2007年6月 8日 (金)

「知的財産推進計画 2007」で私が個人的に注目した項目

http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2007/06/2007_742e.html
「知的財産推進計画 2007 からピックアップ」
(試される。(ココログ mix))

 別ブログで、「知的財産推進計画 2007」 の要注目項目を挙げてコメントを付けてみました(もっともこれらは策定前のパブコメに提出したものがベースになってますけど)。えらく長くなってしまいましたが、飛ばし読みでもしていただけると幸い。
 ここではそのダイジェスト版として、項目名だけ挙げておくことにします。

(P.5)
●「知的財産推進計画2007」の基本的考え方
(P.14)
●個人輸入等の取締りを強化する
●インターネットオークション上の模倣品・海賊版の取引を防止する
(P.19)
●デジタルコンテンツの流通を促進する法制度等を整備する
(P.20)
●違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
●権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
(P.21)
●ネット検索サービス等に係る課題を解決する
●アーカイブ化を促進し、その活用を図る
●インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
(P.60)
●模倣品・海賊版の税関での取締りを強化する
(P.61)
●差止申立てに係る手続を簡素化する
●インターネットオークション上の模倣品・海賊版の取引を防止する
(P.63)
●劇場内で無断撮影された映像の違法流通への対策を強化する
●著作権法における親告罪を見直す
(P.65)
●模倣品・海賊版に関する国民への啓発活動を強化する
(P.90)
●IPマルチキャスト放送へのコンテンツ流通を促進する
●違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
●権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
(P.91)
●私的録音録画補償金制度の見直しについて結論を得る
●権利者の利益と公共の利益に留意した権利制限規定を整備する
(P.93)
●権利の集中管理を進める
(P.94)
●利用とのバランスに留意しつつ適正な保護を行う国内制度を整備する
※間接侵害・法定賠償制度・保護期間延長・放送新条約
(P.95)
●ネット検索サービス等に係る課題を解決する
●アーカイブ化を促進し、その活用を図る
※絶版 入手困難著作物・ NHK アーカイブス・フィルムセンター・国立国会図書館
●インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
※意思表示システム・権利放棄
(P.96)
●音楽用CDにおける再販売価格維持制度について検証する
●安心してコンテンツを利用するための取組を奨励・支援する
(P.99)
●音楽レコードの還流防止措置制度を活用するとともに輸出を拡大する
(P.100)
●コンテンツ・ポータルサイトを支援する
(P.127)
●知的財産を含めた消費者教育を推進する
(付属資料 P.37)
●音楽レコードの還流防止措置等

 ──結構ありますね。
 その他にも重要と思われる項目が多々見られますから、まず知財推進計画の目次をざっと眺めることをお勧めします。

 最後に。
 私がこの種の問題に首を突っ込む直接的なきっかけとなった還流防止措置について、知財戦略本部の暢気な総括と私のツッコミを紹介して本エントリーを締めます。
 では。

※第4章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり
 (3)海外展開の促進

○2 音楽レコードの還流防止措置等
 2005年1月、改正著作権法が施行され、アジア諸国など物価水準の異なる国において許諾を受けて生産された商業用レコードが我が国に還流してくることを防止する措置(還流防止措置)が導入された。還流防止措置の成果として、2006年の1年間で551タイトルがアジア諸国にライセンスされた。なお、2006年に日本で発売された音楽レコードは約1万タイトルである。

▲ 2006年のデータにしか触れないという誤魔化し。
 「知的財産推進計画2006」によれば、2005年にアジア諸国へライセンスされたのは641タイトル。つまり減っているのである。ちなみに還流防止措置導入前の水準にも全く届かない。
 ちなみに税関に輸入差止申立てがなされたのは(税関での集計によると) 2005年が 85タイトル、 2006年が 169タイトル。
 還流防止措置が運用段階に入って2年半が経過しているが、この制度の趣旨である商業用レコードのアジア進出が促進されているのか否か、もはや明らかであろう。まして制度導入にともない日本レコード協会が約束したCD値下げも実現していない今、還流防止措置を続ける理由などどこにもない。

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2006年6月17日 (土)

レコ協、言いたいことだけは大声で言う

http://www.riaj.or.jp/issue/record/2006/200606.html
「THE RECORD 2006年6月号」
(社団法人 日本レコード協会|発行物)

http://www.riaj.or.jp/report/mediauser/2005.html
「2005年度『音楽メディアユーザー実態調査』実施」
(社団法人 日本レコード協会|調査・レポート)

 日本レコード協会で機関誌 『The Record』 6月号が発行されました。

「2005年度 音楽メディアユーザー実態調査」の結果概要が掲載されていまして、まぁこの調査自体は“さよけ”ってな感じのところが多いのですが、気になるところが若干あります。
「CDセル市場の最大シェアは 30〜40代」 なんだそうで。しかし今のレコ協が敵に回しているのもこの世代ではありますね(あと 20 代もかな?)。 「CCCD」 や「レコード輸入権」 「iPod 税」と、解消しなければならない確執は数多く、しかもレコ協はことごとく“説得”に失敗している。市場規模が縮小の一途を辿るのも当然と言いたいところですが、ホントに俺たちにそれだけの市場を左右できる力があるのかいな?(もしそうなら、もう少し業界には痛い目にあって貰わなきゃな。当然持つべき選択肢は行使していくよ、これからも。)
「音楽関連支出合計で携帯電話の支出を超える」ですって。ホントかよと思ったら、「関連支出合計」でした。つまりCD購入・コンサート・カラオケ・音楽ビデオ購入・レンタルもろもろを合計してようやく携帯電話に勝てたという話。当該ページ(ノンブルで2ページ)の図を見ると、“ロングテール”を積み重ねて“頭”に勝ったと喜ぶ虚しさが感じられます。レコ協の論法でいくなら携帯電話の方にも「関連支出」を足してやらないと不公平だろうに。

 ちなみにこの「実態調査」の結果は、その詳細が既にレコ協サイトで公表されています(リンク既掲)。確かに 『The Record』 のものよりは詳しいデータが掲載されています。ただ見どころは、毎年のことではあるのですけど、レコ協によるまとめが恣意的で面白すぎるところですね。その恣意的なものから、更に大々的に発表したいところをピックアップして 『The Record』 に載せているといったところなのでしょう。
「50 代以上では自宅の近くという地理的利便性を重視するものの、いつでも買えるという時間的利便性に対しては反応が弱い」とか 「20 代社会人〜 40 代はテレビCM、中高年は家族をきっかけとする事が多い」(注:CD購入の「きっかけ」のこと)とか、再販制や宣伝費大量投入を正当化しているかのような まとめも見られてなかなか香ばしいところではあります。 『The Record』 には載ってませんでしたが。
 私がここぞということで紹介したいのが一つあります。ノンブル 36 ページ。「デジタル携帯オーディオプレーヤーの録音ソースはCDからが大半」という箇所です。これだけでも内容はお判りかと思いますが、「『デジタル携帯オーディオプレーヤー』で聴く音楽を何から録音していますか」との質問に対し、「購入したアルバムCD」 63.1 %、「レンタルしたアルバムCD」 50.9 %、「友人から借りたCD」 29.1 %、「有料音楽配信」 11.8 % ──てな具合になっています(他の項目は当該ページを御覧ください。ただし購入・レンタル・友人から・配信で殆どが占められます)。
 こういったところでデジタル携帯オーディオプレーヤーの特殊性というか、従来の私的録音録画補償金の前提からかけ離れていることが実証されているものと考えられます。ここも 『The Record』 には掲載されていませんでしたがね(笑)。

 さて。 『The Record』 の話に戻ります。ここでも私がピックアップしたいところが一つありまして、それがノンブルの8ページ。

Topics & Information

音楽用CDの再販制度「除外を検討」から「検討し対応」へ

 知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会は、6月8日に決定する「知的財産推進計画 2006」 に盛り込まれるコンテンツ分野に係る提言を、 5月18日 にまとめました。堂専門調査会では、当初「音楽用CDを再販売価格維持制度から除外することを検討する」という表現で答申がなされていました。
 これを受け、当協会をはじめとする音楽関係 10 団体は、再販制度が日本の音楽文化の発展や国民による多様な音楽文化の享受のために果たしている役割の重要性を強く訴えてきました。  また、知的財産戦略本部が意見募集を行ったところ、「音楽用CDの再販制度維持」を支持する意見が多数寄せられるなど、最終答申として「必要に応じてより効果的な方途を検討し対応する」という表現となりました。
 レコード業界は、今後も再販制度の下で、音楽文化の維持発展を図っていくとともに、国民の利益のために再販制度のさらなる弾力的運用を進め、再販制度について、広く国民の理解を得るためのPRに努めてまいります。

 ──勝利宣言のつもりか、こりゃ!?

 まぁ私が補足するまでもないでしょうが、一応。
「レコード輸入権」(正確には「商業用レコードの還流防止措置」)と再販制度との二重保護は問題であって知財戦略本部も「音楽用CDを再販売価格維持制度から除外」という方針を出してはいたのですが、実際に出された『知的財産推進計画 2006』 ではその表現が後退してしまいました。酷い話だと言わざるを得ないのですが。
「当協会をはじめとする音楽関係 10 団体は、再販制度が日本の音楽文化の発展や国民による多様な音楽文化の享受のために果たしている役割の重要性を強く訴えてきました」とありますが、じゃあ実際にやったのは何かというと、広報活動ではなくパブリックコメントへの組織票だったという(笑)。この募集結果 (PDF) を見ると判るのですが、あきらかに文面が同じものを大量に送信しているばかりか、その文面案そのものまで送信されている始末(こちらはリークじゃないかという話もありますが)。しかも知財戦略本部事務局も心得たもので、「同趣旨のもの多数」とか言ってまとめてしまった(一々掲載しなかった)ものもあったりしました。
 あ、「強く訴えてきました」と言えば、レコ協のサイトにも「音楽用CDの再販制度の弾力運用の状況について」とかいうページを作ってましたか。いきなり「貴委員会は」云々で始まる間抜けなやつ。いや、その後「公正取引委員会御中」として趣旨説明が文頭に付くようになったのですがね。何ともドタバタした感じの掲載ではありました。
 結局のところ知財推進計画での表現を後退させることには成功したのですから、レコ協としては結果オーライだったのでしょうがね(この裏には文部科学大臣の肩入れや、ヨーダの痛い演説‥‥じゃない大演説があったことも付け加えておきましょう。あの世界、普通の感覚では動いてません)。

 我々エンドユーザーとしては、再販制に関して これからもCD等の除外を主張していくべきでありましょう(個人的には再販制の完全撤廃を訴えたいところですが)。現実問題としてCDの価格高止まりは続いており、また「レコード輸入権」もそのままなのですから。
 また、再販制に頼らずにすむ音楽流通を模索すること。これも大事です。すなわち音楽配信をさらに活性化させ(価格競争もきちんとさせる)、ついでに私的録音録画補償金を廃止できれば レコード業界はもはやCDに固執することができません。消費者の利便性に気を使えるレコード製作者はCDを出し続けるでしょうけど、コピーさせたくない連中は次世代メディア(ただし DRM 付き)に移行せざるを得なくなるでしょう。
 最もレコード業界に効くのは、我々が「CDを買わない」という選択肢を行使することだと思いますがね(笑)。適正な品質のものを、適正な価格で、適正な流通のもとに入手できて初めて買うと。そうでないものは(例えば 「CCCD」) 断固として買わない。それだけでも連中には打撃です。再販制によって市場原理が働きづらいのですから、もはや不買で対抗するしかありますまい。

※洋楽好きなら輸入盤を中心に買うという“逃げ道”はあるんですけどね、大変なのは邦楽好きの人かな。そこはレンタルを使うということで。まぁ輸入盤でも正規品を買えさえすれば、少なくともアーティストには迷惑がかからないのですがね、邦楽輸入盤を止めやがってるのはホラ当のレコ協会員社ですから。


※私が注目した記事を「はてなブックマーク」にクリップしています。
 一部コメントつき。
http://b.hatena.ne.jp/himagine_no9




■今年のレコード生産が上向きではないことが証明されつつある

http://www.riaj.or.jp/data/monthly/2006/200604.html
「2006年4月 レコード生産実績」
(社団法人 日本レコード協会|各種統計)

「レコード生産実績、 2006 年は1月から3月が前年より増えてるんだよ〜」とあちらこちらで触れ回っていた(らしい)レコード協会ですが、その表現が極めて恣意的であったことがデータで裏づけられ始めています。
 先日、今年4月の生産実績が発表されたのですが、CD合計の金額において、同年同月比でほぼ 100 %(つまるところ前年と同じ)とのことです。しかも数量においては前年割れしている始末(邦楽の落ち込みが凄まじく、前年同月比 91%! ただしどういう訳か洋楽が 108 %)。
 2006 年1月から3月の“回復”論調については、 2005 年1月から3月の生産が特に低かったので今年上昇したように見える──との説明がよく為されていました。これが事実であること、別の言い方をすれば例の数字が(僅かな可能性は残っていた)市場回復の兆しではなかったことが明らかになりつつあるということなのでしょう。今年5月分のデータは今集計中でしょうか、それからあと数ヶ月分の流れを見ていけば、いよいよ例の“回復”論調の妥当性がはっきり判ります。

 もっとも前年同月比だけみて一喜一憂してもしようがないでしょう。1月から3月に蓄えた“貯金”を食い潰さずに済むのか、今年1年全体を通して見たときに前年比がどうなるのか。あと実際のCD売上げがどうなっているのか。
 レコ協があまり広報に利用したがらないデータが追々出てくることが楽しみでなりません。

 そうそう、レコ協さん。そろそろ還流防止措置のデータも出してくださいな。知財推進計画にあった数字だけでは足りませんよ(あれそもそも何を示してるのかすら判らないじゃないですか)。
 過去5年ほどのデータで、どれだけ海外へのライセンス数が増えたのか見せてくれないと。還流防止措置が全くの無意味だったなんて いつまで言われたくないでしょう?

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2006年3月16日 (木)

今年もレコ協・ JASRAC とガチで やり合うしかありませんなぁ

 ええと、日本レコード協会の機関誌 『The Record』 3月号から──

【P.7 より抜粋】
音楽議員連盟第30回定時総会開催
 1977年 に結成された超党派の音楽議員連盟は、 2月22日、 衆議院第一議員会館において 第30回 総会を開催しました。ここにその模様を報告します。



【P.8 より抜粋】
議案書の採択の後意見交換に移り、芸術団体を代表して、最初に、(社)日本音楽著作権協会の船村徹会長から、「コンテンツの流通促進、利用の効率化を図るために、著作権の保護を弱めたり制限したりすべきだというような意見が大きくなりつつあることに懸念を感じている。また、文化芸術の国際交流が盛んになってきている中で、国際的なルールとの調和を図るために、著作権と著作隣接権の保護期間の延長が必要。(中略)」との発言がありました。引き続き、当協会佐藤修会長から還流防止措置導入後の成果へのお礼と音楽CDの再販制度擁護についての要請を行いました(佐藤会長発言別掲)。



【P.8 より抜粋】
◆佐藤会長 発言内容◆
 (中略)さて、音楽議員連盟の先生方に大変ご支援をいただき、昨年1月から導入されました「音楽レコードの還流防止措置」につきましては、お手許にお配りしました 2月10日付の 朝日新聞記事にあります通り、“中国において、日本の音楽の人気が高まり、海賊版に換えて正規品の流通が盛んになってきた”という形で実際の成果が現われてきています。
 (中略)ところで、既に報道されている通り、知的財産戦略本部のコンテンツ専門調査会は、 20日 に公表した「デジタルコンテンツの振興戦略」の中で、「音楽用CDを再販売価格維持制度の対象から除外することを検討する」と提言しています。
 しかし、音楽議員連盟振興会のメンバーでもある日本音楽著作権協会、日本芸能実演家団体協議会、そして私共日本レコード協会を含む音楽関係 10団体は、 コンテンツ専門調査会に対し、前もって「音楽CDのみを再販制度の対象から除外することを検討する」事に対し強く反対する旨の意見書を提出いたしました。
 その主な理由は、以下の3点です。
1.再販制度は、わが国の文化政策の根幹を成す極めて重要な制度です。当制度により音楽文化の「創造─保護─活用の知的創造サイクル」が守られ、作家やアーティストの活動の場が広がり、国民も多様な音楽文化を享受することができます。
2.同じ著作物の中で、音楽CDのみを再販制度の対象から除外するとした今回の提言は全く不当であり、納得できません。活字文化を保護し、音楽文化を低位に置く判断に基づいているとすれば大問題です。
3.音楽用CDは数多くの関係者による長期間の取り組みの結果、公正取引委員会によって5年前に当面存知の結論が下されました。その後、音楽業界は消費者利益の向上を目指し再販制度の弾力的運用に努めてきましたが、今回の提言はこうした努力や文化的視点での検討が全くなされてない中での提言です。

 ──ぶっとばしたろか。
 凄まじいまでの自己弁護。

 まぁ JASRAC の御大が仰ることからツッコんでおきますか。「コンテンツの流通促進、利用の効率化を図るために、著作権の保護を弱めたり制限したりすべきだというような意見が大きくなりつつある」のは権利者側の自業自得ですから。そちらが きちんとコンテンツ流通の努力をしていれば このような議論にはならんのですよ(まぁこいつは JASRAC 自身よりも、レコ協や芸団協に足を引っぱられている感もありますがね)。
 また、著作権・著作隣接権の保護が強すぎる場合──特にこれが原因で他者の人権が侵害されるとか、著作隣接権濫用のあまりにコンテンツの流通が阻害されるような場合は、これを弱めることで調整することも当然あり得ることです(著作権は天賦人権ではなくて、他の権利との調整が常に必要とされるものなのですから)。
 著作権・著作隣接権の保護期間延長の話に至っては支離滅裂というか、「文化芸術の国際交流が盛んになってきている」ことと保護期間は関係ないんですけど。それとも何ですか、保護期間が短いと「国際交流」をやる気がしない? でもそれって、死後 50年 の保護をやってる国(ベルヌ条約締結国の大部分はこれですよ)とは交流したくないって言ってるのと同じなんですが。「文化芸術の国際交流」と保護期間がどう関係するのか3コーラス程度でまとめて教えていただきたいですね →船村センセ。
 保護期間の延長が「必要」なんてのも理由が無いですね。保護期間を延長しないと困るのは、保護期間が長い国で日本のコンテンツがバカ売れし続ける時だけですよ──著作者の死後 50年以上 経ってるやつがね! しかしながら、今のままの保護期間で続けるメリットってやつもあるわけで、保護期間が長い国のコンテンツでも日本国内では短いままで満了します。本国より早く自由利用できるわけですよ、たとえば多種多様な翻訳・翻案を何十年も早く創作できるという。つまり日本がコンテンツ市場において輸入超過である限り、今の保護期間のままの方が文化的に有利なのです(古典をベースに新たな著作物が作られることは決して珍しいものではないですし、文化的に程度が低いというものではありませんわね)。
 延長を「必要」などと、特にレコード業界が言うのは 100年早い。 まず日本の音楽が海外で受け入れられて、日本のコンテンツ市場全体の輸入超過をひっくり返せるようになってから主張すべきしょう。たかだか中国の市場にすら進出できない(前年割れですよ、前年割れ!)段階で主張すべきことではありませんね。

 次。嫌われ者ヨーダの後を継いだレコ協・佐藤会長のありがた〜い御言葉。
 まず失笑を誘うのが「お手許にお配りしました 2月10日付の 朝日新聞記事」。あれあれ、自分のところで調べたデータはどうしたんですか。中国どころか、アジアへのライセンスタイトル数ですら 2005年 上半期で前年割れしてましたよね、確か。 2月22日なら 2005年 全体のデータが出ててもおかしくない訳ですが、出せない理由でもあるんでしょうか。
 しっかし、あの朝日記事が出た当時から怪しさ全開でしたけど、やっぱりレコ協の実績作りの“やらせ”だったんですかね。しかも 『Where is a limit?』 さんが指摘されているように、中国向けの差止め申立て(そして受理)が急増したり、リストの中で無意味に並べ替えて中国を目立つようにしたり、いろいろ工作してるようですからねぇ‥‥レコ協、朝日記事を利用しまくってますね(ところでコピー配布の際に、朝日の許諾は取ったんですかね?)。
 とまれ、還流防止措置の「実際の成果が現われてきます」なんてのは現段階では言えないわけですよ。それを証明できるのはレコ協の発表データだけ(笑)。出てきたら吟味させてもらいますぜ。

 佐藤会長はCD再販撤廃についても吠えまくりなんですが、これがまたツッコミどころ多すぎ。いやあの制度自体にツッコミどころが多いというのもあるんですが、それにしても必死なだけに論理破綻ばかりなのがイタいし、もう‥‥ただダダこねてるだけにしか見えなかったりもします。
「文化政策の根幹を成」しているのかがまず疑問。再販制度で保護されているレコード業界なのに、廃盤だらけで買えない音楽いっぱいなの何でだろう。流通コストが低いと言われてる音楽配信ですら手に入らないのばかりですね。音楽は売ってない、しかも年々売れなくなる、ミュージシャンへの実入りは不当に削られている(音楽配信の印税がCDと同じって何ですかそりゃ)。こんな三重苦で「創造─保護─活用の知的創造サイクル」ってどこにありますか?
「作家やアーティストの活動の場が広が」る? へぇ。各レコード会社が有名演歌歌手ばかり“首切り”して話題になってましたね、以前。あと丸山茂雄氏が mF247 を立ち上げられたのって、沖縄アーティストを紹介できる機会が今のレコード業界に無いからって話じゃありませんでしたっけ? あと今の新譜ってコンピレーションやカヴァーものばっかりですけど、こんな有様じゃ作家の活動の場なんて一向に広がらないじゃないですか!
「国民も多様な音楽文化を享受することができ」る? 嘘こけ!──なんて叫びたくなる音楽ファン(マニア?)は少なくないですよ。もっとも高い国内盤だけが いっぱい並んでるより、安い輸入盤(還流盤含む)がいっぱい並んでる方がありがたいって思ってるのは私だけじゃないと思いますがね(最近は洋楽輸入盤も入手しづらくなってる気がするんだけど、どーよ?)。
「同じ著作物の中で、音楽用CDのみを再販制度の対象から除外するとした今回の提言は全く不当」って、あなた、頼みますよ。映画やゲームだって著作物ですけど再販制度の対象じゃないですよ。そんな中でCDが再販対象から外されたっておかしくないでしょう、現に音楽配信は外されてるんだし。
「活字文化を保護し、音楽文化を低位に置く判断に基づいているとすれば」って、だって文字・活字文化振興法は音楽を対象としていないんですけど(まぁ歌詞はかろうじて含まれますかね)。その時点で音楽は「低位」だとは言えませんか? いやそれ以前に、佐藤会長、映画やゲームが音楽より「低位」であるかのようにも聞こえるんですけど。確かにそれは「大問題」です、でも前提が間違ってます(ちなみに私は活字についても再販制を撤廃すべきだと思ってますがね)。
「音楽業界は消費者利益の向上を目指し再販制度の弾力的運用に努めてき」たって。そもそも「消費者利益の向上」なんて実行されていないし、その努力が足りないからこういう話になってるのでしょう。時限再販をやっても全然CDは安くならない(一部旧譜の廉価ものは評価してますがね、私)、そして極めつけがアレですよ、還流防止措置。こいつがどう「消費者利益の向上」だったのか教えていただきたいです。あの価格だからこそ邦楽CDを買おうって人が出てきたかもしれないのに、政治力を駆使して(音楽ファンの反対を押し切って)創設を強行しましたねぇ。

 佐藤会長にも、知財戦略本部へ寄せられた意見をお読みいただくことをオススメしますよ。どれだけレコード業界の「努力や文化的視点」を分析した意見が集まったのか判りますから。ヨーダと二人、仲良くお読みくださいませ。
 たぶんお望みのような内容の意見は載ってないと思いますけど。

 同誌の9ページには、 「Topic & Infomation」 としてCD再販撤廃の話がまた載ってます。それによると音楽関係 10団体で 「音楽CDの再販制度を断固擁護する」という方針が決まってるそうですよ。
 ──今年もガチでやりあわないといけないようですねぇ、あの御老人たちと。


※再販制の話題を3連発にしてしまったのですが、私の書いてることがどれも同じってツッコミはなしってことでひとつよろしく。

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知財戦略本部・コンテンツ専門調査会(第7回)──「業界の代弁」とボディブロー

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/dai7/7gijiroku.html
「コンテンツ専門調査会(第7回)議事録」
(首相官邸:知的財産戦略本部)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/dai7/7gijisidai.html
「知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会(第7回)議事次第」
(首相官邸)

 知財戦略本部下のコンテンツ専門調査会、その第7回の議事録が公表されていますね。先行して公表されていた議事次第ページでの掲載配付資料 (PDF) の中で依田巽委員(そう、「レコード輸入権」でお馴染みのヨーダです)が一人 怪気炎を吐いていたのが記憶に新しいところですが、議事録の中でもやっぱりそんな感じでした。
Where is a limit?』 さんでも引用されていたので それを参照していただこうかと思いましたが、いや私にも言いたいことがあるので、ダブりますが当該発言をあえて引用します。

○依田委員 (中略)「(提言3)ユーザーが豊かなコンテンツを楽しめるようにする」ための「解決策」の「(2)音楽用CDにおける再販売価格維持制度の見直し」についてですが、音楽ソフトの持つ特性、または我が国の再販制度の歴史的背景、存在意義等をいろいろ考えてみますと、今回まだまだ関係業界、諸団体等との十分な検討がなされたとは思えませんし、もっと細かく問題点の整理がなされ、デジタルコンテンツ分科会において、再販価格維持制度の廃止を示唆する提言を盛り込む段階で、もう少し細部にわたった検討が必要ではなかろうかと思っております。
 それは資料を御一読いただければと思いますが、今すぐに廃止を論議するというのは、ちょっと時期尚早ではなかろうかと思います。当コンテンツ専門調査会でも論議をする環境下にあるのかどうか、それも含めて、できればこの問題については、もう少し様子を見てからにしていただきたいということが、業界としても声が上がってきております。これは決して業界の援護ではなくて、専門調査員としての私の意見として御報告申し上げたいと思います。

 レコ協の会長を退いてもなお、レコード業界の代弁を忘れてはいませんね。

「我が国の再販制度の歴史的背景」──CD(いわゆる音楽レコード)が再販製品でなければならない必然性はどこにもありません。何せ著作物の再販制度が認められたのは「定価販売の慣行を追認」したに過ぎないのですから(この種の話題で懐かしい記事にリンクしておきましょうか。川内議員のアレです)。一律の価格で全国に行き渡らせる──などと一応もっともらしい理屈は付けられていますが、そんな“存在意義”も今では崩れ去ってますしね。第一、次世代レコードや音楽配信では再販制は認められていません。
「存在意義」──前述の通り、今となってはありませんね。CDは通販で買える時代、そもそも近所にはCD屋が無い(潰れる一方)、あったとしても品揃えは一緒(売れ筋ばかり)。いや、意義ってやつはレコード業界にしてみれば残ってるのでしょうが。いわゆる既得権としては。しかし価格競争が全くない中でCD売上げが激減しているのに、再販制に原因があると考えないのが何とも‥‥病根の深さが窺えます。
 再販制は弊害の方が深刻であり、問題点として幾らでも何度でも指摘されています。価格が高止まりしてるは、流通が硬直化してるは。ぬるま湯に長いこと浸かってるレコード会社は顧客獲得の努力をしないは、売れないCDは簡単に廃盤にするは、せっかく売っても 「CCCD」 だは(そりゃ売れないのも当然)。挙句の果てに、CDの価格をもとに配信価格を決めるは(しかも価格の決定権を握ろうとするは)。

 そして。ヨーダと言えば輸入権、輸入権と言えばヨーダです。
 この話と無縁なところで再販制が語られる筈がない。この二重保護の問題は当然 指摘されるところであり、充分に配慮しろとは当該法改定の際の附帯決議にもある通りです。還流防止措置創設の片棒を担いだ知財戦略本部だからこそ、そのバランスをとるためにCD再販撤廃を提言する責任があるのです。「時期尚早」でも何でもないのですよ。

 ──なんてね、私ごときが反論するまでもなく、中山先生がドスンと重たいボディブローを打ち込んでいらっしゃいました。

○中山本部員 11ページのレコード再販の問題について、一言私の意見を申し上げたいと思います。
 私はこの文章は、是非このまま残していただきたいと思っております。
 レコードの再販につきましては、恐らくそういう制度をとっているのは、世界で日本だけだと思いますし、また、一昨年の著作権法改正で、いわゆるレコードの管理防止措置、つまり安いレコードが日本国内に入ってこないような措置を取りました。国内的には再販で価格を維持し、国際的な競争もしないという、世界でもまれに見る状態に置かれているわけであります。こういう状態が、果たして日本の文化を守るために必要なのかと、そんなに素晴らしい制度なら、なぜ世界がまねをしないのか。現在、本当に日本のレコード産業は、世界に冠たる産業になっているのか。世界一高いCDを買わされている日本のユーザーは、本当に世界一ハッピーなのか。そういうところから、私は考え直さなければいけないと思います。
 アメリカよりも産業規模が小さいわが国の音楽産業、それに対してレコード会社はアメリカの何倍もあるという、言わば過当競争の状態にあるわけです。この護送船団方式を維持していくためには、やはり再販制度は必要だろうと思うわけでありますけれども、しかし、再販制度を維持してやっているうちに、実はもう大きく流れが変わってきている。
 例えば、インターネットを通じた音楽の配信などのように、再販などには全く関係ない世界が出現しつつありますしたがって、再販制度で利益を得て、企業は現在はいいかもしれませんけれども、これに溺れて合理化をしないと、そのうち大きな崩壊が始まるのではないかと私は考えています。
 そして、この問題は、決して唐突に起きたのではないわけでして、もう何年も前から公取でさんざん議論しておりますし、独禁法学者あるいは産業構造論の経済学者の間でも、さんざん議論をし尽くしているわけであります。
 知的財産戦略会議の時代から、再販については直接書いてありませんけれども、競争政策が大事であるということは述べられておりますし、また知財基本法にも、競争法のことは書いてあるわけです。したがって、私は日本の音楽産業の合理化のために、むしろこの議論を始めるのは、遅過ぎるという感じすらするわけです。したがって、私は11ページのこの条項は、残していただきたいと考えております。

 ──当該発言を全て引かせていただきました。その指摘ひとつひとつが重いものです。
 中山先生は公取委の懇談会にも出席されてますからね、そのあたりのデータについても把握されてます。論理的には“外堀を埋めた”状態になっています。もっともヨーダが理解できているのかは微妙ですけどね。
 しかし、中山先生のこの発言に共感する人間が増えてきているのは確かです。あの時、還流防止措置が創設されたのを境に、レコード業界に対する態度を変えた人が数多くいるのですから。我々 Watchdog ブロガーしかり、知財戦略本部しかり、公取委しかり。

 もはやレコード業界を甘やかす人間だけが ものを言う時代ではなくなったということです。

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知財戦略本部 (第13回) で文部科学大臣が一部の業界の要望を熱弁

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/dai13/13gijiroku.html
「知的財産戦略本部 −(第13回) 議事録」
(首相官邸)

 少し旧聞になります。意見募集が始まった知的財産戦略本部なんですが、同じ頃に公表された議事録 (2月24日開催の 第13回) を読んでいて気になる箇所があったのですね。

○文部科学大臣 (中略)新聞・書籍・音楽等の再販制度につきましては、著作物を全国同一価格で容易に入手することを可能とするほか、更に言うならば返品を可能とするような制度の採用が行われるわけでありますが、それによりまして全国どの店舗においても地域的な偏在なく、かつ流行にとらわれない多様な品揃えを可能とするなど、これらの点で文化政策上も重要な意義を有していると考えております。
 特に音楽CDなどの再販につきましては、ネット上での音楽配信の普及、地域、高齢者などのデジタルディバイド、すなわちそういった機器が使えるか、使えないかの問題が出てまいりますので、こういった問題等を合わせて考えてみるならば、現時点では再販期間を時限的に運用する。すなわち一定期間、流行のもの、売れ筋のものについては再販を維持するが、一定期間経過後はそれを解除して競争的に流通できるようにするという時限的再販制度の採用が適切であると考えております。
 同制度の在り方につきましては、文化振興の観点から十分な議論が行われるとともに、音楽関係者の意見についても十分に配慮し、慎重な議論が行われることを強く期待いたしております。

 ──あんたは業界の代弁者か?

 知財戦略本部の流れがCD再販撤廃へと向き始めていることに対する牽制といったところなのでしょうが、文部科学大臣がここまで一部業界の既得権益を守ろうとするのは如何なものかと思いますよ。
 何が頭に来るかというと、業界の言い分をそのまま垂れ流してることです。何の検証もない。再販制の弊害、すなわち流通の硬直化や価格高止まり(さらには顧客離れ→市場縮小)については無視と来てます。「著作物を全国同一価格で容易に入手すること」などは再販制が存在しなくても通販などで可能となっていますしね(デジタルディバイドで通販が利用できないとしたら、そりゃ再販制とは別の問題でしょうが!)。まして「全国どの店舗においても地域的な偏在なく」「流行にとらわれない多様な品揃えを可能とする」などとする部分に至っては、再販制が存在するもとで逆の現象が進行しているのですよ。近所のCD屋や本屋は潰れてるし、そもそもその潰れたCD屋や本屋で流行りものしか置いてなかったでしょ? しかも品揃えなどは期待するまでもない。
 時限再販についても、実際にそれが切れた後でどれくらい値引きされているか調べてみればよろしい。せいぜい1割程度ですよ(全然売れない末の投げ売りってなら話は別ですが)。CD1枚 3000円 とすると、再販切れ後は 2700円。 いかにCDが高いままで売られているかということが解ります。最近は買われてもいないですけどね(笑)。

 文部科学大臣のくせして還流防止措置に触れないってのも卑怯ですね。そりゃあの法案が通った時の大臣とは違う御仁ですがね、それでツッコまれないと思ってたら危機管理意識なさすぎです。そもそも再販制からCD等を外そうというのは、自由経済に反してまで ああいう保護を与えたのが根拠のひとつなのですよ。しかもアジア各国への進出は、あの法改定時の“予定”からは程遠い。
 国民から価格の選択を奪っておいて、さらに再販制で高値を維持させるというのは虫が良すぎます。レコード業界が自殺するのは勝手ですが我々を巻き込んで欲しくありません。

 私は基本的に再販制撤廃を望んでます、CDだけではなくてね。既に存在意義を失っている制度ですから。存在理由とされていることとは逆の現象が、現に行き着くところまで行ってるわけで。

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2006年1月31日 (火)

ホントに実現しますかねぇ →CD再販制廃止

http://00089025.blog8.fc2.com/blog-entry-169.html
「【速報】知財戦略本部、CD再販制度廃止を勧告か」
(The Casuarina Tree)

http://tontonsblog.seesaa.net/article/12565895.html
「知財本部、音楽CD再販見直し」
(Where is a limit?)

http://www.nikkan.co.jp/hln/hlntop.html
「知財本部、音楽CD再販見直し」
(日刊工業新聞: Business Line)

『The Casuarina Tree』 さんと 『Where is a limit?』 さん経由、知財戦略本部がCD再販を廃止する方向だとの記事が日刊工業新聞に掲載されたとのことです。「政府の知的財産戦略本部は、音楽CDの再販売価格維持制度(再販制度)の見直しに着手する。再販制度の存在が、音楽CD流通の自由度を制限し、結果として日本の音楽コンテンツ産業の成長を阻んでいると判断した。同本部は2月末までに方針を固め、同制度を所管する公正取引委員会に、音楽CDを再販制度の対象から除外することを求めていく。音楽CDの再販制度問題は過去にも浮上していたが、音楽業界の強い反対で断念した経緯がある。今回も業界から反発の声があがるのは必至と見られる」ですって。
 ここで気になるのはネタ元がどこなのかということ。 『Where is a limit?』 さんが挙げられているように、知財戦略本部内のデジタルコンテンツWGの第3回において「デジタルコンテンツの振興戦略(案)」 (PDF) という資料で触れられてはいるんです。が、まさかこれだけを根拠に記事にしたわけじゃないですね? (何らかの形で裏を取るのがプロの仕事というものでしょうが。)

 まぁ喜ぶのもほどほどに推移を見守る必要があるでしょう。当然 音楽業界は反対するでしょうし。
 私はCD再販制廃止に賛成です。還流防止措置などという過大なまでの保護を受けているところですから。この上 再販制度まで維持させたら、内外価格差の是正は絶対に起こらず、場合によっては国内盤の価格を不当に吊り上げたりして、ますます日本のCDが世界一高い水準のままでいつづけます(還流防止措置というのは、国内消費者に高いCDを買わせ続けることと海外進出を両立させる制度なのです)。
 もっとも、還流防止措置の効果は(制度創設時に喧伝されているようには)上がっていないと見受けられますし、さらには 2005年の 音楽ソフト売上げがまた前年割れ (約12%減!) しているとのデータもあります。そこで〈なぜCDが売れないのか〉という話になるわけですが、そりゃ高いからでしょう。他にも廃盤の問題とか、音楽配信の問題(音源提供・価格・仕様)も考えられますがね。いずれにせよ現状の音楽商売は客離れが進んでいるということですよ。
 それとも何ですか──音楽業界は「カジュアルコピーが氾濫しているからだ」とか「再販制とは関係ない」とか別の“原因”を喧伝したりするんでしょうか。いや、もっと効果的な頼み方がありますよ →音楽業界の皆様。「還流防止措置は廃止してください、その代わり再販制度を残して下さい」ってね。

 これとは別に、本や新聞の再販制は存置かよなんて思ったりもするのですが。

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2005年11月 5日 (土)

「特殊指定なんていらない」

http://blog.livedoor.jp/saihan/archives/50168373.html
「特殊指定なんていらない」
(マスコミ不信日記)

 先日、公取委事務総長が「新聞発行など五分野に対し設けている、独占禁止法の適用を除外する規定である『特殊指定』について、廃止も含めた見直しを行う」方針を示したとの報道がなされました。この問題に関連した記事などを『マスコミ不信日記』さんがまとめられています。
 「特殊指定」だけでなくて、著作物再販制度の方も見直しを検討してほしいというのが私の偽らざる気持ちであります。還流防止措置という過保護を受けている音楽などは特に、まっさきに再販制から外すべきだと思いますし(まぁ再販制度の意義自体が無くなっているのが今この時代ではあるのですが。もはや著作物の多様性には資するところなく、廃盤・絶版が増える一方。全国への普及にしてもインターネットや宅配便がある時代ですから。むしろ再販制を無理に維持する方が、歪んだ商業主義を深刻化させて弊害を多く生んでいます)。

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