまして)。

※この記事を上げた後に、上記小寺さんの PDF がダウンロード可能になりました。講演の際にスクリーンに映されていた資料でした。(この段落のみ追記 2007.10.23。)

 記者会見の模様が YouTube に掲載されていて、そこへのリンクも張られています。これがオフィシャルの映像、ということになりますね。わざわざ「オフィシャルの」と私が呼称してるのは、実は発表会へ出席された方で映像をアップされた方もいらっしゃるからなんですね(最初の映像がこれ。あとは順番に辿ってください)。私は今のところ公式版だけを見ていて、非公式版は未見。公式版に映っていないものがあるか楽しみに見るつもりではありますけれども。

 次に「その他資料」。
 まず「設立主意書」 PDFHTML 版もあります)。公式サイトでは先に「設立趣旨」が掲載されていましたが、これは「設立主意書」から抜粋したもののようですね。まだお読みになっていない方は「設立主意書」の方だけを読めばOK。
 「発起人一覧」も公表されました。実は後で述べるプレスリリースにも発起人 11名 の名前が書かれているのですが、とりあえず HTML で読む場合にはこちらで。
 「講演者プロフィール」 PDF は、発表会に登壇された方のうち津田さん・白田先生・小寺さんの御三方のプロフィールがまとめられています。
 「プレスリリース」 PDF では、設立発表会の案内として「組織の目的」「組織概要」「設立発表会概要」「発起人」そして問い合わせ先が掲載されています(余談ですが、 MIAU の事務局は津田さんの会社・ネオローグの中に設けられているようですね。なるほど)。なお発表会に先立ち、公式サイトでも発表会の案内が掲載されていました。

 「アーカイブ」とは少し離れるのですが、設立発表会に関連して「設立発表会の報道・報告リンク」も紹介しておきます。各ネットメディアでの報道、また発表会に参加されたブロガーさんの記事がリンクされています。




■その他のページ

 上記「アーカイブ」の他のコンテンツについても紹介しておきます。新しいのから順番に遡る形で──

 「賛同人・賛同組織一覧」。読んで字のごとくです。池田信夫氏・竹熊健太郎氏・田中辰雄氏・山形浩生氏そしてロージナ茶会の名が今のところ列記されています。今後も増えていく形なんでしょうね。

 「メールマガジン登録開始のお知らせ」。明日23日からメールマガジンが発行される予定とのことです。購読登録フォームが用意されています。なお MIAU のプライバシーポリシーについてはこちらを参照のこと。

 「翻訳プロジェクト協力のお願い」。 MIAU の活動を国内だけでなく海外とも連携させていくために、英語での情報発信も予定されているとのことです。そのために協力者を募集しています。さらなる詳細については、発起人・八田真行さんのこちらのブログ記事を参照のこと。

 現時点ではこんな感じですね。

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「ユーザー団体」設立 ──『CONTENT'S FUTURE』 ×ロージナ茶会=猫!?

 発起人の方々のブログやソーシャルブックマークや各種ネットメディアで採りあげられているので御存知の方も多かろうとは思いますが、 「Movements for the Internet Active Users」 通称 MIAU (ミャウ)というユーザー団体が発足したそうでして。発起人として 11人 が名前を連ねていて、そのうちの津田大介・小寺信良・白田秀彰の三氏が記者会見に臨まれたとのこと。
 このタイミングで、というのは文化審議会著作権分科会が行なっているパブリックコメント募集に合わせたというのが大きいようです。現に、当面の活動内容としてパブリックコメント対策も挙げられています。

 津田大介さんと小寺信良さんは、著書 『CONTENT'S FUTURE』 関連イベントを始めとして随所でユーザー団体の必要性を訴えてきました。それが、同じように「インターネットの法と慣習」を標榜しユーザーの政治参加を提言してきた白田秀彰さんの主催するロージナ茶会と合流することで、電撃的に団体設立へと至ったようです。
 公式サイトも既に稼働しており、設立に関したさまざまな情報が発信されています。まぁ各種報道を読む前に、こうした一時資料に当たることをまずはオススメします。そして、公式サイトでは参照できない部分を報道で補足するつもりでいるのが丁度いいのではないかと思います(まぁ既に設立発表会の模様は動画配信されていますので隙が少ないとも考えられますが)。

http://miau.jp/
「公式サイト」
(MIAU)

http://miau.jp/1192544100.phtml
「組織概要」
(MIAU)

http://miau.jp/1192633202.phtml
「設立趣意書」
(MIAU)

http://miau.jp/1192676340.phtml
「発起人一覧」
(MIAU)

http://miau.jp/1192708800.phtml
「MIAU 設立発表会講演録(1)」
(MIAU)

 なお「講演録(1)」は白田秀彰さん(と言うか、法政大学准教授ですから「白田先生」の方が私にはしっくり来るのでそう表記することにします)が設立発表会で講演したものの原稿です(だと思います)。これを読みながら映像もチェックするとより理解が深まるでしょう。
 「設立主意書」は白田先生の手によるもので、「講演録」と合わせてぜひお読み頂きたい内容。実は余力のある方には、 Think C サイトにある「ほんとうの知的財産戦略について」 (PDF 版もあります──っていうか、これがオリジナル)もお読みいただきたいんです。知的財産法からどうしてこうした団体設立へと至るのかがよく理解できる筈です(この理解を得る究極の助けは白田先生の著書『インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門』だとも思うのですが‥‥さすがにそこまでは深追いせず先に進みます)。
 上記の文書で基本事項を押さえれば、報道記事に当たっても誤解する余地なくスムーズに理解できると思います。どうしても記事ってやつは舌足らずになっちまいますからね。

http://ascii.jp/elem/000/000/076/76432/
「『みゃっうみゃうに盛り上げたい』──インターネット先進ユーザーの会が発足」
(ASCII.jp)

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/18/17236.html
「ダウンロード違法化に反対」新団体MIAU設立で協力呼びかけ
(INTERNET Watch)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/18/news093.html
「ネットユーザー団体 『MIAU』 設立 まず『ダウンロード違法化』反対へ」
(ITmedia News)




■ネットでの一部の反応を見て

 はてなブックマークや個人ブログの反応をチラチラ見た感じでは、若干ネガティブなものも散見されたりします。曰く、この団体が本当にネットユーザーの代表たり得るのか、団体の日本語名が「インターネット先進ユーザーの会」とされているけれども「先進」ってどーよ、「みゃう」って何で猫やねん、とかとか。
 まぁ私的には〈今の MIAU で良いじゃん〉ってのが基本スタンスなんですけど。

 まず団体というものについては、これがネットユーザー団体として唯一のものである必要性など無いわけですし、あくまでも団体の結成は手段でしかないわけですよ(唯一の団体を作ることが目的ではない)。ユーザーが声を挙げていくための触媒になりさえすれば当初の目的を果たしていると言ってもいい。その先も勿論 目指しているとは思いますがね。
 ネットユーザーを代表し得るのか、また意見を集約することが可能なのかについては白田先生が発表会見でズバリ発言されています(下記引用は ITmedia 記事から。リンク既掲)。

「ネット全体を代表するような統一的な組織にするつもりはない。異なる意見を持つ人や、著作権法以外の分野が得意な人がいれば、別の組織を作って主張してほしい。こういった組織がたくさんできるといい」(白田准教授)

 次に「インターネット先進ユーザーの会」の解釈。まぁ正式な名称は 「Movements for the Internet Active Users」 の方ですから、あんまり「先進」にこだわってチクチクやるのもどうかと自分では思うのですが。
 「Active Users」 をどう訳すかというのがまず先に立ちますか。私は英語が苦手なので間違い等あったら指摘いただきたいのですが、 「Active Users」 の語感からすると「実動ユーザー」が比較的近い気がします。また 「Active」 の語に活動的なイメージを託したいのであれば「行動するユーザー」という語の充て方もできます。
 「先進」の語に対する違和感というのは、おそらく「進歩的」とされるもの(言論とか)を連想させることによるものではないかと思われます。変に「選民意識」がどうのとかいう反応もあったりしますしね。しかしそれは考えすぎってもので、先の「進歩的」とされる思想や言論はその時代の流れの中でむしろ保守性が顕在化していたり、あるいは「プログレッシブ」と呼ばれるロック音楽の「先進」性などもはや誰も信じていなかったりしている(その時代その時代で「先進」だとされるものは存在し得ますが、時代を超えて「先進」であるものを想定するのはちと難しいですよね)現在、そこまで過剰に反応すべき言葉なのか疑問だったりします。
 まぁ「前進するユーザー」的な意味合いにも取れないかなぁと思ったり。津田さんは「前衛」って選択肢も後出ししていますね。あ、はてブでは「先進」についてもコメントも
 英語名と日本語名で意味に食い違いがあるのはどうだという指摘もできなくはありませんが、むしろ私などは名称の意味づけに幅を持たせている点で評価しています。

 なお団体名に込めた理想を、発起人の一人である崎山伸夫さんがブログで解説されています。これも合わせてお読みいただければ。



http://blog.sakichan.org/ja/2007/10/18/miau_startup_and_rfc3271

「MIAU設立: インターネットを(未来の)みんなのものにするために」

(崎山伸夫のBlog)

 残る疑問は、〈な、何故に猫!?〉ってことなんですが──




■ミャウ、と月を背に駈ける

 公式サイトにはロゴとともにイラストも掲げられていまして、まぁこれが猫なんですわね。だから私もサイトを見ての第一印象が〈な、何故に猫!?〉だったりするんですけど。いや猫の写真を“肖像”に使ってる私が指摘する筋合いのことでもありませんわ(笑)。
 MIAU (ミャウ)の略称ありきで そこから団体名やイメージを発展させていったっぽいのですが(発起人のひとりである id:inflorescencia さんの話)、最終的には猫のロゴマークを使っているわけですから いずれはその説明なんかもしてもらえると面白いかも知れませんね。もっともな説明ができるのか腕の見せ所。なぁに、ドラえもんの耳がどうして無いのかとか、有名だけど実は後付でできた設定なんていくらでも存在するんですから。

 ちなみに私は、 MIAU が猫のイメージを使っていることを支持しています。自分なりの解釈が見つかっているからなんです。団体の志からすれば猫ってぴったりじゃん、と。
 こんな感じ──

「ネコは自由の象徴。
 ネコは確固たる自我の象徴。
 ネコは柔軟性の象徴。

 物腰は柔らかだが
 相手に一線を越えさせない。
 猫撫で声を出していても
 鋭い爪を隠し持っている。
 共生を志向するが
 従属を選択しない。」

 では、 MIAU の発展を祈り、また自分の最大限の協力を誓って。

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2007年7月 9日 (月)

文化審議会著作権分科会の各小委員会議事公表状況 (2007.7.9 現在)

 私的録音録画小委では「そもそも論」をすっ飛ばしたままで、事務局が補償金制度維持・課金拡大」ありきの「たたき台」を持ち込んだことから更に紛糾しております。この議事進行自体に問題があるので、今こそ声を挙げないでいつ上げるのだ(→ エンドユーザー)と思うのですが、いまいち盛り上がりに欠けているのが正直なところ。


【法制問題小委員会】

主な議題:
(1)デジタルコンテンツの特質に応じた制度の在り方について
 ・著作権や著作者人格権等の放棄や不行使について
 ・コンテンツの登録を求める新たな制度について
  (コンテンツ管理者の一元化、登録内容への信頼の保護など)
 ・より簡易な強制許諾制度や利用許諾の推定等について
 ・フェアユース規定や改変の許容等の新たな権利制限規定について
 ・利用条件調整のための仲裁・裁定機関、不正行為の監視機関について
(2)海賊版の拡大防止のための法的措置の在り方について
   ・海賊版広告行為(広告規制)
   ・著作権法における親告罪(非親告罪化)

第1回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07032007.htm

第2回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07042304.htm

第3回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07051514.htm

第4回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07061121.htm
参考:http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-81.html

第5回: 6月29日開催(なぜか報道なし)

第6回: 7月19日予定
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07070514.htm


【私的録音録画小委員会】

主な議題:
(1)私的複製の範囲外とすべき複製態様について
 ・海賊版からの私的録音・録画
 ・違法配信からのダウンロード
(2)私的録音・録画にかかる補償の必要性
(3)私的録音録画補償金制度の在り方

事務局による「たたき台」:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07061916/001.htm
http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2007/06/post_f335.html


第1回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07042409.htm

第2回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07042414.htm

第3回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07051108.htm

第4回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07060102.htm

第5回: 配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07061916.htm
※参考:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/18/16070.html
※参考:http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-82.html

第6回: 6月27日開催
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07061903.htm
※参考:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/28/16180.html
※参考:http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-85.html

第7回: 7月11日予定
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07062808.htm


【過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会】

主な議題:
(1)過去の著作物等の利用の円滑化方策について
 ・権利者不明の場合等の著作物の利用の円滑化方策について
 ・その他
(2)アーカイブへの著作物等の収集・保存と利用の円滑化方策について
 ・図書館・博物館・放送事業者等において
  アーカイブ事業を円滑に行なうための方策について
(3)保護期間の在り方について
 ・保護期間の延長について
 ・戦時加算の取扱いについて
(4)意思表示システムについて
 ・クリエイティブコモンズ、自由利用マーク等の利用に伴う
  法的課題等について

第1回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07040204.htm

第2回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07050102.htm

第3回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07051627.htm

第4回: 配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07062637.htm
参考:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/26/16164.html
参考:http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-84.html

第5回: 7月9日予定
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07062517.htm

第6回: 7月27日予定
第7回: 8月22日予定
(審議の経過を著作権分科会に報告:9月)
※第4回会合の資料4より。なお意見募集については記載されず。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07062637/004.htm

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2007年6月12日 (火)

文化審議会著作権分科会の各小委員会議事公表状況 (2007.6.11 現在)

 知的財産推進計画 2007 には、パブリックコメントとして多くの反対意見や慎重意見が寄せられていたにもかかわらず、著作権法上の罰則を非親告罪化するという項目が盛り込まれています。これ、「計画」にとどまるものではなく文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会において既に議論が始められています。
 法制小委では、第1回会合で複数の委員からも懸念が示されているところで、非親告罪化が問題を生じないかのような言説が如何に的外れなものかの証明となります(非親告罪化が著作権等侵害全般に及ぶ場合の予測不可能性は尋常ならざるものがあります。「海賊版」のマジックワードで安心してしまっている人たちに注意したいのは、あれが著作権等侵害物品全般を指す言葉だということ。言ってみれば「二次創作」の同人誌だって「海賊版」の一種です)。
 一方で、非親告罪化の害を告発するブログ記事に“釣られ”て燃え上がった人たちも、今では沈静化してしまったきらいが無きにしもあらず。これがニュースを消費するだけの一時的感情に終わるのか、あるいは問題意識が残され今後の議論に一石を投じることとなるのか、試されていたところだったのですが結果どうだったでしょうか? 知的財産戦略本部(知的創造サイクル専門調査会)の議事録を掘るところまでは行けても、その後の知的財産推進計画 2007や法制小委まで目が行き届かなければ殆ど無意味なのですがね。
 今のところ、非親告罪化の問題点が次々と提示されている状況にはあります。ネットで話題になった日弁連の意見書も、法制小委では「参考資料」として扱われています。しかし だからといってこれで安心だというわけではなく、問題はこうした論点の提示からどう結論が導き出されていくかという点にあります。
 議論の過程とはかけ離れた結論へ繋ごうとするのが文化庁著作権課のやりかたです(「結論ありき」と「アップル」から非難された体質は確かに存在します)。商業用レコードの還流防止措置(いわゆる「レコード輸入権」)や、地上デジタル放送のIPマルチキャスト同時再送信にかかる権利制限、そして「海賊版」や「違法」配信からの私的複製の禁止化(こちらは検討中項目)など、ここ一番での強引な議事進行例はいくらでもあります。
 要は、この問題にケリが付くのは、非親告罪化の必要性なしと結論される時か、実施されたとしても弊害が少ない形で著作権法改定法案が国会で成立した時なのです。それまでの長い間、油断は禁物です。

 法制小委では、非親告罪化の他に「海賊版」広告規制についても議論されています。また私的録音録画小委では「海賊版」コピーや「違法」配信ダウンロードの違法化が議論されています。そして保護利用小委では保護期間延長について議論されています。これらの制度改定が非親告罪化と同時に実現されてしまったとしたら、それぞれが単独で実現してしまうよりも更に大きな害悪となります(その制度改定が目的とする規制よりも遙かに大きい、適法行為を萎縮させてしまうような副作用を生じさせることとなります)。それはエンドユーザーの行動範囲や選択肢を直接狭めていくことであり、そのエンドユーザーが未来のクリエイターとなる機会を縮小していくことであり、回り回って「コンテンツを作る立場の人間をゆっくりと殺していく」規制となります。
 どこまでの規制ならば容認でき、また社会通念上確保されるべき自由を保障するために どこからの規制が許されないのか。それぞれの重要議題について慎重に検討・注視していく必要があるわけです。
 危機は現実に、かつ確実に進行しています。


【法制問題小委員会】

主な議題:
(1)デジタルコンテンツの特質に応じた制度の在り方について
 ・著作権や著作者人格権等の放棄や不行使について
 ・コンテンツの登録を求める新たな制度について
  (コンテンツ管理者の一元化、登録内容への信頼の保護など)
 ・より簡易な強制許諾制度や利用許諾の推定等について
 ・フェアユース規定や改変の許容等の新たな権利制限規定について
 ・利用条件調整のための仲裁・裁定機関、不正行為の監視機関について
(2)海賊版の拡大防止のための法的措置の在り方について
   ・海賊版広告行為(広告規制)
   ・著作権法における親告罪(非親告罪化)

第1回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07032007.htm

第2回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07042304.htm

第3回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07051514.htm

第4回:6月7日に開催(どういうわけか報道なし)。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07052507.htm


【私的録音録画小委員会】

主な議題:
(1)私的複製の範囲外とすべき複製態様について
 ・海賊版からの私的録音・録画
 ・違法配信からのダウンロード
(2)私的録音・録画にかかる補償の必要性
(3)私的録音録画補償金制度の在り方

第1回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07042409.htm

第2回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07042414.htm

第3回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07051108.htm

第4回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07060102.htm

第5回: 6月15日予定
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07060406.htm


【過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会】

主な議題:
(1)過去の著作物等の利用の円滑化方策について
 ・権利者不明の場合等の著作物の利用の円滑化方策について
 ・その他
(2)アーカイブへの著作物等の収集・保存と利用の円滑化方策について
 ・図書館・博物館・放送事業者等において
  アーカイブ事業を円滑に行なうための方策について
(3)保護期間の在り方について
 ・保護期間の延長について
 ・戦時加算の取扱いについて
(4)意思表示システムについて
 ・クリエイティブコモンズ、自由利用マーク等の利用に伴う
  法的課題等について

第1回:配付資料および議事録が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07040204.htm

第2回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07050102.htm

第3回:配付資料が公表済み
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07051627.htm

第4回: 6月13日予定
第5回: 7月4日予定
第6回: 7月27日予定
第7回: 8月22日予定
(審議の経過を著作権分科会に報告:9月)
※第3回会合の参考資料3より。なお意見募集については記載されず。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07051627/017.htm

-----------------------------------

■おまけ

平成18年度 (2006年度)

【私的録音録画小委員会】
第1回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06042808.htm

第2回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06051709.htm

第3回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06062806.htm

第4回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06072718.htm

第5回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06092504.htm

第6回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06101802.htm

第7回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06111523.htm

第8回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/06122108.htm

「平成18年度著作権分科会私的録音録画小委員会の検討状況について」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/010/07012909/002.htm

【法制問題小委員会】

第1回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06040306.htm

第2回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06041006.htm

第3回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06042809.htm

第4回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06053005.htm

第5回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06060713.htm

第6回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06073103.htm

第7回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06082111.htm

第8回:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06121110.htm

「文化審議会 著作権分科会(IPマルチキャスト放送及び罰則・取締り関係)報告書」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/06083002.htm

「文化審議会 著作権分科会報告書」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/07020702.htm

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2007年6月 8日 (金)

「知的財産推進計画 2007」で私が個人的に注目した項目

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2007/06/2007_742e.html
「知的財産推進計画 2007 からピックアップ」
(試される。(ココログ mix))

 別ブログで、「知的財産推進計画 2007」 の要注目項目を挙げてコメントを付けてみました(もっともこれらは策定前のパブコメに提出したものがベースになってますけど)。えらく長くなってしまいましたが、飛ばし読みでもしていただけると幸い。
 ここではそのダイジェスト版として、項目名だけ挙げておくことにします。

(P.5)
●「知的財産推進計画2007」の基本的考え方
(P.14)
●個人輸入等の取締りを強化する
●インターネットオークション上の模倣品・海賊版の取引を防止する
(P.19)
●デジタルコンテンツの流通を促進する法制度等を整備する
(P.20)
●違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
●権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
(P.21)
●ネット検索サービス等に係る課題を解決する
●アーカイブ化を促進し、その活用を図る
●インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
(P.60)
●模倣品・海賊版の税関での取締りを強化する
(P.61)
●差止申立てに係る手続を簡素化する
●インターネットオークション上の模倣品・海賊版の取引を防止する
(P.63)
●劇場内で無断撮影された映像の違法流通への対策を強化する
●著作権法における親告罪を見直す
(P.65)
●模倣品・海賊版に関する国民への啓発活動を強化する
(P.90)
●IPマルチキャスト放送へのコンテンツ流通を促進する
●違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
●権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
(P.91)
●私的録音録画補償金制度の見直しについて結論を得る
●権利者の利益と公共の利益に留意した権利制限規定を整備する
(P.93)
●権利の集中管理を進める
(P.94)
●利用とのバランスに留意しつつ適正な保護を行う国内制度を整備する
※間接侵害・法定賠償制度・保護期間延長・放送新条約
(P.95)
●ネット検索サービス等に係る課題を解決する
●アーカイブ化を促進し、その活用を図る
※絶版 入手困難著作物・ NHK アーカイブス・フィルムセンター・国立国会図書館
●インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
※意思表示システム・権利放棄
(P.96)
●音楽用CDにおける再販売価格維持制度について検証する
●安心してコンテンツを利用するための取組を奨励・支援する
(P.99)
●音楽レコードの還流防止措置制度を活用するとともに輸出を拡大する
(P.100)
●コンテンツ・ポータルサイトを支援する
(P.127)
●知的財産を含めた消費者教育を推進する
(付属資料 P.37)
●音楽レコードの還流防止措置等

 ──結構ありますね。
 その他にも重要と思われる項目が多々見られますから、まず知財推進計画の目次をざっと眺めることをお勧めします。

 最後に。
 私がこの種の問題に首を突っ込む直接的なきっかけとなった還流防止措置について、知財戦略本部の暢気な総括と私のツッコミを紹介して本エントリーを締めます。
 では。

※第4章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり
 (3)海外展開の促進

○2 音楽レコードの還流防止措置等
 2005年1月、改正著作権法が施行され、アジア諸国など物価水準の異なる国において許諾を受けて生産された商業用レコードが我が国に還流してくることを防止する措置(還流防止措置)が導入された。還流防止措置の成果として、2006年の1年間で551タイトルがアジア諸国にライセンスされた。なお、2006年に日本で発売された音楽レコードは約1万タイトルである。

▲ 2006年のデータにしか触れないという誤魔化し。
 「知的財産推進計画2006」によれば、2005年にアジア諸国へライセンスされたのは641タイトル。つまり減っているのである。ちなみに還流防止措置導入前の水準にも全く届かない。
 ちなみに税関に輸入差止申立てがなされたのは(税関での集計によると) 2005年が 85タイトル、 2006年が 169タイトル。
 還流防止措置が運用段階に入って2年半が経過しているが、この制度の趣旨である商業用レコードのアジア進出が促進されているのか否か、もはや明らかであろう。まして制度導入にともない日本レコード協会が約束したCD値下げも実現していない今、還流防止措置を続ける理由などどこにもない。

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2007年5月21日 (月)

保護利用小委のヒアリングとアンケート

 著作権の保護期間延長問題をふくむ数々の課題を審議するために設けられた、文化審議会 著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(以下「保護利用小委」と略します)は今までに第3回会合まで開催されたところです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07040204.htm
「文化審議会 著作権分科会
 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第1回)
 議事録」
(文部科学省)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07050102.htm
「文化審議会 著作権分科会
 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第2回)
 議事録・配付資料」
(文部科学省)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07051627.htm
「文化審議会 著作権分科会
 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第3回)
 議事録」
(文部科学省)

 これらの会合の内容は、上記文科省サイトにおいて第1回・第2回会合の配付資料が公表されています(議事録については いずれも未掲載)。第3回会合についてはページが作成されたにとどまっています。
 したがって配付資料ないし INTERNET Watch などの報道を参考に内容を探るしかありません。

 第1回での配付資料6「関係者ヒアリングについて(案)」 (PDF) にもあるように、第2回・第3回で各関係者からのヒアリングが行われました。対象となるのは「創作者団体・個人」「利用者」「アーカイブ関係者」「学識経験者」でした。第2回で15人、第3回で17人からの意見を聴取したとのことです。

 何について意見を聞くかというと、保護利用小委としての検討課題とされた (PDF) 「過去の著作物等の利用の円滑化方策について」「アーカイブへの著作物等の収集・保存と利用の円滑化方策について」「保護期間の在り方について」「意思表示システムについて」。発言者がそれぞれ意見の言いたいものを選ぶという形です(全てでも良いし、一部でも良い)。
 このうち現在配付資料を読むことができる(公式議事録ページに掲載された)のは第2回のものです。レジュメとして提出された資料が14あります。これを読んでいくのは結構大変だったりしますが、今後の議論を考えていくには避けては通れないものではないかとも思われます。

 さて。第2回会合の配付資料が公表されたのに伴って、 『Copy & Copyright Diary』 さんが「はてな」でアンケートを実施なさっています。答えるためには、先の配付資料すべてに目を通すことと、「はてな」のユーザーアカウントを持っていることが条件になりますが、両方を満たせる方は是非参加してみてください。
 発言者の言い分について、それぞれ賛同できるか否かを答える形となっています。

http://q.hatena.ne.jp/1179316258 (人力検索はてな)


現在、文化審議会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会において、関係者のヒアリングを行っています。4月27日に開催された第2回小委員会にて、1回目のヒアリングが行われました。

著作権の保護期間等を検討する小委員会、関係者ヒアリングを実施
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/04/27/15585.html
著作権保護期間の延長問題、関係各団体が文化審で意見表明:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070427/269849/

文化審議会のサイトでヒアリングの際の資料が公開されています。

文化審議会 著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第2回)議事録・配付資料‐文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07050102.htm

この資料に全て目を通してから回答してください。

 なお、いきなり配付資料に入るのは辛いという方は、まず INTERNET Watch の記事(上記引用部にリンクがあります)で概要を掴んでから読み始めるのも手です。




■第1回〜第3回にかかる報道から

 今期著作権分科会の各小委員会については、配付資料や会議録の公表が(いつもに増して)遅いという傾向が見られます。だから実際の開催から会議録の公表までの短くない期間、報道記事だけで追いかけねばならないというハンデがあります(どうしても小委員会の出席委員やその関係者、傍聴された方々の認識に追いつくことは難しい)。
 たとえば現時点では、前述しましたが、第1回から第3回のいずれについても会議録が掲載されていません。したがってその内容は報道記事と、第1回・第2回については配付資料から内容を推察するしかありません。

 第2回と第3回については(前述の通り)ヒアリングが実施されています。このヒアリングについては、報道記事で発言の概要を知り、配付資料で主旨を読み、議事録で全容を知るという流れになりましょう。
 現時点でも各発言内容について反応したいところはあるのですが、発言者としても いつもの主張をいつものように展開するのが主のようでして、それに対していちいち反応を繰り返すようなことは私もしません。皆さんがあれを読んで、どの発言に説得力があるのか冷静に判断していただければと思います。過度に情緒に流されず、一定の根拠を示し、論理的で説得力ある発言をしているのは誰なのか、と。

 ヒアリング内容以上に気になるのが、ヒアリング内容に対しての委員の対応です。しかしこれも議事録が公表されるまでの間は報道記事から拾うしかありません。第2回と第3回は開催時間の大部分をヒアリングに割いているそうで、委員意見が目立つのはむしろ第1回会合のようです(それだけに1日も早い議事録公表が望まれます)。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070330/267061/
「著作権の保護期間延長問題で初会合、早くも論戦」
(ITpro)



 今回の討論では、「もともと保護期間は50年で世界共通だった。それを乱してきたのは欧米諸国の方だ。日本として日本国民のために主体的な議論が必要だ」(金正勲委員)、「アイデアは著作権による保護の対象外で、現行法でも自由に利用できる。保護期間延長は文化の発展を阻害しない」(三田誠広委員)、「欧米が保護期間を延長したのは、政治的な背景など一定の理由がある。たとえば米国の保護期間延長時にどのような議論があり、延長の結果どうなったのかを分析すべき。『欧米に追随しないと恥ずかしい』では米国を利するだけ。日本は日本として、日本の経済的利益を考えるべき」(中山信弘委員)、「保護期間の延長問題を考える際に、第27条・第28条(に記載された翻案権など)を切り離すという考え方もある」(上野達弘委員)といった意見が出された。

 三田某委員の発言には触れる必要性を感じないとして、この議題について指摘されるべきところは指摘され尽くしている印象です。ただ報道記事だけでは、小委員会の全体としてのトーンは見えてきませんけれども。やはり議事録が公表されないとどうも。

 そうそう、上記で触れられている著作権法第27条と第28条については一応引用しておきましょうか。

(翻訳権、翻案権等)
第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

 要は、第27条で翻訳権・翻案権を、第28条では二次的著作物へ及ぶ原著作者の権利(いわゆる重畳的に権利が及ぶ旨)を規定しているわけです。ここを制限しつつ保護期間を延長すれば、国や言語を越えた翻訳や、後発の創作者が先人に学ぶ翻案などの表現、二次的著作物にかかる流通については(今まで以上の)規制とはならずに済むことが期待されます。
 もっとも、私がことあるごとに指摘している絶版・廃盤問題の解消には全く繋がりませんし、またパロディ・コラージュ・サンプリング・マッシュアップ等の表現が「複製権」によって禁止されてしまう事態も引き続き発生します。つまり保護期間延長によって発生する弊害はまだまだ大きいということ。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/03/30/15266.html
「著作物の保護期間延長などを審議、著作権分科会の小委員会が初会合」
(INTERNET Watch)



 ただし、著作権保護期間の延長問題については、早くも出席した委員から発言が相次いだ。保護期間の延長を求める作家の三田誠広氏は、著作権保護期間の延長とともに権利者データベースや裁定制度の整備を進め、利用の円滑化を図ることが重要と主張。一方、慶應義塾大学の金正勲助教授は、「著作権法は文化の発展に寄与することが目的とされている。著作者の権利保護や利用の円滑化は、あくまでもそのための手段。保護期間延長という手段が目的であるかのような議論は避けるべき」と意見を述べた。

 こうした保護期間延長の是非など、具体的な議論については第2回以降に実施する関係者ヒアリングなどを経た上で進めるとしたが、ヒアリングの対象者については権利者や事業者だけでなく、エンドユーザー側など幅広い意見を聞くべきとの意見が上がった。IT・音楽ジャーナリストの津田大介氏は、「この小委員会の参加者にはクリエイターや権利者側の人が多いが、そうした人も一方では著作物の利用者でもある。こうした議論には利用者側の意見があまり反映されないことが多いのが不満。インターネットの普及により、誰もが利用者であると同時にクリエイターにもなれる時代であることを意識して議論を進めてほしい」とした。

 なおエンドユーザー代表としては津田委員自身が第2回会合で発言なさいました。配付資料を見るかぎり、慎重に言葉を選びながらも かなり踏み込んだところまで触れた印象があります。「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」とはこれのことだなと思った次第。




■あえて繰り言はしません

 著作権保護期間延長問題に関する私の意見は以下の記事に書いてあります。とりあえず「日本文化は、なぜブームで終わるのか(趣旨説明)」(下記リンクの下から2番目)を読んで戴くと概要は解ると思います。

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2005/10/post_4e44.html
「著作権保護期間の安易な延長は文化の多様性を奪う」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2006/11/post_0690.html
「読売社説:著作権延長問題を全く理解できずに
 トンチンカンな高説をタれる大企業の痛い論理」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2006/11/post_b2c3.html
「著作権法についてしっかり考えていますか?」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2006/12/imagine__7e62.html
「Imagine: 『著作権マニア』さんの感覚的な話を聞いてみたい」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2006/12/post_329b.html
「国民会議シンポジウム後のチャットにて──」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2007/03/post_7db2.html
「日本文化は、なぜブームで終わるのか(趣旨説明)」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2007/04/post_50a9.html
「日本文化は、なぜブームで終わるのか。(ツッコミ編)」
(エンドユーザーの見た著作権)

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2007年4月16日 (月)

think C メールマガジン #06

 御紹介が遅れましたが、 4月10日付けで『著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム』のメールマガジン第6号が発行されました。

http://thinkcopyright.org/mailmagazine_006.html
「メールマガジン」
(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)

 今回の内容は次の通りです。

 ●文化審議会での議論がスタートしました
 ●「創造のサイクル」の事例募集
 ●前回公開トークを踏まえたネットアンケートの結果が
  『Copy & Copyright Diary』 上で発表されました。
 ●あらたに4名の方が、フォーラムの発起人に加わりました。
 ●知財戦略本部にパブリックコメントを提出
 ●延長問題をめぐる最近の記事・イベント
 ●新コーナー:著作権のお勧め本(末廣恒夫選)
 ●フォーラムの活動は、特定団体の金銭援助を受けず、
  すべてボランティアに支えられています。
 ●延長問題とは?

 ここから2、3ピックアップ。

 まず、「『創造のサイクル』の事例募集」。
 メールマガジンから当該部を引用します。

■「創造のサイクル」の事例募集

前回、発起人の田中辰雄さん、林紘一郎さん、太下義之さんなどの皆さんが、保護期間延長の経済効果を実証的に分析するための研究会を立ち上げた旨をご紹介しました。

フォーラムのHP掲示板では、「創造のサイクル」(ここでは、古い作品を下敷きに/翻案して、新しい作品が作られること)の事例を集めていましたが、このほど、田中・太下さんから、このHP上の情報を整理して上記研究のために資料としてまとめたいとの申し出がありました。
皆さん再創造の事例の収集へのご協力、よろしくお願いいたします。

書き込みはこちらへ: http://thinkcopyright.org/cycle/bbs.cgi

 ──よろしく御参加ください。

 次に「延長問題をめぐる最近の記事・イベント」から。
 「『創作者団体協議会』による期間延長を求める新聞広告への、ネット上の反応」としてうちの記事も紹介されています。また、フォーラムのサイトでは著作権保護期間延長問題に関したコラム・ブログ記事を「参考記事」としてリスト化しています。メールマガジンで紹介されている以外にもかなり多くの記事がリンクされていますので、ぜひ一度ご覧ください。
 なお私も、この「参考記事」に独断と偏見で重み付けしながら「はてなブックマーク」化したものがありますので、「参考記事」を全部チェックしきれないという方は参考に使ってみてください。

http://thinkcopyright.org/reference.html
「参考記事」
(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)

http://b.hatena.ne.jp/himagine_909/
「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラムが
 参考記事として上げているリンク集に重み付けをする試み (by 暇人#9)」
(はてなブックマーク)

 最後に、今回のメインイベントを。
 『Copy & Copyright Diary』 を運営されている末廣恒夫さん(フォーラムの発起人にも加わっていらっしゃいます)が「著作権のお勧め本」というコーナーを担当されることとなりました。
 今回は文化庁の編著による『著作権法入門』(著作権情報センター)が紹介されています。

http://d.hatena.ne.jp/copyright/20070410/p1
「著作権のお勧め本」
(Copy & Copyright Diary)

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/pdf/chosaku_text_18.pdf
「平成18年度著作権法テキスト」
(文化庁・ PDF)

 内容の大部分が文化庁サイトの『著作権法テキスト』と同じものであること、また解説の方向性はあくまでも文化庁の解釈によるという点は、紹介文に書かれている通りです。
 加えて、この本を持っていると便利なのが、著作権法・著作権法施行規則を始めとした関係法令が掲載されている点です。収録された法令はこちらをご覧ください。確かにこれらは『法令データベース』で検索すれば無料で参照できるものではありますが、実際に法令を読み込んでいこうと思うと印刷されてた方が便利なんですね(私などは書き込みも結構やるので尚更)。無料でも入手できる内容にこの値段という、コストパフォーマンス的にどうかとは思う本だったりするのですが、高い法令集を買うよりも これで済ませるという選択肢もひとつあるわけです。
 なお著作権法は昨年末に改定されました(施行は 2007年7月)。 従って、これから著作権法を印刷物で入手する際には注意が必要です。たとえば今回の『著作権法入門』は平成18年度版 (2006年9月発行)ですから、改訂前の内容ですね。次の平成19年度版(発売まで半年くらいありますかね)にはおそらく改定後の条文が掲載されると思われます。
 他の著作権法収録書籍も含め、書店でお買い求めの際には次の点を目印に判断してください。

●第四十二条2項が追加され、「次に掲げる手続のために必要と認められる場合についても、前項と同様とする」として一号・二号を規定。施行前の著作権法には第四十二条2項は無い。
●第四十七条の三として「保守、修理等のための一次的複製」が追加されている。なお「複製権の制限により作成された複製物の譲渡」の規定が第四十七条の四にある。施行前の著作権法では「複製権の〜」が第四十七条の三である。
●第九十四条の二として「放送される実演の有線放送」という規定が追加。施行前の著作権法には第九十四条の二は無い。
●第百十三条1項二号に「輸出」云々の文言が追加。施行前の著作権法には輸出にかかわる規定はない。
●第百十九条の構成が変更。1項・2項(一号から四号まで)。施行前の著作権法では2項構成でなく、1項の中に一号と二号の規定がある。まぁ数字が「四」まであれば新しい規定ということ。

 こんなところですか。他にも改訂された点は数多いんですが、一目でわかるのは上の例です。

 さて。最後にひとつ裏ワザを御紹介しておきましょう。
 以前にもどこかで書いたことがあるんですが、この『著作権法入門』を無償で手に入れる方法があったりします。それは──

http://www.cric.or.jp/seminar/seminar.html#04
「CRICセミナーのご案内:市民のための著作権講座」
(著作権情報センター)

 『著作権法入門』の発行元・著作権情報センターで主催している『市民のための著作権講座』に参加することです。平日の日中に開催されるというのがアレなんですが、もし開催地と住所とが近くて都合がつきそうな方は、行ってみるとよろしいかと思われます。参加費は無料。著作権情報センターで配布している著作権関連ブックレットや『著作権法入門』が、講座に臨むための資料として配布されます。ちなみに私は昨年と一昨年に参加して、無料で入手しました(今年は北海道では開かれてないんですね)。
 あくまでも著作権法のことを一から学ぶ人を対象にした資料ばかりなんですが、前述のとおり法令集としてもそこそこ使える本ですし、また講座の方も著作権関係で第一線にいる学者や弁護士の話を聞く機会でもありますので、活用されては如何でしょうか。

※ちなみにこの催しは私的録画補償金を使った「共通目的事業」として開かれています。いろいろと批判の多い「事業」ではありますが、その一例としてご自分の目で確かめられるのも一興かと思われます。

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2007年4月 4日 (水)

日本文化は、なぜブームで終わるのか。(ツッコミ編)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2007/03/post_1942.html
「日本文化は、なぜブームで終わるのか」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2007/03/post_7db2.html
「日本文化は、なぜブームで終わるのか(趣旨説明)」
(エンドユーザーの見た著作権)

 遅ればせながら、件の全面広告に対する反撃として──

 もはや権利者団体の側には、真剣に、著作権のあり方を論じようという人間が全く表へ出てこないことに私は戦慄します。本当に彼らは表現者の集まりなのか? その言葉には論理の裏付けが全くなく、いつも繰り返すだけ繰り返してきた文字列がまたしても紙に定着されているのみ。そこに意味も重みも、切実な感情すらも表現されていない。そんな内容。
 この種の議論においてよく為されるすり替えは“著作権を強化することは絶対的に正しい”“著作権強化に反対する人間は著作者をないがしろにしている”というものです。実際の論点は〈著作権強化は著作者を含む社会に害とならないのか〉〈著作権の保護は現状で充分なのか、足りないとしたらどこを改善すべきか〉というところであるにもかかわらず。

 彼らとしては、スローガンを並べ立てる以上の意味は見いだしていないのかも知れません。しかしこれらのスローガンの“行間”を読んでいくと、とんでもないことを言っている場合が非常に多い。まったく論理的に繋がっていないのはまだ可愛いほうで、他の著作者への配慮に欠けていたりして(要は独善的だったり差別思想に凝り固まったもの)。最も私が気になったのは、彼らが過去に為したことに関する権利意識が丸出しで、これから創作をしていくであろう人たちの不利益には全く配慮していないということです。
 日本人として最低限の“国語力”をもって読めば、かのスローガンのそうした性質を感じ取ることができる筈なのですが、書き手は何を考えているのでしょうか? 読者を馬鹿にしているのと同じことではないのか。

 思考停止を声高らかに宣言しているザマを見ていると、我々は彼らに「日本文化」を任せていて大丈夫なのかという気にすらなってきます。まともな人も確かにいるのでしょうけど、そういう人たちが こうした場で表に出てこないということ、また件の連中が「代表」面をしていることによる逆効果について、是非危機感を持ってもらいたいものだと思わざるを得ません。
 何度も書きますけど、本当に彼らは表現者なのですか? 日本語の使い手なのですか?




■各氏のコメントに対して──

船村 徹 作曲家 (JASRAC 会長)

命を削る思いで作った作品も、人々に拍手で迎えられるものは稀です。世に知られる事なく消えていった作品は数え切れません。ひとつでも多くの作品が歌い継がれ、人々の生活に息衝くものとして、長く保護されることは私どもの生き甲斐であり、願いです。

船村徹 様
 いちど世に問われていながら消えていくような著作物の存在を良しとする時点で、私は先生のお言葉を肯定できませんね。しかもその消えていく原因がユーザーに受け入れられなかったことにあるのではなく、著作権の“行使”だったとしたら尚更です。また著作権が切れたら歌い継がれなくなるのでしょうか、人々の生活に息づかなくなるのでしょうか。死後50年もの保護が既に得られている今、これ以上の権利強化が「生き甲斐」だとしたら、自由に「歌い継がれ」自由に「生活に息衝く」ことがその「生き甲斐」ではないと明言しているに等しいと思います。

松本零士 漫画家 (社)日本漫画家協会 常務理事

漫画家という創作、創造の道を選んだ私達は、生涯を懸けた夢を果たす為にひたすら歩んでいる。そこには明日への保証も、定年も未来への保証も何も存在しない。年代もキャリアも関係なく、互いに夢を追いながら、命尽きる瞬間まで、ひたすら創作、創造への挑戦を続ける覚悟で皆この道を駆け続ける。いつ路傍に亡骸をさらそうとも、自らの選んだ夢に悔いは無い、刀をペンや絵筆に持ち替えた永遠の浪人として創作の道を歩いている。金の為だけ創作をしている訳ではない、想いを懸けた夢と創作者としてのプライドが総て、70年延長問題に凝縮されているのです。

松本零士 様
 創作・創造への「挑戦」をする人たちに対して、誰がそれを望みましたか。こう言っては何ですが、あなたがたが好き勝手に選択した生き方に対して、社会が不利益を甘受してまで「保護」を与える必要など全く感じません(どこまでの保護がフェアで、どこからの保護が過剰なのかという議論は常に必要だと考えますが)。「金の為だけ創作をしている訳ではない」のなら、著作財産権の延長へと話は繋がりません。著作者人格権は実質永遠に保護されています。

林 真理子 作家 (社)日本文藝家協会 理事

徹夜の連続で生み出した自分の小説は、大切にしてもらいたいし、読まれればもっといい。いま、私の故郷の町に本屋は無い。活字文化を守り立てる妙案を真剣に考えて欲しいと思う。作家の著作権が、日本では死後50年までというのも文化の貧しさなのだろうか。

林真理子 様
 書店の減少や活字文化の「振興」は、著作権保護期間延長の是非とは全く関係ありません。よくよく考えねばならないのは、今まで書店が増えようが減ろうが、ずっと著作権の保護期間は死後50年であったということです。さらに言えば、再販制の保護のもとで書店が減少してきたということです。その原因が著作権保護期間の他にあるのは明らかではありませんか。また著作者の死後50年を経過した出版物のうち、どれだけが現実に流通しているのかお考えください。そこから20年分だけ著作者に利益還元できるようになったとして、書店の営業にどれだけのプラスになりますか。活字文化がどれだけ「振興」されますか。そこまで考えてから御発言ください。

吹田 文明 版画家 (社)日本美術家連盟 理事長

保護期間の延長は作品の読み手である著作者にインセンティブを与え、文化芸術の振興に寄与します。又、コンテンツが瞬時に世界中を飛び回る今日では、一国のみで著作権を守る事はできません。国際的な協調が不可欠です。それが国同士の文化を尊重することにもなります。

吹田文明 様
 保護期間の延長がどう「インセンティブ」となるのか説明を要しますね。なお多くの場合「インセンティブ」にならないと三田某氏が認めていたりするんですけど(「保護延長はインセンティブの問題じゃない」)。延長要望派でまず意見交換されたは如何ですか。また、国際的な「協調」を強調されるのであれば、実際に死後50年の保護で制度運用している国にはどう対処されていくのかも示さないと説得力が無いと思われます。

福王寺 一彦 日本画家 日本美術著作権連合 理事長

生命を懸けて創作した作品とその制作態度は時代を超えて人の心を療し、掛け替えのないものです。昨年に安井曽太郎先生が、今年は高村光太郎先生が、来年は小林古経先生と川合玉堂先生が、09年には横山大観先生が著作権消滅になってしまいます。保護期間延長を祈らずにはいられません。

福王寺一彦 様
 著作権が切れたら、安井曽太郎・高村光太郎・小林古経・川合玉堂・横山大観 諸先生の作品の価値は無くなるのでしょうか。それこそ諸先生方の業績を貶めることにはなりませんか? 現に著作権が切れている作品をみつめ、それがどう扱われているのかを理解してから発言されては如何ですか。

寺島 アキ子 脚本家 (協)日本脚本家連盟 常務理事

著作権の保護期間を、死後70年に延長して欲しい。現在、世界の半分近くの国が、死後70年になっています。先進国と言われる国のうち、未だ死後50年の国は、日本など極めて少数です。わたしは、日本国の名誉のために、死後70年にして欲しいと思います。

寺島アキ子 様
 死後70年の保護を定めている国が「世界の半分」に満たないことはお認めいただいているようで何よりです。「先進国」という括りを敢えて設定されているところなど、自らの非論理を認めることに繋がっていて興味深いものです。恣意的に国を選んでいるだけの話で、まったく議論に値しません。そもそも他国を「先進国」か否かで区別すること自体、国際的な観点から言って不適切と言わざるを得ません(自国を後進国よばわりするのは勝手ですけどね)。著作権制度は「先進国」よりも広い枠組みで運用されていることを知るべきです。

那須 正幹 児童文学作家 (社)日本児童文学者協会 評議員

土地や金銭などの財産は、未来永劫正当な相続者に継承されるが、個人の創造物である著作や音楽など知的財産は、死後一定の期間が過ぎると権利を失う。べつにわがままを言うわけではないが、せめて欧米並みの期間を保証してもらいたいと、切に願っている。

那須正幹 様
 自然状態では自由に流通していくのが当たり前の情報に対し、人工的に独占権を与えたのが著作権です。そのような制度が「一定の期間が過ぎると権利を失う」ように構築されているのは当然のこと。保護期間を延長すれば、もともとあった無理がさらに大きくなります。社会に不利益を押しつけてまで権利を広げろと要求するのは、「わがまま」以外の何物でもないことを指摘しておきます。

川村 たかし 児童文学作家 (社)日本児童文藝協会 会長

欧米で現行70年の著作権保護期間が日本で50年を経過した時点で海外で使用され、混乱を引き起こすことも想定されます。著作権について適正な管理を行う上でも、日本の保護期間を海外の基準に合わせておく必要があります。

川村たかし 様
 欧米と日本とでは現に著作権保護期間の違いがあるわけですが、今までにどのような混乱が起きたんでしょうかね? 『星の王子さま』で混乱しましたか? 逆に保護期間を延長したことで、映画での 1953年 問題が生じてるんですが。百歩譲って これから混乱が起こるとしても、どのような混乱が想定されるのか、まずそれを示すべきでしょう。海外の権利者がどう騒ごうとも日本においては日本法の規定が全てですから、むしろ混乱など起こりえないと思いますがね。

津上 忠 劇作家 (社)日本演劇協会 専務理事

当協会は劇作、演出、舞台美術等に携わるスタッフ関係者を主に約300名の会員によって構成され、結成以来半世紀以上にわたって著作権擁護とその普及のために活動してきました。今回の70年延長問題は無論賛成で世界の先進国並みにぜひ実現を願っています。

津上忠 様
 演劇界の第一線から保護期間延長に異議が出されていることについてはどうお考えですか。少しでも現場の声を聴く謙虚さがあれば「無論賛成」などという恥知らずな言葉は吐けないと思われますが如何。また、あなたの言葉には書き手としての傲慢が見え隠れしており、演劇界というのは演出家・実演家も含めてのものであることをお忘れであるかのように見えます。演劇界を代表するお立場であることを是非思い出してください。

野村 萬 狂言師 (社)日本芸能実演家団体協議会(芸団協) 会長

実演家の保護期間は、実演の「固定後50年」と規定されております。長寿社会の今日、殆どの実演家が、生存中に法的権利が消滅してしまいます。世界に先駆けて、是非、実態に合った実演家の保護期間の延長をお願いいたします。

野村萬 様
 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会において、著作権はともかく著作隣接権の保護期間延長は「時期尚早」と結論されている事実をご認識ください(検討課題にすら残らなかったのですよ!)。まして海外の実例を見ても著作隣接権の延長など行なわれていないのであって、「国際協調」を旨とするあなたがたが「世界に先駆けて」要求するというのはおかしいでしょう。しかも著作物流通の阻害要因としてどうして著作隣接権がいつも槍玉に挙がっているのか、それをよく考えるべきですよ。

佐藤 修 (社)日本レコード協会 会長

著作物を創作的に表現し、伝達する役割を担うアーティストやレコード制作者は、日本の音楽文化の発展と産業の振興を支えています。著作権とあわせて実演、レコードの保護期間延長が必要です。

佐藤修 様
 地上デジタル放送のIPマルチキャスト同時再送信の実現に向け、著作隣接権があっさりと制限されることとなったのは記憶に新しいところです。レコード製作者の著作隣接権がレコード利用の阻害要因となっているのは、いまだに広まらない音楽配信のような不当な“権利行使”だと公認されたようなもの。しかもあなたがたが始めたという著作隣接権の集中管理は放送番組だけを対象にしており、音楽配信は相変わらず妨害するという有様です(日本人が iTunes Store の先進的サービスを海外版同様に享受できるのはいつなんでしょうね?)。このような状態で著作隣接権を延長しようという要望が聞き入れられる訳がなく、まずその前に己らの行ないを正していただきたい。というか、レコード製作者からは許諾権を取りあげるべきだとすら思います。あなたがたが権利を持っていたって、「日本の音楽文化の発展と産業の振興」にロクな効果をもたらしはしません。

青木 光一 歌手 (社)日本歌手協会 会長

歌手の権利を守る事を第一に揚げている(社)日本歌手協会としては、至極当然の事として20年延長に賛同いたします。世界の流れを見ても同様に、それだけ権利者に対しての社会的地位が認められてきた当然の帰結で、知的財産立国としては、延長するべきと考えます。

青木光一 様
 保護期間の延長は、そもそも「権利を守る」ことではありません。もともと無かった範囲へと権利を広げるということです。青木様の発言を読ませていただきますと、権利を強化すれば自動的に歌手に利するとしか考えていらっしゃらないようで、社会に対する負の影響についてはお考えが至っていないおうにお見受けします。自己中心的というのはこのようなものを言うのですね。勉強になります。

朝妻 一郎 (社)音楽出版社協会(MPA)会長

世界の音楽を受け入れ、日本の音楽を世界に向けて発信しようとしている私たちは、そこで使われている共通のルールに従ってビジネスを行わなければなりません。世界の先進国の中で日本が特別ルールを使っているという異常事態を解消する必要があります。

朝妻一郎 様
 ここまで無知をさらけだせる豪毅な姿勢には感動すら覚えます。私めには真似できません。国際的な「共通ルール」がベルヌ条約だということを私は無視できませんし、このベルヌ条約に定められた著作権保護の義務が「死後50年」までであるという事実を念頭におかないで発言することなど私には到底できません。「日本だけが特別ルールを使っている」という新説(珍説?)を披露する勇気も私にはありませんし、そんな認識のままで表舞台に立つ勇気も私にはありません。

三枝 成彰 作曲家 (社)日本作曲家協会 会長

今こそ著作権の大切さを皆さんに知っていただく時だと感じています。多くの人に受け入れられる作品を作り出した人にはそれに見合う収入を手にすることができると広く知らしめれば、作り手を目指す若い人たちも増え、日本文化をさらに元気にしていくことにつながるでしょう。

三枝成彰 様
 「今こそ著作権の大切さを皆さんに知っていただく時だ」「多くの人に受け入れられる作品を作り出した人にはそれ見合う収入を手にすることができると広く知らしめれば、作り手を目指す若い人たちも増え」ですって。しかしそれに共感する「皆さん」ってどれくらいいるんでしょうね。著作権の保護期間を延長することで金を得られるのは権利管理団体の連中だけ、若い著作者は業界慣行でもって低収入のまま、しかも著作権強化で「禁止」表現のオンパレード。今こそ著作権の危険性を「皆さん」に知っていただく時だと、私などはむしろそう考えますね。

たか たかし 作詞家 (社)日本作詞家協会 理事長

著作権の保護期間延長に反対する人たちは、創作物への尊敬・礼儀を著しく欠く昨今の状況に片目をつぶって、專ら利便性・経済性の面からのみ主張する。著作権の延長は、著作物を再利用して新しい創作物を生み出す上で何の障害にもならないことを強調したい。

たかたかし 様
 著作権の保護と「創作物への尊敬・礼儀」を直結させること自体、非論理の最たるものと言えます。日本語を駆使し表現する者として実に嘆かわしい。これだから日本語は「非論理的言語」などと蔑まれてしまうのです(しかし私に言わせれば、日本語が非論理的なのではなく その使い手が非論理的であるに過ぎません)。話が脇道にそれましたね。著作権切れした著作物を日本人が「尊敬」していないのか、「礼儀」を本当に失しているのかを考えてみてください。すぐにたか様の主張が間違っているとお気づきになるでしょう。また「創作物への尊敬・礼儀」は著作者本人に向けられるものであって、それは著作者の遺族(あるいは著作権を譲渡された者)には向けられないことくらいご想像いただけますよね? 「尊敬・礼儀」とは一身専属性のものであって、その遺族といえでも相続できるものではありません。著作権と同列で語ること自体おかしいものです。

服部 克久 作曲家 日本音楽作家団体協議会(FCA)会長

知財立国がさけばれるなか、我々著作者は質の高い質の高い作品創りを目指して頑張っています。ネットの普及により作品が瞬時に国境を越えていくこの時代、せめて国際的に同じ土俵で戦わせて下さい。戦時加算の廃止と保護期間の延長とを強く訴えます。

服部克久 様
 「質の高い作品作りを目指して頑張ってい」る結果が「どこまでもいこう」だったというのは皮肉でしたね。インターネットが普及し「作品が瞬時に国境を越えていく」のが期待されていながら、著作権・著作隣接権が邪魔をして充分に実現できていない現状をどうお考えでしょうか。恥ずかしくはありませんか。死後50年までの著作物においてすら海外への進出を殆ど実現できていない。こんな有様で死後70年に延長してご覧なさい。どういう因果関係があって海外進出に繋がるというのですか。尊敬申し上げる服部先生にこのようなことを言うのも心苦しいのですが、寝言も休み休み仰ってくださいませ。

丹野 章 写真家 (協)日本写真家ユニオン 理事長

著作物の作者は永遠に作者であるように、著作権も永久であるべきです。しかし現在の作家に恩恵が及ぶわけではないので、ある時期から先は許諾不要の有償制として若い創作者の支援に充てるべきです。それにしても保護期間は先ず必要な事です。

丹野章 様
 「著作権も永久であるべき」とは、本音では思っていても要望派が誰も口に出せない言葉を代弁していただきありがとうございます。これで反対派の立場も強固なものになることでしょう。暴論以外の何物でもないからです。もっとも「ある時期から先は許諾不要の有償制として若い創作者の支援に充てるべき」という提案は悪くありません。しかしそれは死後50年の保護である現在でも可能なことですよ。やりべきとお思いでしたら、今から実現してくださいまし。ちなみに著作権法は写真だけを保護する法律ではありませんので、この提案を実現するには それなりのシステムを用意しなければなりませんし、それが出来上がってから延長を議論すべきかと思われます。登録システムを整備した写真についてのみ永久保護を唱えていらっしゃるのなら別ですけど。

田沼 武能 写真家 有限責任中間法人 日本写真著作権協会 会長

著作権は人類全てが平等、対等に持つことのできる素晴らしい権利です。それだけに権利が保護される期間も、できるだけ共通であるべきです。世界の主要国が70年で歩調を合わせているいま、わが国が遅れをとることは、知的財産の輸出国をめざす日本として如何なものかと思います。

田沼武能 様
 もしあなたの仰る「権利が保護される期間も、できるだけ共通であるべき」が真実ならば、死後50年でとどめておくべきです。なぜならベルヌ条約締結国の過半数はこの基本原則を採用しているからです。また、現在の日本が知的財産の輸入超過国である現実をも直視しなければなりません。日本はこれから「世界の主要国」に追いつかねばならないのです。日本の発展(国力の増強)を本気で考えるのならば、学びのを阻害しかねない著作権延長など許されるものではありません。それでもなお権利延長を望まれるのでしたら、素直に「知的財産の輸出国をめざす」のをやめよと仰ってくださいませ。




■最後に

 以上、 3月21日 に一部地域の一部新聞に掲載された全面広告への反論を終了します。
 しかしそもそも私が住んでいる北海道では普通に読めるものではなかったこと、それひとつを取っても彼らが国民的議論を望んでいるものではないことが判るというものです。政治的な効果しか考えていないんでしょうね(永田町だけ配ったのに等しい!)。
 著作権保護期間延長要望派から(自発的に)新しい議論を起こすことはもはや期待できないでしょう。となれば こちら側から仕掛けて、新たな展開を作り出していくしかありますまい。彼らから新たな発言を引き出そうとするもよし(実は彼らの考えを理解するに足る言葉自体、まだ足りないと思われますからね)、彼らが何らかの反応を示さざるを得ない動きを作り出すもよし。

 とりあえず、件の全面広告を真に受けている人が周りにいましたら、それが事実とは異なることを教えてあげてください。ネットの世界で発言するよりも、その方が案外 効果あるかも知れませんよ。

●著作権とは他人の行動を禁止する権利です。
●「死後70年」は「世界標準」ではありません。
●今のままでも、米国の延長された保護期間を日本製コンテンツも受けられます。
●死後50年か70年かで問題になるのは、死後50年を越えたコンテンツの輸出だけです。
●日本は輸入超過国です(輸出超過はゲームだけ)。
●映画・アニメ・ゲームの保護期間は既に延長されています。

 実際に行動を起こすのも有効です。
 まずは『著作権保護期間延長問題を議論するフォーラム』のトークイベント#2に参加されては如何でしょう(4月12日)。

http://thinkcopyright.org/resume.html
「フォーラムの公開シンポジウム」
(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)

 そうそう、青空文庫で進められている署名活動もあります。締め切りが近づいていますから、まだ署名されていない方はどうぞ送付なさってください(4月30日締切)。

http://www.aozora.gr.jp/shomei/
「著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名」
(青空文庫)

 著作権保護期間の延長の弊害は、既に延長された映画著作物の例でも見てとれます。廉価 DVD をめぐって、『ローマの休日』『シェーン』『生きる』などが訴訟になっていることについてどう思われますか?

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2007/04/dvd_d7fb.html
「黒澤作品・廉価 DVD の行方」
(エンドユーザーの見た著作権)

http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2007/04/1953_ee1e.html
「1953年問題: 『シェーン』著作権切れ、確定間近?」
(エンドユーザーの見た著作権)

 資金力は確かに、権利者団体にかないません。しかし数ではこちらの方が上です。

 注目すること、考えること、声を上げること、行動すること。
 これを御覧になった方々ひとりひとりが、やれることをやれる範囲で実行されていくことを願ってやみません。

 私は?
 これからも発言を続けますよ。様々な場所で。




■このブログの記事は──

 クリエイティブコモンズ・ライセンスで公表しています。
 「表示 - 非営利 - 継承 2.1 日本」ライセンスに従っていただければ、記事を丸まんま転載してしただいて結構です。著作権的なリスクを回避しようと思えば、私が引用した各氏の発言を削除した方がより安全かも知れませんが。

 件の全面広告のパロディとして文面をお使いいただくのでも構いません。だれかやってみません?

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2007年4月 1日 (日)

『think C メールマガジン』

 ちょっと小ネタを。

 『著作権保護期間の延長問題を考える国民会議』改め『著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム』では、最新情報を伝えるメールマガジンも発行してるんです。今のところ最新号は 3月23日付、第5号まで出ています。
 ちなみに第5号ではこんな内容でした──

■いよいよ、文化審議会の顔ぶれが決まりました
■第1回公開トーク、満員御礼
■あらたに6名の方が、フォーラムの発起人に加わりました
■知財戦略本部がパブリックコメントを募集中 (3/29まで)
■「著作権保護期間の経済分析」について研究会が発足
■延長問題をめぐる最近の記事・イベント
■世話人から
■延長問題とは?

 私が知財戦略本部パブコメにかかりっきりだったので(そんなこと言いながら別ネタの記事も上げたりしてましたが)、このメールマガジンをすぐに紹介できなくて残念です‥‥。 3月30日に 開催された「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」第1回会合(メディア報道はこちらこちら)の傍聴申込みの案内や、知財戦略本部パブコメ募集の案内なども書いてあったんですよ。
 今からでも間に合うものとしては、第2回トークイベントの案内があります。 4月12日、 詳しい内容はフォーラムサイトの案内ページを参照してください。

 興味深かったのが、「『著作権保護期間の経済分析』について研究会が発足」という件。これはメールマガジンの内容をそのまま引用させてもらいます。

フォーラムのシンポ・公開トークにも出演された田中辰雄さんや
林紘一郎さんなど、経済学畑の方々が、保護期間延長の経済効果を
実証的に分析するための研究会を立ち上げられたとのことです。
研究会の成果など、フォーラムでも紹介させていただきたいと思い
ます。また、こうした研究に興味のある大学院生の方で、実証分析を
ご自分でやってみたいという方の参加を募集中とのことです。



※引用者注:
 原文では連絡先が書かれていたのですが省略。
 詳細はこちらを御覧ください。

 どういう展開を見せていくのか。楽しみです。

 ちなみに、このメールマガジンの申し込みもフォーラムの案内ページから出来るようになっています。リンク先のメールフォームに入力すれば登録できますよ。

http://thinkcopyright.org/mailmagazine.html
「メールマガジン」
(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)

 フォーラムの活動には興味あるけど、そう頻繁にサイトをチェックしていられない方。ぜひメールマガジンを活用してみてください。

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2007年3月26日 (月)

日本文化は、なぜブームで終わるのか(趣旨説明)

著作権とは、いったい何でしょう?
それは本来、著作者が小説や映画・音楽などの
自分の著作物から生じるイメージや利益を守るために、
他人がその著作物を無断でコピーすることを禁じる権利のこと。
ただ多くの場合、著作者が不利な契約を結ばされて
その権利を「譲渡」させられていますし、
自分の意思で著作物を送り出そうとしても
他の誰か(たとえば映画会社や出版社・レコード会社・
JASRAC など)に妨害されたりしています。
それもまた「著作権」です。

著作権が保護される期間には限りがあります。
国際的な条約によって、著作者が生きている間と
没後50年間というように定められています。
この「没後50年」までの間に、
かつて生み出された著作物の殆どは人目に触れなくなります。
また著作者が亡くなった後については
利益を得られるのは当然 著作者本人ではありません。
それにもかかわらず現在では
欧米の主な国が「没後70年間」にまで延長してしまいました。

日本は、他の国と同じように国際条約どおり「没後50年間」のまま。
確かに欧米とは保護期間に20年間の差